Archive for the ‘不動産の賃料’ Category

適正賃料の3分の1の賃料

2024-04-06

地価や物価の上昇期においては、周辺相場などから試算した新規賃料適正賃料)と現行賃料契約賃料)との間に乖離が生ずることが多く、現行賃料新規賃料を下回ることが多いです。

先日、かってアイドルであった女性芸能人が建物明け渡し訴訟に勝訴した、との記事を見ました。この女性芸能人が被相続人である旧賃貸人との間に交わした契約が有効とされた事案です。

この契約による月額賃料は10万円、適正賃料の3分の1とのこと。裁判の結果、特約に記載された、「居住者による申し出がない限りは自動的に更新するものとする」が有効となりました。

今回の裁判で、明け渡し請求は認められませんでしたが、賃貸人は借地借家法で認められた借家人に賃料増額請求を行うものと考えれれます。

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現行賃料の3倍の家賃

2024-02-05

円安による輸入材の上昇に伴い、物価の上昇が続いています。一方、主に居住用家賃は横ばい傾向が続いていましたが、ここに来て家賃の値上げの話も聞くようになりました。

貸主である大家さんからすれば、地価上昇に伴う固定資産税の上昇や、修繕・管理費の上昇しており、家賃の値上げをお願いする気持ちは分かります。

借主の立場では、家賃は安い方が助かりますし、建物が古くなっているのに、家賃が上がるのは納得できない気持ちでしょう。

このように賃料改定は貸主と借主の利害が対立する場でありますが、先日、家賃が突如3倍、との記事を見ました。

場所は基地建設で揺れる鹿児島県馬毛島、家賃以外の物価も急上昇しているそうです。

私も鑑定評価の仕事で、貸主から現行賃料の約2倍の値上げをお願いされたケースに遭遇しましたが、現行賃料が安すぎたのでしょうか、3倍はすごいですね。

賃料の遅効性から地価の上昇に送れて賃料は上昇すると言われていますが、物価上昇が続く日本経済、賃料値上げが社会問題になりそうな感じがします。

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事故物件の家賃

2024-01-21

都心部を中心に不動産価格の高騰が続く中、より割安な不動産を求めて事故物件に注目が集まっています。

自己物件とは、以前、自殺や犯罪などがあった不動産を言い、忌み物件とも言われます。このような不動産は当然、市場性が劣ることになるため、通常の不動産より安い価格で取引されることが多いです。

先日、事故物件の家賃について書かれた記事を見ました。賃貸であっても市場性は劣ることになり、価格と同様安くなることが多いですが、この記事では、通常家賃の20%~30%安いとのことでした。

自己物件の価格ですと、通常価格の50%以上安くなることが多いですが、賃貸は所有価値ではなく使用価値になるので、この程度の減価になるものと思われます。

専門に扱う不動産業者もある程人気にある事故物件、霊感の無い人やその物件の過去を気にしない人にはお買い得な不動産なのかもしれません。

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ニューヨークの1DKマンションの平均家賃

2023-11-16

日本でも物価上昇が続いていますが、都心部でも居住系の家賃が高騰しているという話はあまり聞きません。管理費や修繕費、固定資産税などの費用の上昇が激しくなく、また、供給過多により空き家が増えることが懸念され、値上げできない状況なのかもしれません。

一方、一足先に猛烈な物価上昇が続くアメリカ・ニューヨークでは、1DKの平均家賃が60万円、との記事を見ました。日本人の平均月収を大きく超える家賃、驚きます。

他の記事をみると、給与の上昇が家賃の上昇に追い付かず、路上生活者も増えているそうです。家賃以外の食品や日常品の価格も大幅に上昇しており、一般的な人々の生活は大変だそうです。

日本でも物価高を抑えるため金利の上昇が予測されますが、今回のようなニューヨークの家賃の記事を見ると、日本ではしばらく低金利が続くような予感がします。

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オフィス需要低迷と不動産価格

2023-09-21

コロナ禍で普及したリモートワーク、現在も行っている企業もありますが、殆どの大企業はコロナ禍前と同様、原則出社して仕事をしているようです。

一方、先にリモートワークが普及したアメリカでは現在もオフィス需要が低迷しており、特に中規模都市では税率の上昇と不動産の資産価値の下落をもたらすと警告する経済学者もいます。

私が見た記事の中では、アトランタ、シカゴ、デンバーがあげられており、オフィスの空室率がかつてないほど上がっており、商業用不動産の市場に深刻な影響を与えているとのことです。

日本でも先日発表された地価調査では、インバウンド需要の回復が商業地の地価を押し上げる要因になったと分析されていますが、オフィス需要が本格的に回復したとは言い難い状況です。

インバウンド需要頼みになっている日本の商業地の地価、日本の経済が衰退に入っていることは間違いなさそうです。

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住宅価格と家賃高騰のお話

2023-09-19

ウッドショック、ウクライナ危機に続き円安による建築資材の高騰が続く中、建物の建築費も以前より大きく上昇しています。

住宅価格をはじめ、他の財やサービスの物価が上がる中、日本の家賃は比較的安定しており、社会問題にはなっていません。

先日、アメリカ・カリフォルニア州で車中生活者が急増、との記事を見ました。家賃高騰により住むところを失った人が増えていることが原因だそうです。

記事によると、ある人が住んでいたアパート、10年前は450ドル(約6万6000円)だった家賃が10年で3000ドル(約44万円)に上がったそうです。約6.7倍の上昇、凄まじいインフレですね。

世界的経済がリセッション局面に入る中、低金利政策を続ける日本政府、この金融緩和が完全に行き詰った時、アメリカ同様、家賃が急騰し、車中や路上で生活する人が増えることが危惧されます。

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ニューヨークの家賃事情

2023-09-01

家賃地価と同様、その地域によって一定の相場が形成され、例えば60㎡程度の家族向けマンションで築3年だと月8万円程度、と言った具合です。

また、支払家賃にはある程度上限が決まっていて、法人需要などの特殊なケースを除くと、その上限を超えると需要が無くなると言われています。家賃が高すぎると賃借ではなく不動産の購入を考えるからだと言われます。

先日、アメリカ・ニューヨークの家賃中央値が54万6000円との記事を見ました。日本人の平均年収が443万円だそうですが、持ち家の人を除くと日本人の多くが家に住めないことになります。

この記事によると、広さ約14㎡のロフト付きのアパートで月36万5000円とのこと、凄まじい物価高になっていることが分かります。

物価高の影響が叫ばれる日本経済、このまま給与があがらず物価のみが上昇した場合、貧困社会が現実のものとなりそうです。

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リモートワークとオフィス価格

2023-07-28

大手企業を中心にコロナ禍において普及したリモートワーク、働き方はもちろん生活スタイルにまで大きな影響を与えました。

在宅時間が増えたことにより、仕事や娯楽などを自宅で快適に過ごす方法が提案されました。代表的な娯楽として家飲みやZOOM飲み会があげられます。

先日、アメリカのあるシンクタンクがリモートワークがこのまま進めば、オフィスビルは8000億ドル(日本円で約112兆円)の損失を被る可能性を指摘する記事を見ました。この記事によると、2030年までに26%減、最悪42%減になると予測しています。

このオフィスビルが被る損失は、空室率の上昇による賃料下落、そして価格の下落、暴落を指すと考えられます。

首都圏はもちろん都市部で現在も進むオフィスビル建築、この悲観的な予測が現実となった時、不動産市場は大混乱となることが予想されます。

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不動産鑑定評価を行う際の条件

2023-07-19

不動産の鑑定評価を行う際、地域要因及び個別的要因について想定上の条件を付ける場合があります。例えば道路拡幅における用地買収の際、買収する土地の個別性(規模や形状など)が拡幅前より悪くなる場合など、買収地の所有者が事業によって不利にならないよう「事業の影響は考慮しない」、との条件を付けることが多いです。

但し、このような想定上の条件は、無条件で認められるものではなく、社会的に公平妥当なものである必要があります。

最近、大阪のIR予定地の賃料の鑑定評価がニュースになっていますが、その際の鑑定評価において、「IRを考慮外とする」との条件が付いていた、との記事を見ました。鑑定賃料が不当に安い、との批判がある中、この記事をみれば鑑定評価額が低めの試算値になった理由がわかります。

土地新規地代鑑定評価する際、その土地の利用方法、建物が堅固か非堅固か、収益物件か否か、その土地を利用してどの適度の収益が上がるのか、などを判断し、その土地の合理的使用に応じた賃料が試算されることになります。

なので、IRを考慮外として、埋め立て地の賃料の鑑定評価をどのように行ったのか、とても興味深く感じました。

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名古屋市内オフィスビル市場と経済動向

2023-06-26

コロナ禍を機に推奨されるようになったリモートワーク、不動産市場に大きな転換をもたらすと言われたことがあります。

一つは都心から地方への移住、リモートワークの普及により在宅時間が増え、より生活と仕事の両立がし易い地方への移住が増えると言われていました。

二つ目は、リモートワークにより不要となったオフィスの撤退又は縮小が進むと言われていました。実際、コロナ禍においては都心のオフィスビル、大規模なものから小規模なオフィスに移転が進んだそうです。

以上はコロナ禍からその後の不動産市場予測でしたが、現実では都心の駅近物件の価格上昇は続き、郊外の地価はあまり上がっていない所が多く、エリアによっては横ばいから下落しています。

また、オフィス市場においても、名古屋圏では中日ビルなど新築オフィスビルの竣工が予定されており、今年完成する名古屋のオフィスビルの床面積は前年比約3.2倍の約17万㎡となる見込みです。

日銀総裁交代により金融政策の変更がないことが明らかになり、金融緩和が続くと市場は見ているのだと思います。

名古屋のオフィス市場、順調に成約が進むのか、それとも空室率の上昇と賃料の下落をもたらす結果となるのか、名古屋圏の経済状況を見る上でも注視したいと思います。

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