造成地の鑑定評価

2021-07-08

今回の長雨、各地で大きな災害をもたらしましたが、熱海市では造成地が山ごと崩落し、大災害となってしまいました。亡くなられた方のご冥福をお祈り致します。

今回の災害、現地の状況や専門家の話などから、人災の可能性が高いと言われています。開発業者は県の指導を無視し、違法な盛土を繰り返していたとの記事を見ました。非常に悪質なケースだと思います。

造成地の鑑定評価を行う場合、原価法をいう手法を適用することになります。素地(山林や湖沼、海面の場合もあります)の価格に造成に要する費用を加算して土地の価格を求める手法です。造成費の額が鑑定評価額に大きく影響することになるので、高低や傾斜のきつい山林や、水深が深く埋め立てが難しい湖沼、海面は造成費が高額となり、結果、鑑定評価額も高くなります。

今回災害が起きた土地を開発した業者は、利益を多く出すため造成等で違法な行いをしていたと考えられます。

土地の造成を行う際、盛土と切土を行いますが、傾斜地に土をもって土地を平面にする盛土は、切土に比べて地盤は弱くなります。但し、今回の災害のように、地域一面土地が流失してしまうと、切土であっても災害の危険性が高く、山を切り開いた造成地は避けた方がよいと実感しました。

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