現物出資とは,会社設立や増資の際に個人が所有している財産を現金の代わりに資本金として出資することをいい,不動産を現物出資する際は,税理士等の証明書に加えて,不動産鑑定士の鑑定評価が必要と会社法で規定されています。
今回のケースは,和歌山県白浜町の山林で,実際には数億円程度のものが20億円と不当に評価されていたものでした。ある不動産鑑定士事務所が行った鑑定評価をもとに価値が決められたとのことでした。
ちなみに,対象となった山林は,増資の1ヶ月前の取引で「3億数千万円」,管財人が依頼した別の不動産鑑定士の評価では「4億数千万円」,現在は土地の買い手がつかない状態で、「1700万円」と査定した不動産業者もいました。
不動産鑑定評価額は,評価主体によっては価格に差違は生じますが,今回のケースは酷すぎます。このような不動産鑑定制度の信頼を貶めるような評価には厳しい処分で臨んで欲しいと思います。