先日、大阪市港湾局が市有地を財産台帳に登録しないまま第3セクターに貸していたことが問題となりました。
本来なら、市有地を貸す際には路線価に土地の広さを加味して決めた基準賃料を適用するところ、このケースでは、不動産鑑定士が独自に算定した年間賃料844万円を契約賃料として採用していたそうです。
大阪市が採用している路線価方式は、土地の個別性が詳細に反映されないデメリットはありますが、公共用地を貸し出すさいなど公平性を保つためには妥当性のある方式だと思います。今回のケースでは、鑑定賃料が市の規準賃料の5分の1~7分の1程度だったそうです。
賃料評価に精通した不動産鑑定士が厳密に鑑定評価方式を適用したのなら、路線価方式より正確な賃料が算出されるはずです。ですが、今回のケースは安すぎます。恣意的に低く鑑定したものと考えられます。このような不当な鑑定評価が後を絶たないこと、一不動産鑑定士として残念に思います。