東日本大震災以降、災害への関心が高まっていますが、その土地の地名から災害の危険性を推測する方法が注目されています。
例えば、「氵」が漢字に付く地名は、昔、水に浸かっていた可能性があるとか、「田」が付く地名は、昔田んぼで地盤が弱いとか。以前、静岡に住んでいたときも、「沼」が付く地名があり、大雨で周辺が冠水したことがあると聞きました。それなりの根拠はあるのでしょう。
一方、地名から災害危険性を予測すること懐疑的な方もいます。理由は、日本の地名は字面で解釈できないものであり、イメージが良くない漢字は良い字に書き換えられているからだそうです。例えば、「窪」を「久保」とか。また、古いと信じられている地名でも、実は明治に地租改正で整理統合されたものもあるそうです。
私たち不動産鑑定士が鑑定評価を行う際には、閉鎖登記簿、過去地図、航空写真を用いたり、行政担当者や地元精通者への聞き取り調査を行います。また、ハザードマップや土地条件図、愛知県であれば愛知県防災学習システムなどを利用して災害の危険性を判断しています。
最後に、災害の危険性は、地名なども参考にしながら上記調査を併用して総合的に判断することが必要だと思います。