名古屋市近郊、トヨタ自動車のお膝元である市で行った鑑定評価です。
評価を行う上での問題は、
1.最有効使用を含め、市街化調整区域内雑種地の価格をどのように求めるか。
2.地下埋設物をどのようにみるか。
の2点だと思います。
1.についてですが、①対象不動産の存する地域のすぐ至近まで市街化区域が迫っており、市街化の影響を強く受ける地域であること、
②愛知環状鉄道の最寄り駅から近く、付近にも貸駐車場が多く見られること、
③対象地の形状のほぼ長方形であり、想定をおこなったところ駐車場による賃貸想定が可能であったこと、
などから、最有効使用を駐車場をしました。
また、2.については、対象地が以前、電話会社の鉄塔敷地であり、地下に鉄塔基礎が複数本埋まっているとのことであり、図面及び聴き取り調査から、掘削・除去は費用的に不可能と判断しました。減価については、基礎の存在により地盤が強くなるとの見方もあり、ハウスメーカー担当者より建物も基礎を避けて建てることも可能との回答があったことから減価ゼロでもよいかと思いましたが、やはり、地下に埋設物がない通常の土地を同じではおかしいと判断し、土壌汚染の際の心理的嫌悪感(スティグマ)に準じて減価を見ました。
市街化調整区域内雑種地の価格ですが、財産評価基準なども参考にしましたが、やはり地域性を考慮する必要があると考え、2社の不動産業者の方から聴き取りを行い、決定しました。聴き取り調査の際には、今回の鑑定評価以外のことでも有用な情報を得ることができました。
最後に、この鑑定評価は、東日本大震災より前に行ったもので、災害に対する意識は低かったのですが、もし、既存の基礎を活かす方向で建物想定を行った場合、地下埋設物の存在が増加要因になりうるケースもあると思いました。
愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所 」
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