Archive for the ‘不動産の価格’ Category
小学校が不動産鑑定評価額に与える影響
住宅地域に存する土地の想定される需要者は、主に家族のある個人になります。このような家族の方は、お子さんの通う小学校を重要視して土地を探すことが多いです。
まず、小学校の距離ですが、駅距離のように徒歩何分か、のようなことを重視する方はあまりなく、子供が歩いて通える範囲内であれば小学校の距離によって土地の価格差が生じることは少ないと考えられます。距離よりもむしろ、通学路の安全性を重視する傾向が強いです。
また、小学校の学校区ですが、指名買いがあるくらい重視する方が多いです。現在住まわれている学校区内で探される方も多いですし、やはし校風のよい学校区内の土地は人気があり、地価も高い傾向があります。
不動産鑑定評価を行う場合、学校区の優劣をそのまま価格に反映させることはなく、住環境や市場性を考慮して鑑定評価額を決定することになります。
眺望と不動産価格の関係
不動産は様々な要因が絡み合って価格が形成されますが、眺望・景観も価格形成要因とされています。高級住宅地域に高台が多いのも、眺望や景観に優れるからだと考えられます。
先日、ネット記事で景色の良さを重視して不動産を購入した失敗例を見ました。その不動産は街の中心部からかなり離れた場所に立地しており、自然は豊でも利便性などが劣る地域だったようです。このような不動産の鑑定評価を行う場合、眺望や景観の良さは増加要因にはなりません。
眺望・景観はタワーマンションの高層階が人気のように、住む人を魅了するものではありますが、あくまでも従たる要因であり、利便性や住環境などの主たる要因を重視して不動産を選ぶことが重要だと思います。
ジョン・レノンの元愛人のマンションの価格
日本でマンションというと、家族用であれば60㎡~100㎡程度が一般的で、名古屋ですと4000万円~5000万円程度が人気の価格帯だと思います。
ネットで、ジョン・レノンの元愛人のマンションが売りに出された記事をみました。場所はニューヨークのマンハッタン、広さ約372㎡、最上階からイーストリバーが見下ろせるそうです。
このマンションの売り価格は550万ドル(約5億7000万円)、場所も広さも眺望も素晴らしいですが、ジョン・レノンが一時暮らしたプレミアも加算されているのでしょうか。
ちなみにこのマンション、いくらで売れるのでしょうか?おそらく成約価格は売り希望価格を下回ると思いますが、興味深いですね。
パチンコ店の鑑定評価額への影響
今回のコロナ禍で改めて注目されることになったパチンコ店、そのパチンコ店の鑑定評価額への影響が問題になることがあります。
対象不動産が商業系の用途的地域にあり、周辺も店舗などの商業系施設である場合はパチンコ店の存在が鑑定評価額に影響することはないと考えれます。
一方、用途的地域が住宅系に存在し対象不動産が住居の場合、パチンコ店の存在は鑑定評価を行う上で減価要因になり、マンションの場合で1階がパチンコ店の場合は通常、減価されることになります。
都市計画法の用地地域が準工業地域の場合、用途的地域が住宅系の場合も多く見受けられます。パチンコ店などの遊戯施設の存在は、鑑定評価額に影響を与えることに留意する必要があります。
将棋の封じ手のオークション価格
先日、将棋の藤井聡太棋士の王位戦の封じ手がネットオークションに出品され、2250万の落札額で確定された、との記事をみました。
封じ手とは将棋の中断時将棋・囲碁などの対局で、勝負がさしかけや打ちかけになる時、その日の最後になる手を打たずに紙に書き、再開時まで封をしておくこと、とありました。藤井聡太棋士の次の手が書かれた紙、ということでしょうか。やはり時の人、高額な落札額となりました。
オークション、昔は中古車や絵画、美術品など限られた業者の人が参加するイメージでしたが、ネットオークションの普及で不特定多数の人が参加できるようになりました。官公庁オークションでは、不動産もオークションで売買されています。
不動産の鑑定評価をしていると、イメージと実際に現地で見た事実と違うことはよくあります。このような理由から、私はネットオークションで不動産を購入できる自信はありません。
ネットオークションは普及していくと思われますが、どのように出品物の詳細を正確に伝えるか、偽物や瑕疵のあるものを排除するかなどが今後の課題になると思われます。
ニセコの不動産価格
今回のコロナ禍でインバウンド需要が落ち込み苦戦が続く観光地が多い中、北海道のニセコの不動産価格に注目が集まっています。
ニセコは、今年7月に国税庁が発表した相続税路線価(1月1日価格)の上昇率が6年連続でトップとなり、アベノミクスの効果で地価が急騰している都心の商業地を上回る上昇が続いています。
このニセコ人気の強さですが、ニセコは既に世界的なリゾートとして認知されており、コロナ対策で世界的な金融緩和が行われる中、外資系企業や海外富裕層からの投資意欲は衰えていないことが理由と考えれるそうです。
ニセコに行かれた不動産鑑定士の方の話では、ニセコは北海道特有の雪質の良さに加えて、蝦夷富士とよばれる羊蹄山を望むロケーションの良さから他の山岳リゾートにはない魅力があるとのことでした。また、「ひらふ坂」周辺には豪華なコンドミニアムやおしゃれなお店が建ち並び、さしずめ軽井沢のようなリゾートとしてのブランドイメージが確立されつつあります。
ニセコの不動産価格、来年の地価公示で発表される価格が大いに気になるところです。
狭小戸建住宅とは
コロナ禍によるテレワークの普及で注目を集める戸建住宅、その中でも価格が割安な狭小戸建住宅が人気のようです。一時は、快適性などに優れるマンションが人気でしたが、建築費の高騰によるマンション価格の上昇も需要が戸建住宅に流れる要因のようです。
この狭小戸建住宅ですが、以前、土地は80㎡程度、建物は3階建と書いたことがありますが、先日、土地は50㎡以下、建物は3階~4階建て、との記事を見ました。土地の広さがますます狭くなっている印象です。土地50㎡、建蔽率60%、建蔽率200%、準防火地域(建蔽率+10%)、建物3階建として延べ面積100㎡、建蔽率と容積率をいっぱいに使って建てられる建物、かなり圧迫感があります。
ちなみに狭小戸建住宅の価格帯は4000万円~5000万円が多く、価格が割安であることから今後、コロナ禍が終焉しても狭小戸建住宅の人気は続くと考えられます。
不動産の鑑定評価額と査定価格
不動産の鑑定評価額は、不動産鑑定士が不動産鑑定評価基準に則って試算した価格で、作成された鑑定評価書には不動産鑑定士の署名・押印がなされています。
一方、不動産の査定価格は、その多くが不動産仲介業者の方が査定するもので、不動産流通近代化センター作成の比準表や、会社独自の方法で査定された価格になります。
先日、マンションの売却価格の査定で、「すぐ売る」価格と「高く売る」価格を同時に算出するサービスが始まった、との記事を見ました。「すぐ売る」は買取価格、「高く売る」は仲介価格だそうです。売り手と買い手の双方が利用できることがメリットのようです。
不動産の査定価格を記載した査定書、大手不動産会社のものですと査定価格に幅(〇〇万円~〇〇万円)をもって記載されているものもあり、また、同じ不動産であっても査定した会社によって大きな違いがあることもあります。
マンションは同じマンションの中で取引があれば試算価格の精度は上がる傾向があります。ちなみに先程の査定サービス、AIを使用して価格を査定するとのことですが、どの程度の精度でしょうか?精度が高ければ今後普及する可能性はあると思います。
価格0円の不動産
不動産の鑑定評価は、不動産の価値を貨幣額で表すことであり、基本的に0円の鑑定評価額はないと考えています。
今まで0円の鑑定評価をしたことはありませんが、社会問題となっている僻地の空き家やリゾートマンションなど価値の有無が疑わしい不動産を評価する場合、0円で評価された不動産鑑定評価書が現れる可能性を否定できません。
先日、ネットで東京奥多摩の空き家が0円との記事を見ました。奥多摩町の「0円空き家バンク物件詳細」というサイトに載っているそうです。3件掲載され、全て契約交渉中とのことです。
現在は始まったばかりの0円空き家の企画、反響によっては全国に普及していくかもしれません。
街並みの不動産価格への影響
不動産の価格形成要因である地域の名声・品等が住宅地の鑑定評価額に影響を与えることは知られていますが、街並みの良さをどのように鑑定評価額に考慮するかの判断は難しいところがあります。
例えば、大手ハウスメーカーが開発した住宅団地ですと、区画整然とし、建っている家も統一性が取れていますし、道路が石畳調になっていたり街路灯がおしゃれだったり美しい街並みが形成されています。このように街並みの良さが明らかな場合、不動産鑑定評価を行う場合、増加価値を見てよいと思います。
また、地区計画で建物の建築に何等かの規制を定めている地域があります。圧倒的な人気を誇るような地域であればよいですが、建物を建築できる最小画地面積が定められている場合、購入者が限定され市場性が落ちることもあります。
価格形成要因ですが、駅距離や道路幅員など違い街並みは数値による比較が難しく、恣意的な価格形成に使うことがないよう注意が必要です。
« Older Entries Newer Entries »