Archive for the ‘特殊な不動産’ Category

不整形地の有効利用

2024-12-06

土地建物が建つかどうか、またどのような建物が建つかで価格が変わってくることが多いです。例えば過小地の場合、住宅地であれば一般住宅が建つか、物置程度なら建つか、建物は建たないが駐車場利用は可能か、ゴミ置き場程度の利用しかできないか、等を判断し、減価率及び土地価格が決まります。

また、不整形地の場合も同様で、建物は建たなくても資材置場などで利用できるか否かで価格は大きく違ってきます。

先日、岐阜県のある不動産業者が不整形地戸建賃貸住宅を建てる事業を拡大、との記事を見ました。設定家賃は一般的なアパート家賃をやや上回る程度とのこと、戸建賃貸住宅の需要が伸びていることに注目したようです。

マンションと同じく戸建住宅の価格も上昇しており、購入を諦めた世帯も多く、戸建賃貸住宅の市場動向に注目したいと思います。

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ゴルフ場の地代

2024-11-26

高度成長期に多く造られた日本のゴルフ場、少子化の影響などで競技人口が減り、閉鎖されるところも多く見受けられるようになりました。

ゴルフ場の多くは市街地から離れた山林などに造られることが多く、他の用途の転用するとなるとまず太陽光発電施設用地が考えられます。

先日、ゴルフ場の借地割合地代について書かれた書かれた記事を見ました。ゴルフ場は敷地が広大となるので、全ての土地を購入して開業することは難しく、全部または一部を借地として用地を確保することが多いそうです。

その借地割合ですが、コース全体の10%~20%が多く、借地料も市街地から近い程高くなる傾向があるそうです。

年間地代は借地面積によっても異なりますが、年間5000万円程度が多いとのこと。ゴルフ場の運営者にしたら土地を買った方が安いケースが殆どですが、売買を拒否する地権者もおり、借地契約になるケースも多いようです。

最近のゴルフ場はHPなどから集客したり、ビジターのみでのプレーを可能にしたりと努力しているところが多いですが、物価高でプレーフィーも上がっており、厳しい経営環境が続くことは間違いなさそうです。

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10年間塩漬けの不動産の跡地利用

2024-10-20

都市部を中心に地価の上昇が続いていますが、都心、特に東京都内の一等地は地価が高騰しています。

先日、東京都目黒区内の廃校跡が10年間未利用で、跡地利用が問題となっている、との記事を見ました。広さは約8900㎡、校舎や体育館は残されています。ちなみに年間の維持費は約140万円、家賃が取れない中での支出、跡地利用が急がれるのも理解できます。

記事によると、校舎に目立った破損等はなく、大きな修繕を要せず利用できるとのことですが、私は校舎を取り壊し後、売却が良いと思います(もちろん、校舎などの建物も込みで購入してくれる学校法人が現れるとベストなのですが)。

金利の上昇や景気の先行き不透明感から不動産市場の今後を予測することは困難ですが、企業が遊休不動産を売り急いでいる現状をみると、今回のような大規模な不動産、今が売り時なのかもしれません。

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島に投資するお話

2024-08-07

最近、海外のプライベートアイランドが高額で売買された、との話を聞きますが、日本でも個人所有の島は売買されています。

少し前の話ですが、尖閣諸島が売買され国有になりましたし、島の一部ですが馬毛島の売買も話題になりました。

相模湾に浮かぶ初島にあるリゾートも売買されましたが、ここは島全体がリゾートではなく、漁師さんの集落なども島内にはあります。

先日、島に投資することについて書かれた記事を見ましたが、最近需要が増えているのは無人島を購入するのではなく、ゆったりとした生活に憧れた人向けの離島にある集落の不動産とのことでした。

私が子供の頃、サラリーマン生活に疲れた人が海辺に移住した話を聞いたことがありますが、より日常から拒絶された島に移住したい人が増えているようです。

この記事によれば、水道や電気などのインフラのない無人島は一般人が住める環境になく、投資対象にはならないとのことです。

瀬戸内海に浮かぶ島で、移住者の増加で地価が急上昇した島があるそうですが、今後、移住に適した島の不動産の需要が増え、地価が上昇していくかもしれません。

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大規模工業地の価格

2024-08-01

為替や人件費などの影響から、製造業の生産拠点の海外移転が進んでいましたが、最近の円安や海外の人件費の上昇などにより、製造業の国内回帰の話も聞かれるようになりました。

先日、香川県の観音寺港の埋立地の1区画、約1万㎡の土地が2億6000万円で売却された、との記事を見ました。この価格土地のみので、橋や構造物などを含めた総額は約20億円だそうです。

観音寺港の埋立地の売却、17画地は完売したそうです。沿岸の立地のよい大規模工業地、需要は多いのでしょうか。

今回の大規模地土地単価は約26,000円/㎡、埋め立てと造成の伴う費用を勘案して土地価格は決定されたと思われますが、大規模工業地価格の一つの指標になったと思います。

今後、円安がますます進むようなことになれば、日本もかってのような製造立国になる可能性もあると思います。

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遊水地が近くにある土地

2024-07-24

異常気象による自然災害が多発するようになった昨今、土地の安全性に対する意識も高まってきました。

地盤の固い土地は地震に強く、高台は大雨に強く、内陸は津波に強いというのが通説ですが、このような条件を満たす土地は需要も多く、地価も高いエリアが多いです。

先日、住んではいけない場所、という記事で遊水地のあった土地、と書かれていました。不動産の鑑定評価をしていると遊水地のある土地に遭遇することは意外と多く、名古屋圏でも郊外や遊水地を設置している大工場もあります。

大雨が降った際、排水溝を通じて河川に雨水を流すのですが、一度に大量の雨水を処理できなかった場合に一時的に雨水を貯めておく池であり、そのエリアは雨水による浸水リスクが高いということになります。

この記事によると、遊水地は水があふれ出ることが前提として造られているとのこと。遊水地が造られた当時は周辺は農地であったと考えられ、人的な被害も少なかったと思料されます。

私も以前、鑑定評価の仕事で遊水地付近の土地の調査をしたことがありますが、東海豪雨で住宅が床下浸水の被害を受けていました。想定外の大雨で雨水が処理できなかったようです。

最近、災害リスクのある地域に住宅が建てられているケースに遭遇しますが、災害はいつ起こるか分かりません。少しでも安全な土地を選ぶことが大切だと思います。

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訳あり不動産の価格

2024-07-09

事件や殺人などがあった不動産、所謂事故物件の鑑定評価額ですが、忌み物件であり市場性が著しく劣ることから実勢価格より大幅に安い価格になります。対象となる不動産によっても異なりますが、減価率は50%程度になることが多いです。

先日、建ぺい率オーバー、接面私道の長さオーバー、接面長さ(2m)未満を理由とした訳ありの不動産の価格について書かれた記事を見ました。全て再建築不可の物件になります。ちなみに建ぺい率オーバー、接面私道の長さオーバーの不動産実勢価格の50%減価、接面長さ未満の不動産は約40%減価の売り出し価格だそうです。

今回のケースはあくまで売り出し価格ではありますが、おそらく成約価格は売り出し価格に近い価格になることが予想されます。

最近、新築不動産の価格上昇に伴い注目が集まってきた訳あり不動産建物の修繕・維持により長期間居住が可能であれば、お買い得な不動産かもしれません。

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再建築不可の不動産の価格

2024-07-08

再建築不可の不動産とは、対象土地上の建物が建てられた当時は合法であったものの、その後、建築基準法上、再建築が認められないものをいい、接面道路が建築基準法上の道路でなかったり、道路に接面する長さが2m未満だったりすることが多いです。

先日、東京都内にある狭隘道路に接面する再建築不可物件を1100万円で購入、との記事を見ました。内訳は土地建物700万円、リフォーム代400万円、建物価値はゼロ円と推測すると、14坪の土地単価は50万円となります。再建築不可でこの価格は高く感じますが、東京都内なら破格なのかもしれません。

再建築不可物件を賃料徴収を目的とした投資目的で購入する投資家もいるとのことですが、このような物件は建物の老朽化が進んでいるケースが多く、投資採算性の判断は慎重に行う必要がありそうです。

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擁壁のある土地の鑑定評価

2024-06-17

擁壁のある土地鑑定評価する場合、その擁壁の状態と確認し調査することになりますが、既存の擁壁が使用可能か否かで鑑定評価額が大きく変わることになります。

既存の擁壁が古く、クラックや反り、水抜き穴が不備などの場合、既存の擁壁は撤去し打ち直すことになりますが、擁壁の高さや長さ、隣接地の状態のよっては多額の費用が必要となります。

先日、野面積みで擁壁を造る職人の方の記事を見ました。とても美しく積まれていましたが、現在でも野面積みの擁壁が新設されていると知り驚きました。

現在はコンクリート擁壁、間知ブロック擁壁が代表的であり、間知石や野面の擁壁は新設では殆ど見かけなくなりました。

野面積みの既存擁壁を見かけなくなったのは、熟練の職人がいなくなったことに加えて、耐震性の基準が厳しくなったからだと思料されます。

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特定の用途に供された不動産の価格

2024-06-14

不動産の鑑定評価を行って求める価格は、通常、正常価格であり、正常価格は一般的な市場で売買される価格、すなわち時価(実勢価格)となります。

このようなことを前提とすると、特定の用途に供された特殊な不動産は売買が難しく、鑑定評価額も低めに決定されることが多いです。

先日、京都市の出先機関の土地建物の売却が難航している、との記事を見ました。場所は観光客で賑わう東山区にあり、立地的には一等地とされています。

問題は、建物内にある職員用のお風呂と駐車場地下にある巨大な給水槽の存在です。建物は特殊な配置となっており、特に給水槽は売却不可とのこと。買い手が取り壊し再建築する際の設計に制限が掛かることになり、市場性は大きく劣ることになります。

今回のようなケースは名古屋でも見られ、当初は土地建物一括を売り手が希望しても、最後、更地を前提として売買されることが多い印象です。

ちなみに地下の給水槽は売却不可とのこと。駐車場部分は一部地上権の設定された土地として売買するのでしょうか?地上権の内容によっては、賃料徴収獲得も目的とする投資家が購入するかもしれません。

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