不動産鑑定評価の積算価格
2020-07-19
不動産の鑑定評価を行う際もとめる不動産の価格には、主に、積算価格(原価法:不動産の再調達原価より価格を求める方法)、比準価格(取引事例比較法:不動産の市場性に着目して価格を求める方法)、収益価格(収益還元法:不動産の収益性に着目して価格を求める方法)があります。
その中でも積算価格は、不動産の再調達原価、すなわち費用性に着目して価格を求める方法であり、対象不動産が土地建物である場合、必ず試算する重要な手法になります。
昨日、投資判断に基準で積算価格も重視してみえる投資家の方について書きました。この方は、土地は路線価から求め、総額から先に求めた土地価格を控除して建物価格を求めていると思います。但し、都心の商業地などでは路線価が地価の上昇に追い付いていない、また、地方などでは路線価が地価の下落に追い付いていない場合があり、必ずしも路線価が実勢価格を反映していないことに注意は必要だと感じました。
このような配分法(総額から土地又は建物の価格を控除して価格を求める方法)は、私も利回りを求める場合などで多用していますが、土地価格は周辺取引事例価格、建物価格は構造、経過年数などから妥当であるかの検証を加えています。
路線価は一般的に、実勢価格の8掛けと言われており、相場価格を調べる際にはとても便利なものですが、投資物件など高額な取引の場合、求められた価格を慎重に判断することが必要だと思います。
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