商業地の価格と賃料の関係
2020-11-02
不動産の価格と賃料の関係は、元本と果実の関係と言われ、価格(元本)と賃料(果実)との間に相関関係があることが知られています。すなわち、元本、果実のどちらか一方が上昇すれば片方も上昇、一方が下落すれば片方も下落するという理屈です。但し、賃料には遅効性があり、必ずしも価格の変動率には一致しない特性があります。
ネットで、居酒屋チェーンの店舗閉鎖の記事が出ていました。大手5社の合計で今春以降、全体に1割の約420店の閉店が決まったそうです。その中でも、駅前の好立地にある居酒屋ほどコロナ禍での売り上げが厳しいとの内容でした。一方、持ち帰りの多いファーストフード店舗は売り上げが堅調となっています。
居酒屋は飲酒運転の厳罰化以降、駅近に出店することが必須条件となっていた中、コロナ禍で売り上げが減少、高額な賃料に耐えれないことが要因と考えられます。店舗の賃料減額請求が増えている理由もわかります。
コロナ禍による店舗賃料の減額が続くことがあれば、相関関係にある価格も下がって行くことになります。来年1月1日の商業地の公示価格、どの程度の下落になるのか慎重に見極める必要があると思います。
←「議長車のオークション価格」前の記事へ 次の記事へ「強盗に入られたタワーマンションの価格」→