Archive for the ‘鑑定評価の話’ Category
廃業ホテルの鑑定評価
ホテルを鑑定評価する場合、費用性、再調達原価に着目して価格を求める原価法、収益性に着目して価格を求める収益還元法を適用して鑑定評価額を決定することになります。
先日、京都にある廃業したホテルを京都府が49億円で購入との記事を見ました。稼働中のホテルであれば収益価格を重視して価格を決定することになりますが、廃業したホテルの鑑定評価の場合、鑑定評価額の決定の際悩むと思います。
廃業の理由が経営状態の悪化などで将来的に収益性の回復が見込めない場合は積算価格重視になると思いますし、今回のコロナ禍などの一時的な要因で立地や設備などから十分な収益確保可能な場合は収益価格重視になるのかと思います。
但し、廃業ホテルの場合、現行の損益計算書などの入手が不可のため、過去の財務諸表、営業を再開した場合に予想される損益などから収益価格を試算することになるため説得力は劣ることになります。
今回のホテルの価格49億円が積算価格なのか収益価格なのか気になるところですが、京都御所のすぐそばという立地のよさに加えて敷地内に約1600㎡の日本庭園があり、映画のロケ地にもなったという知名度もあり、私は高くはないと思います。
さらに今回は共済組合運営のホテルを京都府が買収したとのこと、第三者取引であれば立地のよさからさらに高額の取引になったと思われます。
リノベーションされた建物
以前、高層マンションの耐震偽装が問題となったとき、倒壊を恐れ周辺の賃貸マンションに引っ越した該当マンションの居住者もいたそうです。
知り合いの建築士に聞いた話では、想定外の地震が起きたりした場合を除き、耐震偽装されたマンションが倒壊することはまずなく、旧耐震のマンションの方がよほど危険、と言っていました。
先日、アメリカニューヨークの高層マンションが崩壊の危険性、との記事を見ました。建物の築年、階層などは書いてありませんでしたが鉄骨造の建物とのことです。
オフィスビルからレジデンスへの用途転換を行っており、工事により建物の重量が増し、鉄骨梁がたわみ始めたことが原因のようです。
私も以前、店舗を一般住宅にリノベーションした際、室内の壁を取り払った結果、強度が不足した建物鑑定評価をしたことがあります。通常の居住に問題はありませんが、地震などが起きた際には上層階の重みに耐えられず、1階部分が崩壊する危険性はあります。
建築費の高騰によりリノベーション住宅が増えていますが、建築業者に耐震性が確保されているか確認することも必要だと思います。
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観光ホテルの価格
ホテルのようなホテルアセットの場合、DCF法による価格を重視して価格を決定することが多いのですが、都心のビジネスホテルや人気のある観光地にあるホテルのような収益性の高いものでない場合、十分な収益性の確保が難しく、価格も低めになることが多いと考えられます。
私も以前、岐阜市にあるホテルの価格を付けたことがありますが、市中心部からも距離があり、また、周辺にこれといった観光地もない地域にあり、ホテルがあることが不思議に感じたました。確か建物が古く、修繕費等を考慮したら価格がほとんどつかなかった記憶があります。
先日、新潟県にある一棟ホテルが売りに出たとの記事を見ました。客室は40、土地約3500㎡、延べ面積約4800㎡、駐車場は40台ありとのことです。記事では特に大規模な修繕は必要ではないとのことです。
気になる価格ですが総額9500万円、さらに仲介手数料、固定資産税は年間約520万円、さらに修繕・管理費などがかります。
地方の観光地で苦戦しているところが多い中、今回の新潟県のホテルの売買が成立するか、その場合の成約価格がいくらになるかは興味深いところです。
ひょっとしたら湯快リゾートのようなホテル経営にノウハウがある企業が興味を示すかもしれません。
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遊水地が近くにある土地
異常気象による自然災害が多発するようになった昨今、土地の安全性に対する意識も高まってきました。
地盤の固い土地は地震に強く、高台は大雨に強く、内陸は津波に強いというのが通説ですが、このような条件を満たす土地は需要も多く、地価も高いエリアが多いです。
先日、住んではいけない場所、という記事で遊水地のあった土地、と書かれていました。不動産の鑑定評価をしていると遊水地のある土地に遭遇することは意外と多く、名古屋圏でも郊外や遊水地を設置している大工場もあります。
大雨が降った際、排水溝を通じて河川に雨水を流すのですが、一度に大量の雨水を処理できなかった場合に一時的に雨水を貯めておく池であり、そのエリアは雨水による浸水リスクが高いということになります。
この記事によると、遊水地は水があふれ出ることが前提として造られているとのこと。遊水地が造られた当時は周辺は農地であったと考えられ、人的な被害も少なかったと思料されます。
私も以前、鑑定評価の仕事で遊水地付近の土地の調査をしたことがありますが、東海豪雨で住宅が床下浸水の被害を受けていました。想定外の大雨で雨水が処理できなかったようです。
最近、災害リスクのある地域に住宅が建てられているケースに遭遇しますが、災害はいつ起こるか分かりません。少しでも安全な土地を選ぶことが大切だと思います。
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築年を経た建物の鑑定評価
建物の鑑定評価額は、価格時点における再調達原価から減価修正(耐用年数に基ずく方法、観察減価法)を行い試算されますが、特に築年を経た建物の鑑定評価の場合、鑑定評価主体の判断で異なる結果になることがあります。
私は建物の鑑定評価を行う場合、残存価値を考慮しないのですが、税法に倣って残存価値を考慮した鑑定評価書を見ることもあります。
また、私は耐用年数に基ずく方法によって十分に減価された場合、観察減価法を考慮しないことが多いです。
老朽化や陳腐化が激しく、取り壊しを最有効とする場合は土地価格から解体撤去費を控除して鑑定評価額を求めますが、修繕維持がなされている場合などで経済的価値が残っている場合は何等かの価値を付けることが多いです。
先日、市保有の解体予定の倉庫建物及び土地を100万円で売却したのは違法、との記事を見ました。最低売却価格は64万円、土地価格から解体費用を引いた価格だそうです。ちなみに鑑定評価によると、土地建物価格は1630万円、評価主体は建物の継続利用を前提に鑑定評価を行ったことになります。
このようなケースに私も遭遇したことがあります。依頼者は解体を前提とした価格を考えていることが多いのですが、継続利用が可能と判断される場合は安易に取り壊し最有効を適用することはできないので、その旨を説明することになります。
建物の鑑定評価は、不動産の鑑定評価の中でも問題になるケースが意外と多いと感じています。
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擁壁のある土地の鑑定評価
擁壁のある土地を鑑定評価する場合、その擁壁の状態と確認し調査することになりますが、既存の擁壁が使用可能か否かで鑑定評価額が大きく変わることになります。
既存の擁壁が古く、クラックや反り、水抜き穴が不備などの場合、既存の擁壁は撤去し打ち直すことになりますが、擁壁の高さや長さ、隣接地の状態のよっては多額の費用が必要となります。
先日、野面積みで擁壁を造る職人の方の記事を見ました。とても美しく積まれていましたが、現在でも野面積みの擁壁が新設されていると知り驚きました。
現在はコンクリート擁壁、間知ブロック擁壁が代表的であり、間知石や野面の擁壁は新設では殆ど見かけなくなりました。
野面積みの既存擁壁を見かけなくなったのは、熟練の職人がいなくなったことに加えて、耐震性の基準が厳しくなったからだと思料されます。
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国登録有形文化財の鑑定評価
国登録有形文化財は、国が建築物等の中でも歴史的・文化的価値のあるものとして指定するものですが、所有者が修繕・維持にかかる負担が大きく、手放すケースもあると聞いたことがあります。
先日、京都の学校法人が明治時代に建てられた国登録有形文化財とその土地を売却した、との記事を見ました。売却額は数十億円とのことです。
買い手である開発業者の方は、文化財としての価値を保つ方向で協議するとのことで、直ちに取壊しての開発は考えていないようです。
今回のような文化的価値のある不動産を鑑定評価する場合、建物の価値をどう見るかがポイントになると思いますが、拝観料などが取れるような認知度のある寺社と違い、建物に価格をつけることは難しいのでは、と思います。
日本の国力が衰退に入り、企業など法人の余力が無くなっており、今回のような国登録有形文化財の売却の話は増えてくると思われます。
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病院跡地の鑑定評価
自治体が不足する財源を確保するため、老朽化した行政施設を統廃合し、不要となった不動産を売却する動きが加速しています。
その中でも公営の総合病院は、土地も広く立地によっては開発業者による需要が想定されることから、高額での売却を期待して強めの価格設定がされることが多いです。
一方、買い手である不動産業者は、当然、土地を安く仕入れたいですし、土壌汚染や心理的瑕疵(スティグマ)による市場性減価を考慮した価格を提示してくることになります。
このような病院跡地を鑑定評価する場合、土壌汚染に関しては、ボーリング調査により汚染の程度を調べ、除染や土の入れ替えに掛かる費用を土地の価格から控除することになりますが、スティグマについては評価主体の判断に委ねられることが多いです。
先日、東京で小学校が病院跡地に移転する計画に反対の声、との記事を見ました。土壌汚染による子供たちへの健康被害が心配、とのことです。
病院跡地の土地利用、土壌汚染は除染することが可能ですが、過去の歴史的経緯などを踏まえると、小学校への転用は簡単に進まないかもしれません。
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近隣不動産のお話
自宅近隣にある店舗、例えばスーパーやコンビニエンスストアだと便利でよいという人もいれば、道路の混雑や風紀の点から敬遠する人もいます。
飲食店も場合も、焼肉屋さんなどの臭いのでるお店だと洗濯物を干すのも大変、と聞いたことがありますが、若い人でお酒が好きなので居酒屋の近くに住みたい、と言った人もいます。
飲食店が用途地域で建築可能な地域であれば、規制することは難しいのですが、先日、引っ越したら隣がヤギの飼育場だった、との記事を見ました。飼育場ということはある程度の数のヤギがいるのでしょうが、臭いも鳴き声もありますし、良好な住環境とは言い難いところがあります。
賃貸であれば他に引っ越すことも可能ですが、所有物件になると簡単に引っ越すことも難しく、争いになることも多いみたいです。
ちなみに私がヤギの飼育場の隣の土地を鑑定評価した場合、やはり住環境などの項目で減価することになると思います。
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地中からがれきが見つかった土地
がれきは解体された建物のコンクリート片などで、「がら」と言うこともあります。
先日、兵庫県の球場建設予定地の公園の地中から、大量のがれきが見つかった、との記事を見ました。その量は最大約1万8000トンと推定され、撤去費用は約8億円とのことです。
今回見つかったがれきは、戦時中に空襲で焼失した工場基礎と推定され、建物解体後、基礎をそのまま地中に埋めたものと思われます。
不動産鑑定評価で行う地歴調査では、過去地図や航空写真などを使用しますが、地図や航空写真で取得できるものは主に戦後のもので、土地から戦前や戦時中の埋設物が出てきた場合、不動産鑑定士はお手上げ状態になります。
このような埋設物の推定するため考えれるのは、周辺住民などの地元精通者からの聞き取り調査になりますが、その当時を知っている方の多くが鬼籍に入り、今後、このような聞き取り調査も難しくなると思われます。
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