Archive for the ‘公的価格・地価動向’ Category

相続税路線価と地価の下落

2020-10-28

国税庁は相続税及び贈与税の算定の基準となる路線価を補正しないと発表しました。補正を要するまでの大幅な地価の下落は確認されなかったことが理由だそうです。

大幅な地価の下落があった地点は、「名古屋市中区錦3丁目」(-19%)、「大阪市中央区宗右衛門町」(-19%)、「東京都大東区浅草1丁目」(-16%)など、繁華街や観光地の地価下落が目立ちました。

今回、土地の相続税や贈与税を算定する際、路線価(財産評価基準)と不動産鑑定士による鑑定評価額(時価)のどちらが有利かが問題となりますが、通常の場合、国税庁は補正しなくても路線価を使った方が有利と判断したようです。

なお、7月以降の補正の有無については、今後の地価動向を踏まえて再検討するとのことです。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

ニセコの公示価格は?

2020-10-27

新型コロナウィルス感染症の影響で訪日外国人が激減する中、インバウンド需要を当て込んだ商業施設は軒並み苦戦しているようです。

このような状況下、大きく地価の上昇が続く北海道のニセコに世界的なリゾートブランドのカペラが進出します。42ヘクタールの土地にホテルやコンドミニアム、スキー場などを建設し、費用は700億円超だそうです。

コロナ禍で先が見通せない中での大型の投資、国内のリゾートの中でもニセコは別格なのでしょうか。来年1月1日時点の地価公示価格、例年並みに大きな上昇となるでしょうか?興味深く見守りたいと思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

路線価と土地の時価との関係

2020-10-24

路線価には、国税庁が発表する相続税や贈与税の基準となるものと、市町村が発表する固定資産税等の基準となるものがあります。以前は、路線価というと国税庁というイメージでしたが、最近はホームページから市町村の固定資産税路線価も見ることができ、また、納税意識の高まりから身近になってきました。

この路線価ですが、一般的に相続税路線価は時価の8掛け、固定資産税路線価は時価の7掛け、と言われることが多いです。納税者有利という考え方と、基準額が時価を上回ることがないようにとの配慮からこのようになっていると考えられます。

先日、ネットで土地価格の試算方法として、路線価×面積、と書かれた記事見ました。確かに評価額はこのように試算しますが、必ずしも時価とは一致しないことには注意する必要があります。

理由は、相続税路線価は時価の概ね8掛けであることに加えて、10万円/㎡を超える路線価は5000円単位であること、方位が考慮されていないことなどがあげられます。

路線価はホームページから手軽に調べられますし、簡易に土地の価格を知りたい場合には便利ですが、正確な時価が知りたい場合には不動産鑑定士にご相談することをお勧めします。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

2020年都道府県地価調査について

2020-09-30

9月29日、国土交通省は2020年都道府県地価調査(基準地価)結果を発表しました。新型コロナウィルス感染症蔓延の影響で、全国平均(全用途)の変動率が前年比-0.6%の下落、商業地は-0.3%、住宅地は-0.7%となりました。

インバウンド需要により地価上昇が続いていた地域の下落が目立ち、入国制限による訪日客の減少や外出自粛による商業施設の収益力低下が地価を下落させる大きな要因となりました。

三大都市圏は、住宅地は全てマイナス、商業地は伸びは鈍化したものの東京、大阪ではプラスを維持、名古屋は8年ぶりに下落しました。

コロナ禍にあって最も上昇が大きかったのは、沖縄県宮古島の+30%強、一方、下落幅が最大だったのは、岐阜県高山市の奥飛騨温泉郷で-9.3%となりました。

今後の地価予想としては、新型コロナウィルス感染症の影響が沈静化し、経済の先行きがある程度見通せる段階になるまで本格的な地価の回復は難しいと思料されます。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

馬毛島の不動産鑑定評価

2020-09-12

自衛隊基地建設候補地として国が購入した馬毛島ですが、9月11日、固定資産税の評価基準となる標準地の鑑定評価が実施されました。既に固定資産税の評価替えの鑑定評価作業は終了してるところが殆どだと思いますが、今回はかなりぎりぎりの調査だと思います。

調査不動産鑑定士2人と市の税務課・財産管理課の職員8人にて実施、民有地2地点、公有地(旧馬毛島小中学校跡地)1地点の調査を行ったそうです。通常、公的評価は地価公示のみ1地点につき2人の不動産鑑定士鑑定評価を実施しますが、今回の馬毛島の固定資産標準地評価は2名での調査、慎重に行う必要があったからでしょうか。

ちなみに気になる鑑定評価額ですが、自衛隊用地は官地ですので非課税となりますが、民地の変動率はどうなるでしょうか?固定資産税の税額に影響する変動率、とても興味深いところです。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

地価動向報告の結果

2020-08-22

国土交通省は8月21日、主要都市の地価動向(令和2年4月1日~令和2年7月1日)を調査した地価動向報告を発表しました。全国主要都市の高度利用地帯100地区のうち、1地区を除いて横ばい又は下落となりました。特に三大都市圏の下落が目立ち、名古屋圏は対象9地区全てが下落となりました。

主な要因として、
・新型コロナウイルス感染症の影響により、需要者の様子見など取引の停滞が広がるとともに、ホテルや店舗を中心に収益性低下への懸念から需要の減退が一部では見られる。
・リーマンショック時の地価下落の主因となった、マンションやオフィスの需給バランスに大きな変化は見られていない。
があげられます。

尚、国土交通省は、新型コロナウイルス感染症の状況は先行き不透明で
あり、引き続き地価への影響を注視していくとの見解です。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

令和2年相続税路線価と新型コロナウィルス感染症の影響

2020-08-15

7月1日に国税庁から発表された相続税路線価は、土地に関する相続税・贈与税の課税の基準となるもので、実勢価格時価)の80%と言われています。

その路線価ですが、全国平均で上昇しており、特に都市部やリゾート地などでは大幅な上昇となりました。但し、その価格時点は1月1日時点となっており、今回の新型コロナウィルス感染症蔓延の影響がない時点の価格となっています。

従って、今年、土地の相続が発生した場合、どのように新型コロナウィルス感染症による減価を反映させるかが問題となります。国税庁は、地価下落が発生した場合は便宜を図る方向で検討しているそうです。

但し、前記のとおり相続税路線価は、実勢価格時価)から20%引いた価格となっており、20%を超える減価が発生する可能性があるかは不明ですが、注視する必要はあると思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

不動産の価格は1物4価

2020-07-25

今月1日、相続税の路線価が発表されましたが、この路線価より試算される相続税評価額を含めて、不動産価格は1物4価と言われることがあります。

まず、代表的な不動産価格として、毎年1月1日時点を基準とする地価公示価格(国土交通省)及び毎年7月1日時点の地価調査価格(都道府県)があります。この地価公示及び地価調査価格は、概ね実勢価格(時価)を表しており、取引等の指標として使われることが多いです。

次に、固定資産税路線価より試算される固定資産税評価額があります。この価格は、固定資産税等の徴収のもととなる価格で、3年に1回評価替えを実施しています。

最後に、実際の市場で取引される価格、実勢価格があります。この価格は市場価格時価などともいわれ、上記で述べた公的価格を求める際の基礎となる価格でもあります。

不動産価格は、相続税、固定資産税の徴収及び取引の指標など目的によって使用する価格は違っており、馴染みのない方には少し分かりにくいかもしれません。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

新型コロナウィルス蔓延による不動産価格への影響

2020-07-15

現在、少し落ち着いてきた感はありますが、今回の新型コロナウィルス蔓延の経済への影響は甚大なものがありました。特に、営業自粛を余儀なくされた商業店舗の売り上げ減の影響は大きく、廃業若しくは賃料の値下げ要求が相次いだとの声も聞きました。

一方、住宅地ですが先行きの不透明感から取引自体減っており、特に一時取得者層の給与等、購入及び返済資金の見通しが立たないケースが多く、買い控えが起きているようです。

今後の不動産価格ですが、新型コロナウィルス蔓延の第二波の規模にもよると思いますが、第一波のような大規模な営業自粛が要請されるような事態になれば、商業地の価格は大きく下落することが予想されます。また、金融機関の融資姿勢は厳しくなることが予想され、体力のなくなった企業が人減らしに走るような事態になった場合、住宅地の価格も下がるものと予想されます。

これらは全て私の予想ですが、経済情勢と密接に結びついている不動産の価格、予断を許さない状況であることは間違いなさそうです。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

東京都心の地価に思うこと

2020-07-11

今回の新型コロナウィルス蔓延の影響及びそれに伴う東京オリンピックの延期、中止の可能性により東京都心の地価の先が読めない状況です。

先日、経済評論家の森永卓郎氏が書かれた東京都心の地価についての記事を読みました。東京都心の地価は、東京オリンピックの前に大暴落を起こすとの予想です。森永氏は、収益性の観点から都心の地価はバブルだ、とのお考えのようです。

バブル経済崩壊の言葉のもととなった「バブル」とは、日本語で「泡」、実態無く膨らんだものが、最後弾けて終わったという意味で的を得た表現だったと思います。

森永氏はインカムゲインとキャピタルゲインの言葉を使って説明しておられましたが、記事で興味深かったのは、

1.今回国税庁から発表された相続税路線価の最高価格地、銀座5丁目ですが、約坪1億5154万円、バブルのピークだった1992年が坪1億2045万円、地価はバブル期を超えている。

2.東京都心の物件は、表面利回りが3%を下回っているものが沢山あるが、5%の利回りを確保しておきたい。

特に2.ですが、表面利回りが3%ということは、実質利回りは当然それ以下になりますから、物件によっては収支がマイナスになってしまいます。それでも買い手が付くということは、地価の上昇、すなわちキャピタルゲインを狙っての不動産投資となってしまい、地価が下落に転じた時、前回のバブル崩壊と同じ結果となってしまいます。

実際、将来の地価動向は誰にもわかりませんが、バブル崩壊の過去を参考に、慎重に不動産の動向を見極めることが必要になると思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

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