Archive for the ‘鑑定評価の話’ Category
駐車スペースと商業地の地価との関係
商業地にとって集客は最も重要な課題であり、駅近や交通量の多い路線沿いの商業地は集客力に優れるため地価も高くなる傾向があります。
その中でも路線商業地域内の商業地は、車での来客が中心となるため、駐車場の設置は必須であり、逆に駐車スペースを確保できない小さな土地は商業地としての需要が少なく、商業店舗ではなく住宅が建つこともあります。
先日、沖縄県で県道の歩道拡張工事を妨害するため置かれたブロック塀やコンクリートが行政代執行で撤去された、との記事を見ました。その歩道拡張用低地を駐車スペースとして使用していた地権者が置いたようです。
その地権者は、駐車場がなくなることで建物の財産価値が下がることを懸念していたとのこと、土地の買収単価も不満だったようです。
不動産鑑定評価を行う場合、駐車スペースの有無が建物価値に影響することはなく、商業地をしての利用価値が落ちることから土地価格から規模で減価することになると思います。駐車場の有無による収益への影響が大きい場合、市場性を考慮するかもしれません。
今回のような道路拡幅、駐車場の問題以外にもその商業路線が衰退する可能性を心配する声も聞かれます。
旧大沼百貨店の価格
競売の売却基準価額は不動産鑑定士の鑑定評価額をもとに決められていますが、先日、1月に自己破産手続きに入った山形市の旧大沼百貨店の売却基準価額が発表されました。
売却基準価額は、旧本店が2億3346万円、新庄市の旧ギフトショップが1944万円だそうです。
地方都市の人口減少が進み、新たな出店者の想定が難しい中、入札者が現れるか、また、いくらで落札されるか興味深いです。
毛沢東の巻物の価格
不動産と同じように骨董品も適正な価値の把握が難しく、骨董品を専門に扱う鑑定士の方がおられますが、先日、ネットで毛沢東の巻物が盗まれたとの記事を見ました。
その盗まれた巻物は発見されましたが、展示しやすいようにと半分に切られた状態だったそうです。
ちなみにこの巻物の価値は推定320億円とのこと、毛沢東直筆という希少性ゆえの価格だと思いますが天文学的な数字ですね。320億円あれば何が買えるでしょうか?想像もできません。
沖縄県宮古島のドイツ文化村の鑑定評価額
先日、沖縄県宮古島市がドイツ文化村の売却を検討、との記事を見ました。但し、まだ売却が決まったわけではなく、売却を含めて検討、とのことです。今後、市は土地や建物の評価を確定させる方針だそうです。
宮古島市はドイツ文化村の鑑定評価を行い、その評価額から今後の方針を決めると考えられますが、非常に難しい評価になると思います。
宮古島がインバウンドによる訪日外国人の需要が見込めるのであれば、ホテルなどに転用利用する事業者などが需要者として想定されますが、現在はコロナ禍で先が見えない状況にあります。
1996年オープンとのことで建物の老朽化も見られ、修繕費も多額になることが予想されます。
このドイツ文化村の鑑定評価額、どのような価格になるかとても興味深いです。
事故物件の鑑定評価額
殺人事件や自殺などがあった不動産は事故物件と呼ばれ、当然、市場性が落ちることから売買や賃貸などの際に価格の減価や賃料の減額が発生することになります。
このような事故物件を専門に扱う不動産業者の話では、殺人事件が起きた不動産が相場価格の50%以下、自殺は20%~30%の減価、孤独死や病死の場合は5~10%の減価、殺人事件でも凶悪殺人の場合はさらに安くなるとのことでした。このような不動産を鑑定評価する場合、ほぼ同じような減価になると思います。
以前、同じ物件で突然死と自殺が起きたマンションの調査をしました。自殺は飛び降りだったそうです。二人亡くなったマンションでしたが、減価は5割以下でした。ちなみにこの物件は売れたそうです。
事故物件の鑑定評価は事故原因の内容などによって減価額が決まるので、事故の詳細を慎重に調査することが必要になります。
小学校が不動産鑑定評価額に与える影響
住宅地域に存する土地の想定される需要者は、主に家族のある個人になります。このような家族の方は、お子さんの通う小学校を重要視して土地を探すことが多いです。
まず、小学校の距離ですが、駅距離のように徒歩何分か、のようなことを重視する方はあまりなく、子供が歩いて通える範囲内であれば小学校の距離によって土地の価格差が生じることは少ないと考えられます。距離よりもむしろ、通学路の安全性を重視する傾向が強いです。
また、小学校の学校区ですが、指名買いがあるくらい重視する方が多いです。現在住まわれている学校区内で探される方も多いですし、やはし校風のよい学校区内の土地は人気があり、地価も高い傾向があります。
不動産鑑定評価を行う場合、学校区の優劣をそのまま価格に反映させることはなく、住環境や市場性を考慮して鑑定評価額を決定することになります。
藤井聡太二冠の封じ手の鑑定評価額
先日、将棋の封じ手のオークション価格について書きましたが、藤井聡太二冠の封じ手の落札価格1500万円が適正であるかの記事を読みました。
和洋古典書籍や歴史資料の八木鑑定士によれば、適正価格であるかはなかなか難しいとのことでした。今回のような時の人である棋士の封じ手、価格上昇の可能性や希少性があり、適正価格の把握は難しいのでしょう。
ただし、八木鑑定士は、以前扱った坂本龍馬の手紙のオークション落札価格が1633万円であったこととの比較で、客観的かつ個人的な感想では1500万円では手を出さない、ようなことを書かれておられました。
今回の藤井棋士の封じ手価格、これからの藤井棋士の活躍と直筆書の流通量で将来の価格が決まってくるのでは、と思います。
パチンコ店の鑑定評価額への影響
今回のコロナ禍で改めて注目されることになったパチンコ店、そのパチンコ店の鑑定評価額への影響が問題になることがあります。
対象不動産が商業系の用途的地域にあり、周辺も店舗などの商業系施設である場合はパチンコ店の存在が鑑定評価額に影響することはないと考えれます。
一方、用途的地域が住宅系に存在し対象不動産が住居の場合、パチンコ店の存在は鑑定評価を行う上で減価要因になり、マンションの場合で1階がパチンコ店の場合は通常、減価されることになります。
都市計画法の用地地域が準工業地域の場合、用途的地域が住宅系の場合も多く見受けられます。パチンコ店などの遊戯施設の存在は、鑑定評価額に影響を与えることに留意する必要があります。
旧耐震基準の建物の鑑定評価
建物の鑑定評価額は、通常、対象不動産の再調達原価(新たに建物を建築する際に必要となる金額)に減価修正を行って求めることになります。この減価修正ですが、耐用年数に基づく方法と観察減価法(物理的、機能的及び市場的要因を考慮)を併用して減価額を求めることになります。
築年を経ていない建物は、減価額も少なく、古い建物は減価額も大きく場合によっては価値ゼロ、又は取り壊し費用を土地価格から控除することもあります。
建築基準法の耐震基準が改正された1981年以前の旧耐震基準の建物鑑定評価額ですが、建物は個別性が強く、そのことを理由に全て減価することはありません。旧耐震基準の建物でも、施工の質がよく管理も良好なたてものであれば耐震性を満たしていると判断されます。
最も、1981年以前の建物は、築年を経ていることから耐用年数に基づく方法によって十分減価されることが多く、耐震性が減価額に影響することはあまりないと考えられます。
街並みの不動産価格への影響
不動産の価格形成要因である地域の名声・品等が住宅地の鑑定評価額に影響を与えることは知られていますが、街並みの良さをどのように鑑定評価額に考慮するかの判断は難しいところがあります。
例えば、大手ハウスメーカーが開発した住宅団地ですと、区画整然とし、建っている家も統一性が取れていますし、道路が石畳調になっていたり街路灯がおしゃれだったり美しい街並みが形成されています。このように街並みの良さが明らかな場合、不動産鑑定評価を行う場合、増加価値を見てよいと思います。
また、地区計画で建物の建築に何等かの規制を定めている地域があります。圧倒的な人気を誇るような地域であればよいですが、建物を建築できる最小画地面積が定められている場合、購入者が限定され市場性が落ちることもあります。
価格形成要因ですが、駅距離や道路幅員など違い街並みは数値による比較が難しく、恣意的な価格形成に使うことがないよう注意が必要です。
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