今月19日、国土交通省が7月1日時点の基準地価を発表しました。三大都市圏以外の商業地でも地価が上昇に転じており、地価上昇の影響が一部の地方にも波及していることが伺えました。
上昇率トップは、インバウンドの影響を受け、昨年に引き続きニセコを有する北海道倶知安町でした、その他観光地では沖縄県内の地点が多数を占めました。
その中でも住宅地の6位に名古屋市中区富士見町がつけたのが特筆すべき点だと思います。最寄り駅は地下鉄鶴舞線の上前津駅、都心から近いですが、今まで上位を占めていた名古屋駅、栄駅ではなく、都心の地価高騰の影響による割安感から上昇幅が大きくなったと考えられます。
その他名古屋圏で特徴的なことは、岐阜県多治見市と三重県朝日町の住宅地で上昇傾向が見られたことです。どちらも名古屋市からの利便性に優れ、ベッドタウンとしての需要増が理由と考えられます。以前、岐阜市駅前の商業地の地価が上昇したのも同じ要因でしたが、県外の都市であっても名古屋市への利便性のよい地域の地価の上昇傾向は続くと考えられます。
最後に、車社会といわれる名古屋市でも、最近は車を持たない人が増えており、地下鉄最寄りの利便性のよいマンションに引っ越すケースも増えているようです。地下鉄駅最寄りとそうでない地域との格差は今後開いていくものと考えられます。