Archive for the ‘鑑定評価の話’ Category

事故物件が不動産価格に与える影響

2021-05-21

不動産鑑定評価において、事故(自殺、他殺等)があった物件は、心理的瑕疵(スティグマ)が発生し、当然、市場性も劣ることから相当の減価を行うことになります。

国土交通省は不動産取引の際の告知で、老衰や病死などの自然死の場合には事故物件扱いではなく、告知義務はないとする指針案を公表しました。事故物件となると、不動産賃料や価格の下落は免れず、高齢者への賃貸を敬遠するケースが増えてきたことが理由だそうです。

但し、自然死であっても死体の腐敗が進んだ場合等は告知義務はあり、賃貸物件の告知義務期間は死亡から3年間に限るとのことです。

私は以前、高齢者の病死した賃貸物件に入居したことがありますが、特に気にすることもなく、また、家賃も安くなかった覚えがあります。ますます進む高齢化社会にあった今回の改正、歓迎する声は多いと思います。

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大規模工場の鑑定評価

2021-05-18

先日、韓国の元徴用工訴訟で敗訴した日本の製鉄会社の資産を売却する手続きに入ったとの記事を見ました。日本と同じく、売却・現金化するため鑑定士が資産の鑑定書を作成し裁判所に提出したそうです。鑑定士の鑑定評価額が開始価格・最低落札価格になると思われます。

対象となる資産は、大手製鉄会社の資産であり、都心のオフィスビルに加えて製鉄所などの大規模工場地も含まれているのでしょうか。このような大規模工場の鑑定は、類似性の高い取引事例も少なく、土地に存する建物も多種・多様に渡っておりとても難しい評価になります。

工場に限らず商業施設などの大規模な不動産の鑑定評価は、作業及び判断の難しさに加えて総額が高額になることから裁判などで争いになることが多いです。裁判に耐えうる鑑定評価書を作成するためには、高度の知識と経験に加えて、規範性の高い資料を収集する能力が必要となります。

今回の元徴用工訴訟、韓国の裁判所は売却命令を出すのか注目していきたいと思います。

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廃墟ホテルの鑑定評価額

2021-03-09

土地と建物を一体で鑑定評価する場合、価格も土地建物一体の総額で決定することになります。但し、鑑定評価手法の内、原価法(不動産の費用性からアプローチする手法)による積算価格は、まず土地の価格を試算し、その後、建物の価格を求め、その総額から市場性減価を考慮して求めることになるので、土地と建物の価格は別々に求められます。

建物の老朽化、陳腐化等が激しく、取り壊しによる鑑定評価が最有効と判断される場合、土地の価格から建物解体費を控除して鑑定評価額が求められます。従って、地方など土地の価格が安く、建物解体費が土地価格を上回てしまう場合、理論上、評価額はマイナスになる可能性があります。

先日、島根県で廃墟ホテルを町が1000円で購入したとの記事を見ました。ちなみに建物の撤去費とその後の公園の整備費等事業費は約1億5000万円とのことです。単純に計算すれば、事業費から公園整備費を引いた建物撤去費+1000円が、土地価格だったということでしょうか。

事業費の内訳は不明ですが、今後、このような老朽建物を自治体が購入するケースは増えていくものと考えられます。

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絵画の鑑定評価額

2021-02-03

骨董品や絵画は価値の判定が難しく、不動産と同様、骨董品は専門の鑑定士の方が価値を判定することになります。最も、骨董品や絵画の価値が問題となるのは、売買よりも遺産相続の際だと思われます。

相続税の申告の際は、骨董品や絵画も申告額の基となる価値を求めることになりますが、ほとんどの相続人は適正な価値を判定することは難しいと思います。

ちなみに骨董品や絵画の評価は、精通者意見価格というプロの鑑定士が査定した価格をもとに相続税の計算を行うそうです。なので特殊な不動産の場合のように、鑑定評価書とセットで申告することになります。

日本の不動産鑑定士は、不動産の価値を判定する仕事ですが、韓国のように鑑定士として不動産以外の動産の評価もできるようになれば、仕事の幅が広がるかもしれません。

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地盤と鑑定評価の関係

2020-12-19

不動産の価格形成要因として、地勢と地盤は重要であり、特に地盤が弱いと建物が傾いたり、表層改良にお金がかかることから鑑定評価額は低くなります。

一方、地盤調査は地下の目に見えないところを調べることになるので、本格的なボーリング調査やスウェーデン式のような簡易な調査を利用することが望ましいですが、鑑定評価の場合、費用の関係から省略することが多いです。鑑定評価では地歴調査は行う必要があるので、過去地図や地形図、閉鎖登記簿や地盤図などを使って調べることになります。

先日発生した調布市の道路陥没、周辺の地価への影響を心配する声がありますが、鑑定評価を行う場合、市場性減価が考慮されるかは難しい判断になると思います。

愛知県でも少し前、日進市の竹の山で開発された住宅団地で陥没がありましたが、現在は住宅地域として発展しています。

但し、愛知県の春日井市、長久手市、日進市などでは亜炭鉱の跡地が多くあり、不動産の鑑定評価を行う場合、地盤については慎重な調査が求められます。

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越境のある土地の不動産鑑定評価

2020-11-14

不動産の鑑定評価を行う場合、対象となる不動産の確定を行う必要があり、位置や面積、権利の内容を確定します。その際、越境の有無を調査することになりますが、確定測量がされておらず、境界杭が確認できない土地の鑑定評価の場合は注意が必要です。

枝木や構築物等、地上部分の越境は、目視で把握することがありますが、地下の越境については聴き取りや地歴調査から判断するしかないと思います。

また、がけ地を含む鑑定評価を行う場合、擁壁の越境が問題となることがあります。隣地所有者が対象地に擁壁を設置し、越境となっているケースがあります。このような場合、聴き取り調査、境界杭の確認、確認できない場合はスケールで慎重に境界を推定し擁壁の設置場所を確定し越境の有無を把握することが必要です。

丘陵地に位置する土地を鑑定評価する場合、がけ地と擁壁を含むケースは意外と多く、慎重な対象不動産の確定が求められます。

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1階がコンビニエンスストアのマンションの価格

2020-11-10

以前、1階が飲食店などの店舗の鑑定評価額について書きましたが、今朝、1階がコンビニの物件の住み心地記事を見ました。

私は、1階にコンビニエンスストアのマンションに住んだことはありませんが、建物の道路を挟んだ向かいにコンビニの物件に住んだことはあります。夜中にコピーや切手を買いたいときなどとても重宝しました。

マンション不動産の鑑定評価を行う場合、1階にコンビニエンスストアがあっても増加要因にはならず、場合によっては騒音などを理由に減価するかもしれません。但し、今後テレワークの普及などで日中在宅で仕事する人が増えた場合や、コンビニエンスストアのインフラとしての役割が増すようになれば、コンビニエンスストアの存在が不動産の鑑定評価において増加要因になる日が来るかもしれません。

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建物鑑定評価における内見調査

2020-11-09

建物の鑑定評価を行う場合、屋根や壁などの外観を調べる外観調査とともに建物の内部を調べる内見調査を実施することになります。内見調査は主に室内の老朽化や破損の程度、設備の交換の必要性などを判断するために必要で、原則行うことになっています。

先日、コロナ禍で実際に建物を見ずにオンラインで内見調査を行うとの記事を見ました。ビデオ通話を使用しオンラインで映像と音声にて会話しながら調査を行うそうです。

このオンライン内見は、不動産の売買や賃貸など買い手が物件探しの際に行っている段階ですが、将来的に不動産の鑑定評価でも実地調査の補助的なものとして採用されるかもしれません。

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希少なピンクダイヤモンドの価格

2020-11-08

以前書いたことがありますが、韓国の鑑定士は不動産の価格だけではなく、船や自動車、美術品や宝石を鑑定評価してもよいそうです。鑑定評価の基本的な考え方は、不動産も他の動産も同じなので日本の不動産鑑定士も不動産以外の動産の評価は可能だと思います。

ネットで、14.83カラットの希少なピンクダイヤモンドがオークションに出品されるとの記事を見ました。予想落札価格は2300万~3800万ドル(約24億~39億円)、桁違いの金額ですね。

もし日本も韓国のように不動産鑑定士が宝石を鑑定評価できるようになった場合、宝石を専門にあつかう鑑定士が出てくるでしょうか?私はごく少数の鑑定士のみ宝石を鑑定評価することになると思います。理由は、日本は欧米や中国のような大富豪の数が少なく、超高額な宝石の需要が少ないと考えるからです。但し、宝石の鑑定評価に精通した日本人の鑑定士が海外で活躍する時代は来ると思います。

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不動産鑑定評価と地歴調査

2020-11-06

不動産の鑑定評価を行う際、その土地が以前どのような土地であったかを調査することになります。その際、過去の住宅地図や閉鎖登記簿を使用し、過去の航空写真や地形図を使うこともあります。

先日、土地区画整理事業地内の土地の調査を行いました。以前は田を中心とした地域を開発し、大規模な住宅地域ができつつある地域です。

そのような地域はゼンリン地図やWEB地図が以前のままとなっており、場所の特定に苦労するのですが、事業計画図や仮換地図にて場所を特定します。その経緯で分かったのですが、過去の地図を見るとその土地は以前はため池、当然、埋め立ての際、地盤改良されているはずですが。

ため池の開発地は少し前にも遭遇したことがありますが、開発素地の価格が上昇したことも理由と考えられます。地歴調査、不動産の鑑定評価を行う上で欠かせない作業であるとともに、その土地の意外な歴史を知る機会でもあります。

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