よくある質問
Q1.不動産の時価として使われるものにはどんなものがありますか?
A1.不動産の時価としてよく使われるのは,不動産鑑定士が作成するもの以外としては,
①固定資産税の評価証明書
②路線価に基づく税務評価(財産評価基準)
③不動産仲介会社が行う査定
などがあげられます。
①の固定資産税評価証明書は,不動産を管轄する税事務所や市区町村役場で発行してくれます。この評価証明書に記載されている固定資産税評価額は,毎年税事務所や市区町村役場から送られてくる課税明細書にも同じ金額が記載されています。なお,土地に関しては概ね時価の70%程度と言われています。
②の路線価は,相続税・贈与税の課税標準を計算するため国税庁が路線ごとに設けた価格で,概ね時価の80%程度と言われています。
③の不動産仲介会社が行う査定は,不動産の売買において媒介・専任契約を結ぶ際などに仲介会社が価格を算定・明示をするものです。
Q2.不動産の時価を知りたい場合,不動産鑑定士に依頼するメリットはありますか?
A2.メリットとしては,①不動産鑑定士が作成した文書には国家資格である不動産鑑定士の署名・押印がなされており,その内容と価格に対して説明責任を有していること
②不動産鑑定士は,公正中立な立場で文書を作成しており,作成された文書は客観性を有していること
③鑑定評価書は裁判所,税務署などの公的機関が公用文書と認めるものであり,高い信頼性を有していること,などがあげられます
Q3.不動産鑑定士に依頼するとよいケースはどのような場合ですか?
A3.具体的なケースとして,以下のような場合が考えられます。
①路線価や課税証明書による価格が適正な時価と乖離している場合で,路線価を基に求められた価格をそのまま使用すると当事者が不利になる場合
②不整形地,袋地,無道路地など特殊な土地や隣地売買時などで適正な時価を把握することが困難な場合
③売買や相続・遺産分割時など,上記A1の方法で求められた価格では相手方や他の当事者,第三者が納得しない場合
特に①のケースで,相続税・贈与税の申告時など路線価に基づく評価額が時価を上回っていると考えられる場合,相続税を節税できる可能性があります。ご相談ください。
Q4.同じ不動産であれば,不動産鑑定評価書,不動産調査報告書,不動産査定書のどのサービスを利用しても同じ価格になりますか?
A4.結論から申しますと,求められる価格は異なる可能性があります。理由と致しましては,不動産鑑定評価の場合,不動産鑑定評価基準に基づいて作成され,その際,複数の手法を併用し,多面的なアプローチから価格を決定します。一方,不動産調査報告書及び不動産査定書は鑑定評価基準に則らない価格等調査であり,基本的に一手法のみを適用し価格を決定しています。従って,同じにならない可能性もあるのです。
Q5.不動産鑑定評価書と不動産調査報告書,共に立証資料として利用可能とありますが,違いはありますか?
A5.公的機関へ提出するための立証資料として活用する場合,本来は不動産鑑定評価書が望ましいのですが不動産調査報告書でよい場合もあります。詳しい内容はサービスの特徴のページをご参照ください。
Q6.不動産の種類が土地及び賃貸建物の場合,なぜ調査報告書のサービスがないのですか?
A6.上記A4に記載のとおり,不動産調査報告書は基本的に一手法のみを適用し価格を求め,不動産が土地及び建物の場合,原価法と呼ばれる手法を適用します。この原価法は,土地及び建物の再調達現価(再度同じ物を取得する場合に掛かる費用)に着目し価格を求める手法です。一方,土地及び賃貸建物は収益性(投資採算性)を重視し価格を決定することになるため,この原価法のみの価格決定プロセスでは適正な価格を求めることが困難となります。以上の理由から,土地及び賃貸建物に調査報告書のサービスがないのです。
Q7.なぜ不動産査定書は立証資料として使えないのですか?
A7.当事務所の不動産査定書は,(公財)不動産流通近代化センター作成の価格査定マニュアルに基づいて作成された簡便的なもので,基本的に内部資料としての使用に限定しています。従って,裁判所,税務署を始め第三者への開示・提出を目的とする場合は不動産鑑定評価書か不動産調査報告書のご依頼をお勧めしています。
Q8.どの不動産鑑定士に依頼しても求められる価格は同じになりますか?
A8.不動産鑑定評価基準には,「不動産の鑑定評価とは,不動産の価格の専門家の判断であり意見である・・」と記載されています。このように,不動産の価格についての判断や意見は不動産鑑定士によって異なるものであり,不動産の価格は偶然の一致はあっても同じにはなりません。
Q9.不動産の価格を求める場合,路線価方式と鑑定評価のどちらが低く求められますか?
A9.一概に言えませんが、標準的な整形地の場合,路線価方式で時価を求めると鑑定評価額より低めに算定されることが多いです。一方、不整形地(袋地・無道路地)や特殊な土地(都市計画道路の予定地),以前,地価が著しく上がった土地などは鑑定評価額の方が低くなる傾向があります。
Q10.記載されている報酬額以外に費用はかかりますか?
A10.お電話,メールなどでお問い合わせ頂いた後,実際に打ち合わせを行いお見積もりを作成・提示いたします。その際,実費(登記簿写し等法務局での取得費用等)は別途必要となります。詳しい内容は報酬一覧のページをご参照ください。
Q11.相談料はかかりますか?
A11.メール・FAX又はお電話によるご相談の場合,基本的に初回のご相談料は無料とさせて頂いています。また,面談によるご相談の場合,当事務所にお越し頂ける場合は初回無料,出張によるご面談の場合は日当や交通費を頂く場合があります(その場合であってもご依頼頂ける場合は無料です)。
Q12.愛知県外の不動産について依頼することは可能ですか?
A12.名古屋市,愛知県,岐阜県,三重県,静岡県を主要業務エリアとしておりますが,その他の地域についてもお引き受けは可能です。なお,料金については報酬一覧のページをご参照ください。