Archive for the ‘公的価格・地価動向’ Category

立地適正化計画と地価の関係

2024-04-18

少子高齢化社会が進み、今後、税自治体によっては立地適正化計画に基づいて都市機能を集約させる自治体が増えてきています。

河川や海岸の近くなど、災害リスクのあったり、都市中心部から離れたエリアを居住誘導区域外に指定し、人が居住するエリアをコンパクトにすることで、財政支出を抑える目的があります。

私が住んでいる名古屋市も、立地適正化計画が定められていますが、不動産の鑑定評価を行っていて、既成市街地であっても居住誘導区域外であったケースがありました。

居住誘導区域の内外を分ける明確な何か、例えば河川や大きな道路などはなく、都市計画図などを調べることで区域の内外が分かったケースではありました。

先日、居住誘導区域外の土地地価が下がるエリア、との記事を見ましたが、現時点では特に需要が落ちている傾向はなく、地価への影響は小さい印象を持っています。

但し、今後、大きな自然災害で被害を受けたり、人口の著しい現象が進む自治体などでは居住誘導区域外の土地地価が下がっていく可能性はあると思料されます。

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令和6年地価公示

2024-03-28

今月26日、国土交通省より令和6年地価公示結果が発表されました。今回の地価公示、上昇が続いている三大都市圏、地方4市に加えてその他の地方圏でも上昇率が拡大傾向となりました。

特徴としては、金融緩和による低金利により余剰資金が不動産投資に流れていることや、コロナ禍後のインバウンド需要により都心部の商業地や観光地の収益性が向上していることに加えて、今回は北海道や熊本県において半導体工場の誘致に成功したエリアの地価が大きく上昇しました。

愛知県においては住宅地商業地とも上昇が続いており、特に再開発の進む中区栄地区において公示地価が大きく上昇しました。

日銀の金融政策の変更や円安による物価高、個人消費の落ち込みが懸念される中、地価の上昇を牽引する不動産投資の動向が今後の地価を左右することになりそうです。

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地価動向報告結果

2023-11-17

国土交通省は発表した地価動向報告によると、10月1日時点の三大都市圏と主要地方都市の80地点のうち98%、78地点が上昇したとの結果になりました。ちなみに残りの2地点は横ばい、下落はないということになります。

コロナ禍で特に商業地の多くの地価は下落しましたが、リモートワークの終焉によるオフィス回帰による事務所需要の増加が要因と考えられます。

住宅地は前回に引き続き全地点上昇とのこと、金利の上昇懸念や物価高などマイナスの要因が多い中、現時点において地価は上昇傾向が続いているようです。

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令和5年地価調査結果について

2023-09-20

昨日19日、令和5年地価調査結果が発表されました。今回地価調査の特徴ですが、

・全国の全用途の平均変動率が2年連続で上昇し、上昇幅も拡大
・地方圏も+0.3%と31年ぶりに上昇
・インバウンド需要の回復によりその恩恵を受けた商業地や観光地の地価が上昇
・円安による製造業の国内回帰の影響か、特に半導体工場の誘致に成功したエリアの地価が上昇
・地方圏においても人口減少が続く都市においては地価の下落が止まらず、地価の二極化が進んでいる。

今回の地価調査結果、今年1月1日時点の地価公示と同じような内容になっています。円安によるガソリン、光熱費をはじめ各種財・サービス価格の上昇が続く中、特に都市部における土地需要は相変わらず旺盛であると言えます。

今後の地価動向ですが、景気の減速及び金利の上昇懸念がある中、駆け込み需要を中心とした買い急ぎや過熱した投資需要がこのまま続くのか予測が難しい面があり、来年1月1日時点の地価公示価格結果がどのようになるか注目されるところです。

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2023年路線価と今後の地価動向

2023-07-04

昨日、国税庁より2023年の路線価が発表されました。

全国平均は2年連続で上昇、金融緩和の影響を受け、都心部の駅近物件やインバウンド需要が回復した観光地の地価が上昇する一方、これらの恩恵の薄い地方圏は地価の回復が鈍く、下落が続く県もあります。

ウッドショックや建築資材の高騰、円安による物価高などのマイナス要因がある中、都心部を中心に地価は上昇しており、日銀による大幅な金融政策の変更がない限り、地価は上昇を続けるとの予想が多く聞かれます。

平成期のバブル崩壊により消え去った土地神話、資本主義経済が新たな局面に入った今、新たな土地神話が生まれるのかもしれません。

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令和5年地価公示結果に思うこと

2023-03-23

昨日、3月22日に令和5年地価公示結果が発表されました。結果の詳細については、国土交通省のホームページに公表されていますし、新聞、インターネットなどでもニュースになっています。

今回の地価公示、私なりに注目していたのは、

1.アベノミクスに伴う金融緩和の影響と金利上昇の懸念

2.コロナ禍からの回復とその程度(コロナ禍前の水準に戻ったか、又は超えたか)

3.円安による物価高、建築資材の高騰が不動産価格に及ぼす影響

の3点になります。

1、2に付きましては、都心部を中心とした優良な土地(駅近や住環境のよい地域)については、金融緩和の恩恵を受け、地価は上昇しました。地価公示結果からは金利上昇の影響は見られませんが、今後、不動産価格への影響は避けられないものと思料されます。

コロナ禍の影響ですが、今回の地価公示で観光地の多くで地価が上昇しており、インバウンド需要が回復していることを反映した結果と考えられます。

3について、地価公示結果を見る限り、その影響は少なかったと思われますが、建築資材等物価高は続いており、今後の懸念材料であることは確かだと思います。

あと、愛知県をはじめ、工業地で上昇地点が多く見られまました。ネットショッピングの普及等により物流倉庫用地の需要が増えており、高速道路などへのアクセスのよい工業地の跡地で高額の取引が見られた結果だと思います。

工業地は円安により製造業の国内回帰が言われており、今後、物流倉庫用地と共に純粋な工業地の地価も上がっていくことが予想されます。

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令和4年、都道府県地価調査結果

2022-09-21

9月20日、都道府県地価調査結果(7月1日時点)が発表されました。

その中でも愛知県は住宅地が平均+1.5%、商業地が+2.3%の上昇、2年連続の上昇となりました。

住宅地の上昇率を押し上げた要因は、自動車関連産業が盛んな西三河地域や名古屋市内の駅近の住宅地の需要が旺盛であることに加えて、名古屋市や西三河への利便性に優れた、価格に割安感のある地域の土地需要が増えたことが上げられます。

商業地については、都心や路線の集客がコロナ禍前の水準にほぼ戻ったことに加えて、コロナ禍前から続く投資家による不動産需要が増えているとが地価上昇の要因と考えれれます。

住宅地商業地とも地価上昇が続く名古屋市及び西三河地域ですが、円安や物価上昇、金利上昇への不安から今後、不透明感が増していくものと思料されます。

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韓国の不動産バブル

2022-08-18

日本では都心部を中心に不動産価格が上昇していますが、お隣の韓国でも地価の上昇で土地長者が発生している、との記事を見ました。

私は韓流ドラマは見ませんが、俳優のクォン・サンウさんが2015年4月に80億ウォン(約8億2100万円)で購入した工場は、最近価値が6倍以上になったそうです。日本円で約50億円、想像もできない金額になりました。

また、同じく俳優のソン・ジュンギさんの住宅も購入時から2倍以上に値上がりし、平均公示地価も6年で100%以上上がっているとのことです。

先回の日本の不動産バブル、名古屋でもバブルが崩壊する前に売りに回っていた不動産業者の方がいましたが、今、バブルの崩壊を確信している投資家はいるのでしょうか?とても興味深く思います。

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不動産市場の3極化

2022-08-02

バブル崩壊後のトレンドとさえなった不動産市場の2極化という言葉、土地神話が崩壊した転機であったと思います。

それ以前は都市部はもちろん地方圏の地価も下落することはなく上昇を続ける土地神話がありました。銀行は企業が保有する土地の価格が上がることを見越してにお金を融資する、企業の資金調達システムの土台になっていたと思います。

先日、ネットで不動産市場の3極化という言葉を見ました。従来の2極化に、限りなく無価値かマイナス値となる、という3極目が加えられていました。この3極目の割合は15%とのこと、決して小さくはない割合です。

過疎化や限界集落の増加がますます進むと予想される中、都市部の不動産が異常な高値で取引される状況の中、この3極化という言葉が新たな不動産市場のトレンドとなりそうです。

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2022年路線価

2022-07-02

7月1日、相続税・贈与税の算定基準である相続税路線価が公表されました。全国平均は2年ぶりに上昇しましたが、商業地や観光地についてはインバウンド需要の有無によって大きく異なる結果となりました。

全国1位は東京・銀座の鳩居堂前、37年連続の1位となりました。

今回の特徴としては、長野県白馬村が約20%の上昇、全国最大の上げ幅となりました。理由は主に外国人による不動産需要、別荘地として好まれており、北海道のニセコと同じような傾向となっています。

愛知県の路線価ですが、価格1位は名古屋市中村区名駅1丁目(名駅通り)で1248万円/㎡、上昇率1位は名古屋市東区久屋町8丁目(久屋大通)で+8.7%となりました。

今後ですが、コロナ禍が収束に向かい、円安を背景にインバウンド需要が以前に戻るようであれば地価、特に商業地は上昇が続くと予想されます。但し、建築資材をはじめ物価や金利の上昇など懸念材料も多く、予断を許さない状況が続くものと思料されます。

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