保育園は鑑定評価で嫌悪施設になるか?
2020-06-24
先日、お世話になっている方から保育園のことで相談を受けました。内容は、仕事場付住居の近くに保育園の設置が予定されており、その反対運動についてでした。反対者の話では、保育園の設置で地価が10%下がったとの統計がある、との主旨でした。
ちなみに、私は地価が10%下がることは大変なことで、余程の嫌悪施設(火葬場など)が設置された場合だと考えています。おそらく、この反対者の方は、財産評価基準の「著しく利用価値を減じた土地」について10%減額を認める、の文言を引用したのでは、と思います。
以前、小学校の隣の土地建物を鑑定評価したことがありますが、減価はなしと判断しました。子供の声は日中の限られた時間内であり、近隣に悪影響を及ぼすとは考えにくいことが理由です。ちなみに、地価公示などでは、小学校が近いと増加要因なります。
先日、東京都練馬区の保育園の近隣住民が騒音差し止めと損害賠償の請求訴訟で、東京地裁は「騒音は我慢の範囲内」と請求を棄却した記事が出ていました。園側の騒音レベルを抑制する努力も評価したようです。
保育園は、園児の声以外にも、父兄の送り迎えの車の迷惑駐車などの問題はあると思いますが、これは保育園以外でもありえる事象であり、減価は難しいと思います。
但し、鑑定評価は地域性などを個別に判断することになるので、保育園の規模や時間なども考慮して価格は決定することになります。
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