価格0円の温泉施設
2020-10-30
不動産の鑑定評価を行う場合、対象不動産が土地建物で建物を0円(解体費等が生ずる場合はその金額を控除)にすることはありますが、総額で0円評価をしたことはありません。
ネットで、岩手県西和賀町が温泉施設7か所の売却先を公募し、その中の一つが売却最低価格を0円にしたとの記事を見ました。29日現在で応募はなく、買い手が見つからない状況となっています。
ちなみにこの売買には条件があり、書類審査、プレゼンテーションに加えて最低5年間は温泉施設として営業し、第三者に譲渡できないとのことです。0円は破格ですが、条件が厳しすぎるように感じます。
西和賀町は湯どころとして有名ですが、人口減少が続いており利用料増加が見込めない中、老朽化による修繕・維持費の負担があり購入価格0円でも十分な収益想定ができないことが理由だと思います。
前記で0円鑑定評価をしたことがない旨記載しましたが、今後、地方など過疎化が進んだ地域などでは0円の鑑定評価額の不動産が出てくるかもしれません。
←「鑑定評価とオークション」前の記事へ 次の記事へ「サンフランシスコの超高層ビルが680億円で売却」→