土地価格と企業財務の関係

2019-09-03

先日、ある老舗の和菓子店が破産した記事を読みました。江戸期から続くお店で、幾度も災難を乗り越えてきたものの、新たなライバルとなったコンビニのスイーツに敗れたことが要因とされていました。コンビニのスイーツ、値段が安く、味もよいものが増えており、老舗のお菓子屋さんには脅威だと思います。

この記事の中で、バブル期の設備投資後、土地価格下落により負債が増え、収益に影響したとありましたが、時価評価された土地の含み損が収益を圧迫したということでしょうか。おそらく新規出店の際、キャピタルゲインも狙った高値での土地購入を行ったことが原因と思われます。

以前、経済学者の内橋克人さんが、地価の下落によって、従来行われてきた企業の資金調達システム(地価の上昇を見込んで土地を購入し、それを担保に銀行から融資を受ける)が崩壊していた、と仰っていたことを思い出しました。

現在の異常な地価上昇、バブル崩壊時の悲劇と同じことが起きないことを祈ります。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」