松岡不動産鑑定士事務所

愛知県・名古屋市の不動産鑑定事務所のブログです。

5月 31st, 2022

洋館のお話

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先日、神戸にある洋館「旧グッゲンハイム邸」の記事を見ました。明治末期に建てられたこの洋館は、2007年に解体の危機にあった際、音楽家の森本アリさんが購入し、家族で管理・運営され現在に至っています。

名古屋にも洋館は保存されていますが、その殆どが著名な方の住居跡であり、個人が住まわれていた洋館は現存していないのではないでしょうか。残念に思います。

結婚式やライブ、映画のロケなど多様な利用をされている旧グッゲンハイム邸、末永く神戸の街を見守っていて欲しいと思います。

浜松市は静岡市と並び静岡県の中心都市ですが、その中心市街地にかってあった松菱百貨店の跡地が更地として残されています。松菱百貨店の破綻から約20年、駅前の一等地が塩漬け状態、新幹線停車駅の駅前中心地でありながら、具体的な再開発の話は出ていないようです。

アベノミクスから始まった空前の金融緩和、大都市圏をはじめ政令市や地方中核都市にまで広がった地価の高騰、金余りに加えて外国人投資家を巻き込んだ一等地の取り合いが続く昨今、浜松市はそこから取り残されている印象です。

複雑な地権者の存在など、開発を拒む要因も考えれられますが、浜松市の顔としての意味を持つ駅前の一等地、一日も早い再開発が望まれます。

アパート、マンションの1階は、防犯や眺望などの面から人気がなく、家賃も上層階より安くなっている物件もあります。自分もアパートの1階、2階、3階以上の階に住んだことがありますが、上層階は夏、窓を開けて外出できたり、眺望が楽し見たりしてよかった記憶があります。

1階のメリットは、引っ越しや買い物をした時、物の搬入や搬出が楽なことと、自転車などを玄関脇に停めやすいことでした。あと、庭がある物件ですと、簡単な工作や、家庭菜園を楽しんだこともありました。

先日、1階の住み心地について書かれた記事を見ましたが、小さい子供にいる家庭ですと、騒音が階下に響かないことをメリットに挙げた方がいました。何かを近所からの苦情が多い昨今、余計なストレスをためないために、1階に住む選択は正解なのかもしれません。

先日、愛知県で住宅地の高い街ランキング、という記事を見ました。そのベスト3は名古屋市内が占め、

1位:名古屋市中区、2位:名古屋市東区、3位:名古屋市昭和区、となりました。

3位の昭和区は八事や南山町など、丘陵地に立地、2位の東区の都心部はかって武家屋敷だった白壁や橦木町など高級住宅地域を抱えており、上位にランクされることは予想通りと言えます。

1位の中区は、栄や伏見、大須などの商業地域が大半を占め、住宅地のイメージは薄いのですが、タワーマンションをはじめ都心にマンションが多く立地するようになり、住宅地域に移行しつつある地域も多くあります。その結果、住宅地の価格1位という結果となりました。

おそらくこのベスト3は、当分の間不動ではないかと思います。

5月 17th, 2022

丸いビルのお話

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土地はもちろんですが、建物も有効利用率を上げるためには整形に近い形が望ましく、敷地の形状に問題がない場合、建物の床形状は正方形や長方形などになることが一般的です。

但し、敷地の形状に問題がない場合であったも、景観的などの理由から、あえて整形以外の形状で建物を建てる場合があります。例えば、名古屋ですと昔、給水塔だった建物を利用している演劇練習館などは丸い形状となっています。

先日、大阪マルビルが建て替え、との記事を見ました。名は体を表すように、丸い形のビルになります。

1976年開業、地上30階建ての高層建物ですが、新しい建物は2030年春完成予定だそうです。

ちなみに新ビルの形状ですが、丸い要素は残す、とのこと。どんなビルになるか今から楽しみですね。

都心部で続く高級マンション建設、人気のある物件は即日完売も見られるほどの活況です。

昨日、ネットで名古屋市内でも屈指の高級住宅地域である東区主税町に高級マンションの建築の記事を見ました。場所は三菱UFJ銀行の厚生施設がある土地、既に売却され、新築マンションが建築されるようです。

面積は約2800㎡と都心に残る貴重な広大地、2025年以降の完成目標とのことですが、その時までマンション市場の活況は続いているでしょうか?興味深いところです。

軽量鉄骨造は建物の建築工法の一つで、名前のとおり軽量な鉄骨を躯体として建てられる建物になります。比較的安価で耐久性が高く、工期も短いメリットがあります。ですが、世界的な鋼材価格の上昇を受け、安価であるというメリットは薄れつつあります。

また、デメリットとしては、鉄骨に張り付けられたALCボードを壁とするため、遮音性や断熱性に劣るなどが上げられます。特に、共同住宅などではお隣や上下階の音が響くなどの声も聞かれます。

私も軽量鉄骨造のアパートに住んだことがありますが、夏暑く冬寒く、お隣の生活音に悩まされた経験があります。複数アパートを所有するオーナーの方の多くも、苦情処理の多い軽量鉄骨造のアパートは敬遠するようです。

今後、鋼材価格の上昇傾向が続くと予想されますが、安価であるという軽量鉄骨造のアパートのメリットがなくなり、鉄筋コンクリート造との価格差が小さくなれば軽量鉄骨造のアパートの建築戸数も減っていくかもしれません。

長引くコロナ禍で在宅時間が増える中、よりよい居住環境を求めて他県へ移住する方が増えているようです。先日、ネットで50代の方が移住したい都道府県ランキング結果を見ました。結果は、

1位:静岡県、2位:山梨県、3位:群馬県、となりました。全て、首都圏から比較的近く、鉄道や高速道路での移動が容易である県がトップ3を占めました。

また、上位3県は温泉や観光地も多く抱えており、旅行気分を味わいながら仕事ができることが選ばれた要因かもしれません。

これからの新しい生活スタイルとして、コロナ禍後においても日本に定着するかもしれません。

新型コロナ感染症蔓延の影響で大幅な減少となった建築着工数、昨年2021年はその反動で前年比+6.6%、86万5909戸と発表されました。3年ぶりの増加となり、コロナ禍前の19年度(88万3687戸)に迫るところまで回復しました。

在宅時間の増加を理由に一戸建住宅の増加が大きく、注文住宅が前年比+6.9%(28万1249戸)、建売住宅が+11.4%(14万4124戸)となりました。賃貸アパートなどの貸家も+9.2%(33万752戸)の増加となりましたが、金融緩和による金余りや各種助成金でのマンションやアパート投資の増加が理由と考えられます。

マンションは用地価格や建築費の高騰を受け、開発業者が駅近や居住環境のよい地域での販売に重点を置いており、-5.0%(10万2762戸)となりました。

今回の建築着工結果、コロナ禍で報道されている不動産市況に凡そ合致した内容と考えれます。

かっては日本中どこにでもあった商店街、今ではその殆どが空き店舗の多い所謂シャッター商店街になっているのが実情です。

その空き店舗ですが、取り壊されて戸建住宅になっているケースもありますが、閉店後、何年も空き店舗となっているものの多いです。特にテナント募集の看板すらないものもあります。

先日、ネットで「どうして空き店舗のままか?」というアンケートに対して、その理由の1位が「賃料等の条件が合わない」、2位が「特に困らない」、3位が「もう他人に貸す気がない」という結果になりました。2位と3位の割合の合計が約43%となりました。

以前、評論家の辛坊治郎さんが著作の中で、シャッター商店街が存在する理由で上記のことを述べておられましたが、かっての商店主は資産家が多く、不動産を売却や賃貸する必要がないことが空き店舗増加の原因だったみたいです。

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