Archive for the ‘不動産のお話’ Category
新築戸建住宅の賃貸
新築の戸建住宅は、個人が自ら居住用に建てられたもので、賃貸に出しても十分な利回りの確保が難しく、投資物件としては不向きと言われています。
先日、パワービルダーが販売した戸建住宅を賃貸に出し、問題になった、との記事を見ました。最近は地価や建築費の高騰により、パワービルダー系の物件であっても価格は上がっていますが、売れ残りなど割安な物件で、それなりの家賃を取れる物件だったのかもしてません。
住宅ローンを利用していた物件とのことですが、ローン控除による節税額を織り込んだ収益想定を行い、利回りを確保していたのだと思います。
この方法では十分な利益を得ることは難しく、ばれた場合のリスクの方が大きいので、やる価値はあまりなのかな、と思います。
愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」
名古屋市内オフィスビル市場と経済動向
コロナ禍を機に推奨されるようになったリモートワーク、不動産市場に大きな転換をもたらすと言われたことがあります。
一つは都心から地方への移住、リモートワークの普及により在宅時間が増え、より生活と仕事の両立がし易い地方への移住が増えると言われていました。
二つ目は、リモートワークにより不要となったオフィスの撤退又は縮小が進むと言われていました。実際、コロナ禍においては都心のオフィスビル、大規模なものから小規模なオフィスに移転が進んだそうです。
以上はコロナ禍からその後の不動産市場予測でしたが、現実では都心の駅近物件の価格上昇は続き、郊外の地価はあまり上がっていない所が多く、エリアによっては横ばいから下落しています。
また、オフィス市場においても、名古屋圏では中日ビルなど新築オフィスビルの竣工が予定されており、今年完成する名古屋のオフィスビルの床面積は前年比約3.2倍の約17万㎡となる見込みです。
日銀総裁交代により金融政策の変更がないことが明らかになり、金融緩和が続くと市場は見ているのだと思います。
名古屋のオフィス市場、順調に成約が進むのか、それとも空室率の上昇と賃料の下落をもたらす結果となるのか、名古屋圏の経済状況を見る上でも注視したいと思います。
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スキー場の境界を巡る裁判の結果
先日、コラムで書きました新潟県のスキー場内の境界を巡る裁判、原告の町の主張が認められ、境界を修正するという地裁判決がでました。江戸時代の山林の利用状況等の資料が境界確定の資料となったそうです。
この結果、リフトやリフト駅舎の固定資産税の課税権も市から町に移ることになります。
境界を巡る争いは自治体間だけではなく、個人間でもあり、知り合いの土地家屋調査士も境界画定の際には法典はもちろん、過去地図なども用いるそうです。
今回の訴訟、裁判所は原告である町の準備した資料の規範性が高いと判断したと考えられますが、市が新たな資料を準備し控訴した場合、資料の信頼性によっては判決が逆転するかもしれません。
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大学の都心回帰と跡地利用
少子化が進む中、大学の都心回帰が進んでいます。
大学は、特に地方によっては無くてはならない存在となっており、飲食店をはじめとした商業施設や、下宿生を受け入れるアパートの大家さんの生活など広範囲に影響を与えています。
かなり前、岡山県のある大学が県内の他市へ移転した際のテレビ番組を見たことがあります。その大学は下宿生が多かったことから、町から若者がいなくなり、活気が一気に無くなったという内容でした。
先日、神奈川県の神奈川大学キャンパスの跡地の売却交渉が難航、との記事を見ました。跡地所在地の住民は、新たに大学などの学校の誘致を望んでいるとのことですが、転出した跡地に入る学校を見つけるのは至難の業と言えます。
大学の跡地は広大な敷地を有し、立地のよい土地であれば興味を示す企業はあるかと思いますが、大学以外で使用するには行政の許可が必要で、民間企業も購入を躊躇っているそうです。
今回の大学の跡地、今後、どのように進展していくのか、売却された場合の売買価格を含め興味深く見守りたいと思います。
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自治体間の土地争い
土地を巡る争いは、国家や自治体、個人間のみでも度々発生しています。少し前ですと、愛知県と三重県が境界を争った木曽岬干拓地や東京都でも埋め立て等の帰属を巡って関係区が争ったことがありました。
先日、新潟県でスキー場の一部の帰属を巡った関係市町が争っている、との記事を見ました。訴えている町の主張が認められると、スキー場内のリフトやリフトの駅舎が町の帰属になるそうです。
リフトやリフト駅舎の帰属が町に移った場合、固定資産税の徴収権も町に移ることになり、財源不足に悩む自治体にとって貴重な税収増に繋がることになります。
市町間、特に隣接する自治体との関係を考えると、争いを避けたいという思いもあるでしょうが、人も自治体もお金が絡むと相手に譲れない、というのが本音のようです。
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地盤と不動産価格との関係
地盤は土地上の建物を支える土台となるものであり、堅固な高層の建物を建てるには、ある程度の地盤の固さは必要となります。
地盤の緩い土地にも建物を建てることはできますが、表層改良が必要であったり、建物を支えるパイルを地下深くに打ち込む必要があったりと通常の建築費に加えてさらに費用が掛かることになります。
地盤が強いと高層建物を建てやすくなりますし、地震などの災害においても建物倒壊のリスクが少なくなることから、地価は高くなる傾向があります。
先日、高層ビルが密集するアメリカニューヨーク市の一部が地盤低下している、との記事を見ました。超高層ビルの重さが理由のようです。
地下水のくみ上げ過ぎで地盤低下した話はよく聞きますが、ビルの重さが地盤低下を発生させる、考えられる理由だとと思います。
日本でも都心部で高層ビルが密集する地域がありますが、今後、地盤低下が問題になるかもしれません。
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地域のシンボルと景観のお話
都市部であれ地方であり、その地域地域には大なり小なりシンボルがあり、その地域の住む人々は誇りとしているものです。
例えば、静岡県や山梨県の方にとって、富士山は地域のシンボルであり、その地域に行くと度々富士山をデザインしたマークを目にすることになります。
かなり前、携帯電話の基地局設置のお仕事をしていた時、富士川町で建設しないよう要請を受けたことがあります。その地域は街から少し上ったところにあり、富士山を正面に街を見渡すことのできるところでした。基地局鉄塔の存在により、景観が損なわれることを心配しておられました。
先日、京都市で夏に行われる送り火の景観が変わることを理由に、住宅建設を反対、との記事を見ました。開発許可は既に出ており、業者としては予想外の反対だったようです。
歴史のある送り火の景観を守ることと、開発業者の権利を尊重すること、この2者を両立させるのは難しい問題です。
私個人の意見としては、景観への配慮は必要ですが、開発許可基準に適合した合法の開発であれば、建物の建築を認めるべきだと思います。
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人口と不動産価格との関係
人口と不動産価格は密接な関係があって、人口が増えている地域は不動産需要も多く、価格は上昇し、逆に人口が減っている地域の不動産価格は下がる傾向にあります。
この理屈は、都市部の地価上昇と地方の過疎地の地価下落でも説明できると思います。
ネット記事で、愛知県の人口減少が緩やかである理由として、トヨタ自動車関連企業の存在とこれら企業の多い西三河地域の出生率の高さが理由、との記事を見ました。確かに愛知県の西三河地方はバブル崩壊以後、一時期を除きほぼ一貫して地価は上昇しています。
愛知県の西三河地域以外でも、名古屋市や豊田市に隣接する市町は地価が上昇しており、トヨタ自動車の恩恵に与れる地域とそれ以外の地域との格差が生じているのが実際のところです。
先日、中国でEV車が普及し、日本製の自動車の販売台数が激減しているとの記事を見ましたが、トヨタ自動車で持っている感のある日本経済、そして愛知県の経済がどうなっていくか不安視する声もあります。
この心配が現実になった時、愛知県の人口、そして好景気が続く愛知県の経済、そして愛知県全体が衰退に入ることになるのかもしれません。
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バブル末期と現在のマイホーム市場
地価と建築費の高騰で、都市部の住宅地の価格が高騰しています。特に東京を中心とする首都圏の地価は上昇しているエリアが多く、一般的なサラリーマンでは東京都区内でのマイホーム購入が難しい状況となっています。
先日、ネットで首都圏でマイホームを探している方の記事を見ました。最初は区内で探した物件は、延床面積80㎡程度で8000万円を超える価格だったそうです。その後、埼玉県内で探し始め、大宮市内、ここも総額5000万円台で断念、最終的に上尾市で住宅を購入したそうです。
実はこのお話と同じことが、バブル期にも起きていました。ある本で読んだのですが、バブル期末期、首都圏でマイホームを探した方が、同じように区内から探し始め、予算の都合から上尾市で住宅を購入したという話でした。
現在の不動産価格上昇は、バブル期末期の駆け込み需要による価格上昇と似ていると思います。金利が安く、地価と建築費が上がり過ぎる前に買っておこうという購入者の心理、今ここで勝っておかないと一生マイホームを持てない、と言った恐怖感が不動産バブルの原因の一つになっていると思います。
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延面積30坪未満の戸建住宅
30坪というと、㎡にすると100㎡になるでしょうか、都市部における平均的な戸建住宅の延べ床面積だと思います。間取りにして4LDKが確保できる広さだと思います。
この30坪が広いか狭いかは家族構成や生活スタイルなどによって違ってくると思いますが、30坪未満の家なぜ増えた?との記事を見ました。地価や建築費の高騰に加えて、マイホーム購入希望者の優先順位の変化が関係しているそうです。
少し前であれば、来客用の寝室のために和室が一部屋ある家が多かった気がしますが、最近は和室はもちろん予備の客間の無い家が殆どになりました。インターネットなどで過去の失敗例を検索することにより、合理的で無駄のない間取りの家が増えたことも要因のようです。
戸建住宅の延べ床面積、マンション程の縮小率ではありませんが、今後、ますます狭くなっていくことが予想されます。
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