Archive for the ‘不動産の価格’ Category

エリザベス女王が過ごした住居の価格は特殊価格

2019-06-26

不動産の鑑定評価によって求める価格(価格の種類)には、正常価格(市場性を有する不動産市場価値)、限定価格(不動産を併合や分割する際に市場が限定される場合の市場価値)、特定化価格(法令等による社会要請を背景とした不動産の経済価値)、特殊価格(文化財等の市場性を有しない不動産の経済価値)があります。

先日、イギリスのエリザベス女王が結婚後数か月過ごしたマルタ島の住居が7億円超で売りに出されたとの記事がありました。広さは約1,560㎡、1900年頃に建てられた歴史的建造物だそうです。ちなみに修繕は行われたばかりで利用できる状態だそうです。買うのは居住目的の大富豪か、商業施設、宿泊施設として使用する実業家でしょうか?

このような不動産ですが、歴史的な文化財として利用しない場合は特殊価格ではなく正常価格として価格を求めることができる場合があります。今回のケース、やはり居住目的であっても何等かの価値は付き、特殊価格になると思います。ちなみに日本の芸能人の家などは正常価格でしょうか?特殊価格でしょうか?実際に遭遇したら判断に迷うと思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

越後湯沢のリゾートマンションと民泊

2019-06-26

日本全国には多くのリゾートがありますが、現在、外国人観光客から人気なのは北海道のニセコと沖縄で、地価もその影響を受けて軒並み急上昇しています。

その中でもニセコは、夏は避暑、冬はスキーが楽しめ、羊蹄山をはじめとする風景も他のリゾートになく独り勝ち状態だそうです。観光客向けのコテージやリゾートマンションも多く建てられ、外国人の街といった様相を呈しているそうです。

他のリゾートは苦戦が続いており、バブル期に首都圏のスキー客から人気のあった越後湯沢のリゾートマンションは投げ売り状態となっています。売り募集のホームページを見ると、多くが10万円と表示されています。買い手も中々つかないのでしょう。

その越後湯沢のリゾートマンションで民泊をしている方がいるそうです。稼働率も比較的よく、150万円に価値を上げたとか。購入価格が安いので、上手にやれば元はとれるので投資物件として有望かもしれません。今後、このビジネスモデルが成功し、湯沢エリアが活性化していくか注目したいと思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

中古マンション価格と築年の関係

2019-06-22

中古マンション鑑定評価を行う場合、原価法、取引事例比較法及び収益還元法を用いて価格を求めることになります。この中でも原価法は、まず、土地と建物の再調達原価(新たに同じ土地建物を調達する場合の原価)を求め、その価格に減価修正(耐用年数に基づく方法と観察減価法)を行って積算価格を求めることになります。

先日、ネット記事に中古マンション価格と築年との関係が出ていました。内容は、
1.築5年程度:新築価格の10%減くらい(売り急ぎ等条件によっては20%程度減)
2.築5年~10年:平均で25%減くらい(築12年を超えると35年住宅ローンを組めなくなるので人気が高いそうです。)
3.築10年以降:かなり割安になる。
 築20年で平均40%減、築30年で平均60%減
だそうです。

以前、不動産業者さんが築5年程度の戸建住宅は新築との比較で割安感がなく、売りにくいと言っていましたが、中古マンションも同じですね。

あと、「中古マンションは管理を買う」との言葉もあり、築年数だけでは価格は決まりませんし、対象不動産ごとの管理や修繕・維持の状態(鑑定評価だと観察原価法を用いて減価額と求めることになります。)も価格に影響を与えるので、上記の数字は一般的な目安なのかな、思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

山の鑑定評価額

2019-06-21

山林の鑑定評価は、現況の山として使用する場合は現況山林として評価します。なので、周辺の山林取引から比準して求めた価格(取引事例比較法)と、桧林などで道路付きがよく、切り出して搬出することが可能であれば収益価格林地希望価方式)から鑑定評価額を求めることになります。一方、造成して宅地とすることが最有効使用である場合は、宅地見込地としての評価になります。

先日、ネット記事で個人でのキャンプを目的に1万坪の山を丸ごと買われた方の記事が出ていました。キャンプはもちろん、山登りから自然散策まで年中アウトドアを満喫できますね。

ちなみにお値段は800万円だそうです。需要がなく値段がつかないと思っていた山ですが、このような需要が増えてくるかもしれません。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

戸建住宅の価格

2019-06-10

一般的な低層個人住宅戸建住宅)は、土地とその上に建っている建物から構成されますが、普通は価格土地建物価格を合計した金額になります(収益性の高い不動産などの場合は、一体で求められた価格が重視される)。

先日、ネットで東京都内で最安戸建住宅の記事が出ていましたが、八王子市内駅徒歩11分で500万円でした。この価格は名古屋でも難しいと思います。

この不動産の詳細は、築42年の木造2階建てで、老朽化が激しく、特に水回りは交換修繕が必要なようです。土地及び建物の面積は未記載でした。ちなみにこの物件の土地権利は所有権ではなく借地権、地代が月2万円とのことでした。

上記で述べましたが、今回の不動産借地権付建物であり、建物価値をゼロ円とすると、土地借地権)の価格が500万円と言うことになります。やはり安いには訳がありますね。

ですが、借地権付建物は土地の公租公課(固定資産税・都市計画税)の支払いがありませんから、公租公課の額との比較で地代が割安であれば、お買い得な不動産と言えるかもしれません。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

鑑定評価額と駅距離との関連

2019-06-08

不動産は色々な要因によって価格が形成されますが、その中でも最寄り駅からの距離は重要な要因となります。一昔前は、駅から徒歩15分以内と言われましたが、現在では10分以内、理想は5分以内の不動産が好まれるようになりました。都心回帰や時代のスピード化などが原因と考えられます。

先日、ネットを見ていたら、「駅から1分離れるごとに100万円下落」との記事を見ました。㎡あたり18,000円の下落だそうです。統計から判断したのでしょうか、具体的な数字を上げた記事をはじめて見ました。その他も具体的な数字を上げておられましたが、競争力は戸建が徒歩15分目安、マンションは徒歩7分が目安だそうです。

不動産の鑑定評価をしていても、最近は駅距離で決まる傾向が強く、名声・品等に優れた地域を除き駅から徒歩圏外の住宅地域の競争力は劣る傾向があります。ですが、駅距離に拘れなければ、居住環境及び品等の良い住宅が割安に購入できるということでもあります。

将来的な価値(値上がり等)を期待しないのであれば、このような不動産に絞って探すのもいいのでは、と思います。

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不動産の価格と立地のお話

2016-06-28

不動産の価格は様々な要因が複合して決定されますが、その中でも立地は特に重要だと言われます。住宅地はもちろんですが、立地がよいために経営が成り立っているお店がある商業地をイメージすると分かりやすいかもしれません。

東京カンテイが中古マンション価格に影響を与える要因について調査したところ、都心か郊外か、人気住宅地か否かといった広域立地、次いで駅からの距離などの狭域立地という結果になりました。要因の9割が立地という結果でした。都心に近く駅近、さらに住環環境がよい地域の価格が高いということでしょうか。確かに大手の物件であっても立地に劣るものは割安な価格査定になっています。

資産価値を重視すれば、このような物件は値下がりも相対的に少ないですし買い得感は高いと思います。ですが都心の不動産価格が値上がり傾向にある中、徒歩圏を外したり人気の劣る地域であれば比較的優良な物件を割安に購入することが可能です。購入予算に制約のある場合など、立地などの条件を緩くして幅広く物件を探すのも一つの方法だと思います。

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舛添元知事の別荘の価格

2016-06-23

舛添氏が都知事辞任の発端となった神奈川県湯河原町の別荘ですが、売却するとした場合、いくらくらいになるのでしょうか?

あるネット記事によると、地元不動産業者の話として土地建物で6,000万円~8,000万円が相場とのことです。何でも「理想郷」という名の分譲地で人気のエリアだとか。舛添元知事が毎週通いたくなるのもわかる気がします。

ちなみに価格についての印象ですが、別荘地にしてはかなり高いことと、査定相場に2,000万円の幅があることでしょうか。やはり別荘地にしては高額であるため、需要者が限定されるためこのような査定になったのでしょうか。

このような事情のある別荘は難しい判断を求められるところが多く、難しい鑑定評価になると思われます。

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舛添知事別荘の地価

2016-06-14

政治資金の不正使用疑惑が問題となっている舛添東京都知事ですが、その問題となっている神奈川県湯河原町の別荘を売却する意向であることが伝えられました。別荘がなくなれば公用車で行くこともなくなるという意図でしょうか。

その別荘地に近い地価公示価格は2008年には10万円/㎡だったのが、2015年には7万8千円/㎡に下落しているそうです。別荘地のある神奈川県湯河原町の地価上昇率はかなり低く、マイナスにあるとの意見もありました。実際にその別荘を鑑定評価したらいくらくらいになるのでしょうか?

湯河原町と言えば東京の奥座敷で、由緒ある温泉旅館が建ち並んでいるイメージですが、ほど近い熱海が衰退傾向にあると同様にかっての繁栄からは程遠いようです。

かなり昔、私も湯河原町にある”つばき”という料亭で食事をしたことがあるのですが、そのおもてなしの心に驚いた記憶があります。舛添知事も毎週通った湯河原、通好みのリゾートであることは間違いなさそうです。

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人口減と住宅地の価格

2016-05-23

人口の増減と住宅地価格には一定の相関関係が認められます。人口が増えている地域の地価は上昇傾向にあり、逆に減っている過疎の地域の地価は下がり続けています。ですが、全体的に人口が増えている地域であっても一律上昇しているわけではなく、上昇の激しい地域と微増乃至は横ばいに近い地域もあります。

地価が上昇している地域は、駅から近いとか住環境がよい、学校区が人気、などの要因がありますが、私が感じることは新しい街、伸びていく可能性を秘めた街の上昇率が高いということです。私の職場のある愛知県長久手市で人気のエリアである市が洞周辺は、駅から徒歩圏外ですが伸び盛りの新しい街で地価も上昇傾向にあります。

最近、個人住宅地であっても、従来から一般的に使われている取引事例比較法ではなく収益還元法による収益価格を取引の指標にすべき、との意見を聞きますが個人の戸建住宅マンションは賃貸想定が難しく、価格賃料との相関関係が低く、また利回りなどのインデックスが整備されていないなどの理由から困難だと思います。

先ほどの市が洞の例にもありますが、結局人々が住みたいと思える地域の地価は上昇していきますし、結局、地価の決定は経済学の需要と供給のバランスに落ち着くのでは、と思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

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