Archive for the ‘不動産の権利’ Category

定期借地権付きのマンションの鑑定評価

2020-08-07

マンション(区分所有建物及びその敷地)鑑定評価は、作業量が多く時間のかかることが多いです。そのマンション(区分所有建物及びその敷地)ですが、土地部分の使用権が所有権の共有持ち分である場合と定期借地権である場合があります。当然、所有権の方が強い権利ですし、定期借地権の場合、通常、解約期間の満了時には建物を解体し、更地にして返還することになるので、立地や建物の仕様等の条件が同じである場合、定期借地権付きのマンションの方が鑑定評価額は安いことが多いです。また、通常、区分建物の所有者は地代の支払い義務がある代わりに、固定資産税等の支払いは不要となります。

この定期借地権ですが、マンションの場合は契約期間が長期となることが多いですが、借地権の残存期間が短い場合は、その点を考慮した鑑定評価となります。但し、建物の状態も良く、地主が十分な地代を得ている場合などは、定期借地契約の契約期間が延長される可能性も否定できません。

地価上昇が続く昨今、事業用定期借地権で建てられた店舗など、契約満了時に終了しているケースが多いのですが、将来、契約満了時に経済環境が悪化している場合など、定期借地契約の契約期間が延長されるケースも出てくるのでは、と思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

温泉権と不動産価格

2016-06-03

温泉を使用する権利は無料ではなく、それを使用する権利を温泉権といいます。なので、大規模な温泉施設などでだくさんの源泉を必要とする場合、高額な金額で温泉権を購入することになります。

今回の熊本地震で、田んぼに温泉が湧いた地域や、お湯が出なくなったり湯量が落ちたりした地域があったそうです。どちらも困りますね。

温泉旅館の鑑定評価の場合、温泉が出なくなれば価値は下がりますが、その減価の一つの考え方として他から温泉を購入することが可能であれば温泉権の価格及び温泉を引き込む設備費用を控除して求められると思います。もちろん集客が落ちれば収益価格も下がるので収益還元法も重視する必要があると思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

 

占有権の価格

2015-06-10

先日,ネットニュースの大阪梅田の地下道における立ち退きの記事が出ていました。内容は,大阪市が阪神百貨店の建て替えに伴う地下道の店舗の立ち退きを求め,そのうちの占有者が拒否しているということです。

大阪市の橋下市長は会見で,「賃貸借契約なら勝手に立ち退きを求め訳にはいかないが,道路占有許可は公益の理由が出た場合は許可できなくなる」と述べています。ちなみに,占有料は近隣の地価相場ぼ9分の1か8分の1だそうです。

この場合,大阪市が占有者に立ち退き補償を提示しているかは不明ですが,占有許可に基づく権利は非常に弱いものであり,占有権の価格自体はゼロであると考えます(もちろん立ち退きをスムーズに進めるために,店舗の撤去費用や移転費用の一部+アルファは支払うことが多いと思われますが。)。

特に今回は名物店舗の立ち退きであり,裁判で営業補償などを求められた場合,難しい問題になると思います。判決の経緯を注意深く見守りたいと思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」