Archive for the ‘不動産の権利’ Category

老舗店舗の立退料

2024-07-26

高度成長期に建てられた複合ビルの建て替えにより、テナントの立退料が問題になるケースが増えています。

大家であるビルオーナーが誠意を示した立退料であっても、そこで長く営業してきた店子としては不満であることが多く、話し合いで解決しない場合、調停~裁判となることもあります。

先日、東京にある複合ビル内の老舗の焼き鳥屋さんの立ち退きに関する記事をみました。そのお店はかなりの人気店だそうです。

店子側が主張している立退料は2億円以上、大家側が提示した立退料の10倍を軽く超えています。

建て替えが予定されているビルは東京でも有名なビルで、建て替えが遅れることで多方面への影響が懸念されます。

今回のケース、おそらく訴訟になると思われますが、どのような判決が出るか注目されます。

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立退料の鑑定評価

2024-06-20

老朽化ビルなどの建て替えの際、入居者や店子の立ち退きが問題になることがあります。入居者や店子は立ち退きに反対することが殆どなので、建て替えを考えている所有者は、立退料を提示して退去を促すことになります。

立退料の鑑定評価は、移転費用(次の住居や店舗などの入居に掛かる費用+引っ越し費用)、店舗などの場合はそれに加えて営業補償やなどを考慮して立退料を算定することになります。

立退料の鑑定評価は個別性が強く、特に依頼者が所有者か店子かで入手できる資料も異なり、作業量が違ってきます。

先日、富山県の公営住宅の1階にある店子の立退料の裁判についての記事を見ました。立退料1000万円の提示に対し、店子は1900万円を求めていました。

判決は立退料として1014万円、引き替えに建物の明け渡しを命じ、市の提示した立退料をほぼ認める判決結果となりました。

今回は他の店舗への補償が終了した後の争いであり、ある程度結果が予想された裁判だったのでは、と思います。

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景観権のお話

2024-06-10

最近、タワーマンションなどで夜景を楽しむことができることを売りにするものが多くなりましたが、これも景観権の一種と言えると思います。

このような景観権は、風景を楽しむことができる権利であり、当然、遮るものがあればその価値が無くったり半減してしまいます。

但し、このような景観権そのものを価格で表すことは難しく、景観権の阻害を理由に補償を求めても認められないことが殆どだと思います。

先日、東京で完成間近のマンションが解体される、との記事を見ました。富士山の眺望や日照阻害を理由に反対運動が起きていたそうです。

ちなみにこのマンションは10階建て、戸数は18戸と規模は大きくはなく、周辺住民は富士山が見える眺望の中にマンションが入ることを嫌がったようです。

マンションの建設計画が持ち上がると、周辺住民からの反対運動が起こることは多いのですが、完成間近での解体は稀なケースだと思います。

マンション建設が続く昨今、今回のようなケースが続くのか、注視したいと思います。

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景観権のお話

2023-02-27

街の景観、特に品等のよい住宅地域では敷地の規模や建築物の用途、高さなどを条例や地区計画で定めることで、美しい街並みを守る努力がなされています。

最近、地価の高騰に従い、画地を小さく割った戸建住宅、いわゆる狭小戸建住宅が増えています。そのような狭小戸建住宅の建設計画の話が出ると、古くからの住民の方から反対運動が起きることがあると聞いたことがあります。

先日、別荘地として名高い長野県軽井沢町で、住民が大型ホテル建設計画の規模縮小を求めるとの記事を見ました。求める変更の内容は、建物を周囲に調和させ、3階建てを2階建てに変更することだそうです。

景観権は眺望権と同じく、権利として認められる可能性は低いですが、景観の悪化による不動産価格の下落を懸念しているようです。

観光地にふさわしくない建物の建築は避けるべきだと思いますが、購入した土地の開発に制約を掛けられる不動産業者の想いも考慮すべきだと思います。

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眺望権は主張できる?

2023-02-10

首都圏をはじめ、都市圏や最近では地方中核都市でも見られるようになったタワーマンション、そのタワーマンションの最大の売りは高層階からの眺望だと思います。

タワーマンションの高層階は遮るものがないことから階下の眺望を楽しみことができ、方位よりも眺望のよい部屋の価格が高いそうです。

このタワーマンションの眺望ですが、建築が完成し入居後に、周辺にさらに高いタワーマンションが建設されてしまい、眺望が失われてしまった、との記事を見ました。眺望を楽しみに高額なマンションを購入したにも関わらず、今まで通りの眺望が楽しめない・・、やりきれない気持ちになると思います。

このように眺望が失われた場合、眺望権を主張できるかか問題になりますが、やはり認められる可能性は低いそうです。眺望がなくて通常の生活は営めるということでしょうか。

同じような権利に日照権がありますが、こちらも主張は中々難しく、日照を遮った建物が違法建築物などでない以外は認められることは無いようです。

現在も増えつつあるタワーマンション、今後、同じようなケースが増えていくものと思われます。

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東京ドームの命名権の価格

2020-12-22

命名権(ネーミングライツ)の販売は、大規模なスタジアムではかなり行われており、プロ野球やJリーグの本拠地スタジアムの名称が変わるケースが増えています。

特に、パリーグの球団は、既に6球団中5球団が導入しており、積極経営により獲得した資金をチームの強化に充てているようです。ちなみにセリーグは広島カープの本拠地球場のみ導入(中日ドラゴンズも来シーズンから導入)、このような姿勢が日本シリーズの結果に表れているのかもしれません。

先日、東京読売ジャイアンツの本拠地、東京ドームの命名権の記事を見ました。具体的に決まった話ではなく、あくまでも仮定の話ですが、売り出せば10年100億円の契約の可能性がある、との内容でした。やはり東京ドーム、巨人の本拠地であるだけではなくイベントやコンサートで使用されることが多く、その価値に見合う宣伝効果があるのでしょう。

プロ野球の本拠地球場の命名権、パリーグを見習いセリーグでも導入が進んでいくと思われます。

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旧大沼百貨店の価格

2020-10-11

競売の売却基準価額は不動産鑑定士鑑定評価額をもとに決められていますが、先日、1月に自己破産手続きに入った山形市の旧大沼百貨店の売却基準価額が発表されました。

売却基準価額は、旧本店が2億3346万円、新庄市の旧ギフトショップが1944万円だそうです。

地方都市の人口減少が進み、新たな出店者の想定が難しい中、入札者が現れるか、また、いくらで落札されるか興味深いです。

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隣地の建物と鑑定評価

2020-09-17

既に建物が建っている市街地では、隣地が空き地であることもありますが、通常は何等かの建物が建っているものです。用途地域が住居系の住宅地域の場合、建蔽率や容積率、建物の高さの制限などがありますから隣地の建物の存在で著しく日照や通風が害されるケースは少ないと思います。

以前、北垂れの北側の土地建物を買った方から、空き地だった南側に家が建ってしまい1階の室内が真っ暗になってしまった、との話を聞いたことがありますが、隣地が空き地の不動産を買う場合は注意が必要です。

商業系地域の場合、隣地に高層の建物が建つ場合があり、日照や通風が阻害されるケースがよくあります。今まだ享受していた眺望も得られなくなし、私も日照権阻害影響を反映した鑑定評価書を書いたことがあります。

隣地に建物が建つ、また特に商業系用途地域の場合は居住権の方が尊重されるケースは少なく、裁判で隣地の建物の建築制限が認められた話は聞いたことがありませんが、実際はどうなのでしょうか。

最近、このような隣地建物による日照・通風阻害を訴える記事を見ますが、今後、居住者の訴えを認める判決がでるか興味深く見守りたいと思います。

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占有権のついた土地の鑑定評価

2020-08-19

占有権のついた土地の鑑定評価は、その使用権原が無権利であった場合、その占有者に専有物の撤去を請求費用分を控除した価格になるのが一般的な考え方になります。

先日、県道沿いに設置された所有者不明の大鳥居等を、市が強制代執行で撤去するとの記事を見ました。費用は約1100万円、建造物の規模等を考えると高いと思います。

この大鳥居、高さ約12mで確認申請不要であり、1975年の建てられたこと以外は不明、とのことです。県道等の官地に建っているのなら、建築時点に土地使用契約は結ばなかったのでしょうか。大鳥居という特殊な建造物で所有者不明、というのも不思議に感じました。

今回のような公道に鳥居や石柱、石灯篭などが建っているケースがありますが、どのような扱いになっているのでしょうか。一度、調べてみたいと思いました。

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定期借地権付きのマンションの鑑定評価

2020-08-07

マンション(区分所有建物及びその敷地)鑑定評価は、作業量が多く時間のかかることが多いです。そのマンション(区分所有建物及びその敷地)ですが、土地部分の使用権が所有権の共有持ち分である場合と定期借地権である場合があります。当然、所有権の方が強い権利ですし、定期借地権の場合、通常、解約期間の満了時には建物を解体し、更地にして返還することになるので、立地や建物の仕様等の条件が同じである場合、定期借地権付きのマンションの方が鑑定評価額は安いことが多いです。また、通常、区分建物の所有者は地代の支払い義務がある代わりに、固定資産税等の支払いは不要となります。

この定期借地権ですが、マンションの場合は契約期間が長期となることが多いですが、借地権の残存期間が短い場合は、その点を考慮した鑑定評価となります。但し、建物の状態も良く、地主が十分な地代を得ている場合などは、定期借地契約の契約期間が延長される可能性も否定できません。

地価上昇が続く昨今、事業用定期借地権で建てられた店舗など、契約満了時に終了しているケースが多いのですが、将来、契約満了時に経済環境が悪化している場合など、定期借地契約の契約期間が延長されるケースも出てくるのでは、と思います。

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