Archive for the ‘特殊な不動産’ Category

事故物件の家賃

2023-02-06

事故物件とは、過去に事件等何等かの問題があった不動産を言い、対象となる事故は、自殺や殺人など主に事件性のある人の死を指すことが多いです。忌み物件と言われることもあります。

事故物件、広義に言えば人の死に至る事件でなくても、強盗や放火などの犯罪が絡んだ不動産も含めてよいと思います。

事故物件の売買、土地建物であれば建物は解体されて更地売買になることが通常と考えられ、市場性減価はあまり問題になることはないかと思われます。

よく問題になるのはマンションなどの解体が困難な場合で、自殺者が出た物件の場合、市場相場の半値などと言われることが多いです。

先日、ネットで事故物件の賃貸の場合、家賃は類似物件の2割~3割安のことが多い、との記事を見ました。価格賃料との違いを考慮しれば、凡そ妥当な減価率だと思います。

事故物件、売買賃貸もそうですが、心理的瑕疵を気にする人はいくら安くても契約しませんし、気にならない人にはお得な物件であると言えます。

不動産鑑定評価の業務で、以前、自殺者と事故死者の出た物件を調査したことがあります。私は霊感は強い方ではありませんが、やはり異様な雰囲気を感じたのを覚えています。

事故物件、精神的に強い人以外、やはり手を出さない方が無難なのかもしれません。

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村を全ての売り出し価格

2022-11-13

日本でも過疎が進み、限界集落が社会問題化していますが、先日、スペインで村全体が売りに出された、との記事を見ました。

気になる価格は約3800万円、一般の方でも何とか手が出そうな価格となっています。

この村は1950年代ごろ、電力会社が貯水池を造る目的で開かれた村で、1980年代には廃村になった、とのことです。

残された建物はホテル、境界、公営プール、住宅等、荒れた建物が多く、インフラの整備も不十分であり、整備に多額の費用が掛かるため、お手頃な価格に設定されていると思われます。

ちなみにこの村を観光地に変えて利益が出るまでに持っていくには、200万ユーロ超(約2億8700万円)かかるとのこと。

さて、この廃村、買い手がつくでしょうか?興味深く見守りたいと思います。

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馬毛島の小中学校跡地の売却額

2022-09-15

基地移転を目的に政府の売却された馬毛島、その馬毛島で廃校になった小中学校の跡地が3370万円で売却される、との記事を見ました。

対象となる小中学校跡地の面積8853㎡、土地は固定資産税台帳、建物は公共施設の保険関係で使われる建物再調達価格基準建築単価表を用いて試算された価格、その合計額3226万円に約5%上乗せ価格をもって売却価格と決定したそうです。市有地であれば固定資産税の台帳価格はないと思いますが、周辺の民有地の台帳価格を基に試算したのでしょうか?

今回の学校跡地の売却額、今後、島内に残された市有地の売却の際の指標になっていくものと思われます。

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ハウステンボスの売却予想額

2022-07-28

先日、「ハウステンボスの売却額」でも書きましたが、売却の話が出ているハウステンボス、その総額が800億円規模では?との記事を見ました。500億円~700億円規模との予想でしたが、大きく上回る売却金額になりそうです。

このような大規模リゾートを鑑定評価する場合、広大な土地とそこに存するホテルなどの複数の施設が含まれるので難しい評価になります。過去、売却されたリゾートの価格なども参考にしたいところですが、売却時期によってはゼロ円、もしくは限りなくゼロ円に近いケースもあると考えられ、価格試算の参考となる適正な事例は少ないと思います。

ハウステンボス、コロナ禍で来園者が少ない中、購入者は今後どのように収益性を回復させるのか、注目して見守りたいと思います。

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河川敷に畑のお話

2022-07-26

河川の管理は通常、その所有者である国や県などが行っており、自動車学校などとして使用される場合、その所有者から許可を得てコースを設置することになります。

先日、名古屋市の名駅前の道路端を畑にしていることがニュースになりましたが、以前から河川敷を畑にしている光景を目にすることが多いです。当然、無権利者であれば不法占拠であり、所有者から撤去を求められれば応ずる必要があります。

但し、河川であっても民地であることもあり、堤外民地とよばれています。このような堤外民地、3号地とも呼ばれ河川区域内であり、建物等の建築はできませんが、既得権で集落を形成している地域もあります。

このような堤外民地であれば、当然、畑として利用することは可能ですが、増水時などにおいて危険であるため、建物の再建築は基本的に不可と考えられます。

以前は散見された堤外民地の取引、大規模な自然災害が多発する昨今、取引実態はあるのでしょうか?興味深く思いました。

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木造の高層ビル

2022-07-10

最近、木造の高層ビルが増えています。建築技術の向上で耐震性や耐火性能の問題をクリアできたたことが理由のようです。また、環境負荷の低減効果も大きく、解体・廃棄の際のco2も従来より削減されるとのことです。

建築技術の向上は目覚ましく、木造の高層ビル以外でも以前は建てられなかった奇抜な形や窓の大きい建物が建築可能になった、と聞いたことがあります。

この木造の高層ビル、デメリットは建築コストで同等の性能をもつ4階建てS造の建物より建築費用は2割増しとのこと。また、昨今のウッドショックにより木材価格が高騰しており、需要は資金力のある法人に限定されるものと思われます。

記事には出ていませんが、鉄鋼で躯体を組むRC造やS造より耐久性は劣ると考えられます。従って長期的に見た場合、木造の高層ビルの方が建て替えのサイクルは短くなると思われます。

木造の高層ビル、今後普及していくか注目して見守りたいと思います。

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日本の無人島の価格

2022-07-08

先回、スコットランドの約3億円の島のことを書きましたが、昨日、歌手のさだまさしさんが無人島を2000万円で購入したとの記事をみました。

記事からは場所などの詳細は不明ですが、大改造してそこで休日を過ごされるそうです。

無人島、通常、人がいない島なので水道などのインフラはなく、生活するためには少なくとも水と移動手段としての船が必要となります。

2000万円という価格が安いか高いかはわかりませんが、何もないところから生活の場を造り上げる楽しみはあるのかな、とは思います。

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約3億円の島

2022-07-06

日本は島国と言われますが、中には個人が所有する小さな島もあり、実際、売買されるケースもあります。尖閣諸島や馬毛島も以前は個人が所有する島でした。

先日、ネットでスコットランドにある島が約2億9000万円で売りに出された、との記事を見ました。17世紀に建てられた邸宅やクジラの標本、その他の建物も含まれた価格だそうです。

ちなみにこの島はスコットランドの本土から約160km離れており、その島に出入りするためには船、飛行機などの移動手段として持っていることが条件になりそうです。

記事によると、発電機、浄水などの設備が備えられており、生活に支障はないとのことですが、さて、この島を購入する人はいるのでしょうか?実際の売買価格はいくらになるでしょうか?興味は尽きません。

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店舗付住居の鑑定評価

2022-06-28

私が子供の頃、近所の商店街や路線沿いには連棟式の店舗付住居が沢山建っていて、そのお店でお買い物や食事をしたものです。内階段を使って店舗と住居を行き来するのが一般的で、お店の入口が玄関、又は家族は勝手口から出入りしていました。

個人商店の減少に伴い、店舗付住居も少なくなってきましたが、最近、店舗付住居が増えている、との記事を見ました。その記事では、そのような物件を「小商い物件」と呼んでいました。

このような店舗付物件の鑑定評価は、原価法、取引事例比較法を適用して価格を求めることになりますが、重視すべき価格の判断に迷うことが多いです。収益物件であり高めの賃料が設定されるのが通常ですが、競争力が弱い物件などでは専用住居に近い賃料であることも多く、収益価格は低めに試算される傾向があります。

このような場合は、所有者自ら店舗及び住居として使用することが一般的と判断し、積算価格を重視して鑑定評価額が決まると考えられます。

ちなみに私の事務所も2階、3階が住居となっており、今、流行りの小商い物件です。

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再建築不可物件の鑑定評価

2022-05-22

再建築不可物件とは、建築基準法施行以前に建てられた既存の建物が現行法の建築要件を満たしておらず、既存の建物を取り壊して再建築が出来ない不動産を言い、接道要件不足やがけ地などに建つ物件が上げられます。

旗竿地や無道路地など、建築基準法上の道路に2m以上接面していない土地の鑑定評価は、道路用地を買収して接道要件を満たすことは理論上可能であるため、計算式によって減価額を求めることも可能です。また、がけ地の場合、現行の擁壁を取り壊して再構築することで建築許可が下りる場合は、それらに要する費用を土地価格から控除して鑑定評価額を求めることになります。

また、接面道路が建築基準法上の道路以外の道である場合、例えば昔からある長屋のような建物で、細い私道の奥にある土地などの場合、再建築は極めて困難となります。

このような不動産を鑑定評価する場合、建物の継続利用が可能な場合は建物の耐用年数を判定し、有期還元による収益還元法による収益価格を重視して鑑定評価額を決定することになると思われます。

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