Archive for the ‘特殊な土地の評価’ Category

線路の横の土地の鑑定評価

2020-08-06

最近は高架上を通ることが多くなった鉄道ですが、市街地から離れた地域では線路の横に家が建っていることがあります。私の子供の頃住んでいた地域も、名鉄線の線路が通っていて、その線路横に家が建っていました。

線路の横に問題としては、騒音や振動などがありますし、踏切が近い場合などは警報機の音なども気になりそうです。私は遭遇したことはありませんが、線路の横の土地鑑定評価に当たっては、何等かの減価が生じることになると思います。

電車マニアなどを除いて、あえて線路の横に住もうという人は少ないと思いますが、RC造などにして振動を抑える、防音窓にして騒音を抑える、などの工夫をして快適に生活することは可能かもしれません。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

がけ地を含む土地の鑑定評価

2020-08-04

先日の大雨は全国に大きな被害をもたらしましたが、がけ地の斜面を支える擁壁が崩れる被害も相次ぎました。

京都で崩落したがけ地の擁壁は、約50年前に造成された住宅団地の端で、玉石済みの上にコンクリートブロックの積み増しで、長年、基礎に負担が掛かっていたようです。水抜き穴もなく違法建築の可能性が高く、工事時期も不明、今回の大雨で崩落が起きました。

崩落が起きた地域は都市計画区域外、宅地造成区域外であり造成許可も不要、建築確認申請も行っていないと思われます。

がけ地を含む土地鑑定評価は、そのがけ割合やがけの傾斜度、擁壁があればその維持管理や補修の状態を調査して行います。今回のような違法の可能性の高い擁壁の場合、有効利用できる土地価格から既存擁壁を取り壊し費用及び、擁壁の再工事にかかる費用を控除して求めることになります。おそらく今回のケース、土地価格が低い場合、鑑定評価額もマイナスになると思われます。

がけ地の鑑定評価は、何件か遭遇しましたが、中々難しい評価になることが多いです。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

飛び地の鑑定評価額

2020-08-01

先日、ネットで東京都渋谷区と港区の境のある飛び地の記事を読みました。このケースは同じ東京都区部内の飛び地ですが、練馬区の西大泉町は、埼玉県新座市に囲まれた飛び地になります。

練馬区西大泉町の場合、県をまたいだ飛び地であり、上下水道をはじめ行政サービスを受ける際、解決する問題は出てくると思います。おそらく、費用負担することで、埼玉県新座市のサービスを受けることになると思います。

以前、私も飛び地の鑑定評価にあたり、問い合わせを受けたことがあります。大きな緑地公園で分断され、市をまたいだ飛び地でした。この土地は、現況、道路敷の緑地であり、上下水道はなし、共用をうけることも難しい土地でした。飛び地の解消を目的とした公共の買収でしたが、土地面積も狭く、妥当な鑑定評価額が付けられていたと思いました。

また、名古屋市ですと市街地の中に区界がある地域がありますが、商業地鑑定評価の場合、需要者である法人の選好性を考慮し行政間格差をつけることもあります。法人は、営業上、所在地にもこだわりますから。

飛び地の鑑定評価、やはり難しい評価になることは間違いなさそうです。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

郊外ショッピングモールの隣地の鑑定評価

2020-07-29

休日はショッピングモールで買い物するというスタイルが定着した日本、確かに、愛知県内でもイオンモールをはじめ沢山のショッピングモールができました。

特に区画整理事業地内など、新しい街にはショッピングモールができることが多く、周辺にもおしゃれな店舗などもでき、人気の住宅地域になることが多いです。

このショッピングモール隣のマンションに価値なし、との記事を見ました。このような住宅地域はいずれ人気が廃れて人口が減り、また、ショッピングモールが建つような商業地域は住むのに適さない、というのが理由のようです。確かに、休日は人と車の往来に悩まされることになりそうです。

不動産の鑑定評価を行う際、最有効使用に基づく価格を求めることになります。郊外ショッピングモール隣の土地の最有効使用、駅距離、前面道路、容積率・建蔽率、さらには土地の規模や形状から判断することになりますが、マンションを最有効使用とした場合、将来的なことを考えると需要は弱くなるのかもしれません。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

豊洲用地訴訟の鑑定評価額

2020-07-24

先日、東京都豊洲移転用地訴訟の東京地裁判決がでました。結果は、割高購入は認定したものの、土地の取得は不合理ではなく、住民敗訴でした。

今回、東京都の購入費(取得価格)が約578億円、裁判官は、正常価格は購入費から土壌汚染対策費を引いた額、取得価格は134億円高かったと認定しました。正常価格は約444億円、但し、取得価格との差額が3割程度なので不当な高値ではない、という判断のようです。

不動産の鑑定評価額の高値上限は3割程度まで、という指標と示した今回の判決、今後の用地買収における鑑定評価に影響を与えそうです。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

埋蔵文化財の埋まっている土地の鑑定評価

2020-07-23

土地鑑定評価を行う場合、遺跡など埋蔵文化財が埋まっているか否かの地歴調査を行いますが、不動産鑑定士の調査では実際に試掘するわけではなく、市町村の教育委員会などが持っている遺跡マップにて調べることになります。

私も、過去何度かこのような鑑定評価に遭遇したことがありますが、対象地や隣接地、周辺などで試掘・本掘の記録があるか、又は実際に土器などが発見されたかなどを調査しすることになります。

少し前ですが、長崎県の県庁跡地の発掘調査で石垣群が姿を現したそうです。県庁跡地ですので、おそらく事業主体は長崎県だったと思いますが、もし、民間の事業者だった場合、本掘費用は事業者負担になるので大変な負担になります。私が学生だった頃、読売新聞中部本社の社屋で織田家の遺跡が発見され、社屋の建て直しにお金と時間が掛かったと聞いたことがあります。

埋蔵文化財、遺跡として残すことも大切ですが、事業者の負担も軽くする制度を検討すべきだと思いました。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

お寺の鑑定評価額

2020-07-14

先日、ネットでお寺を買う富裕層が増えている、との記事を見ました。お寺は全国に約7万4千件程、その内住職のいない空き寺は1万~2万件だそうです。かなりの数ですが、人口減及び檀家の高齢化などでお寺の経営も楽ではないようです。

そのお寺を買うにあたっての価格ですが、お寺を鑑定評価する場合、宗教施設として継続使用するのか、他の用途(簡易宿泊所や合宿所など)に利用するかで価格の種類が違ってきます。前者の場合は特殊価格(一般的に「市場性を有しない」不動産経済価値を表す価格)、後者の場合には通常の市場価値を有する価格、正常価格を求めることになります。今回のようなビジネス目的の売買の場合は、正常価格として鑑定評価額を決定することになると思います。

お寺の鑑定評価は私も遭遇したことはありませんが、以前、境内地(お寺の境内の土地の一部)を鑑定評価したことはあります。そこはとても大きなお寺の一部で、本堂などの修繕を行う大工さんなどの宿舎として使われていた土地でした。また、知り合いの不動産鑑定士さんは、実際のお城を鑑定評価したそうです。

お寺を利用したビジネスモデル、まだ普及していませんが今後増えていくかもしれません。

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山の鑑定評価額

2020-07-12

山の鑑定評価を行う際は、取引事例比較法(比準価格)と収益還元法(林地希望価方式・収益価格)を求めて鑑定評価額を決定することになります。但し、収益価格は収益性から価格を求める手法であり、1.その土地(山)の立木の種類(檜、赤松等)、2.傾斜度や伐採した際に運搬できる道路の有無、によっては十分な収益を確保することが難しく、収益価格はマイナスになることが多いと思われます。

先日、ある芸能人の方が、群馬県にキャンプ専用の山を購入したとの記事をみました。場所は都心から3時間以内、広さは455坪(約1500㎡)、プライベートのキャンプ場としては手ごろな広さだと思います。気になる価格は104万6000円、本当にキャンプの好きな方なら手の届く範囲だと思います。ちなみにこの土地は水道、電気、ガスはなく、固定資産税も380円とのことです。

但し、山は手を入れないと荒れていくので、固定資産税以外の費用も少しはかかるかな、とは思いますが、キャンプが大好きとのこと、有意義な買い物だったのではないでしょうか。

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境界のわからない土地の鑑定評価

2020-07-06

土地の鑑定評価を行う場合、まず、依頼者から頂いた書類などをもとに対象不動産の確定を行います。そのために、実際に現地に行って境界杭などの調査を行いますが、市街地の場合、擁壁などの下に埋まっていることが多く境界杭を確認できることは多くはないです。

以前、かなり広い中学校の敷地を鑑定評価した際、校庭など学校敷地以外の道路なども含まれていることが分かり、その際は境界について条件をつけて鑑定評価を行いました。また、係争中であったため、公図に地番ごとの境界線がひかれておらず、他の方法で対象不動産を確定したこともありました。

先日、有名芸能人の自宅が越境しており、越境部分にある擁壁を取り壊すことになったとの記事を見ました。1筆だった土地を分筆し、その芸能人と隣地所有者が購入、越境し擁壁設置、建物建築に至ったようです。

土地を分筆する場合、土地家屋調査士の方が測量後、関係者の立ち合いものと境界杭を設置し、建物を設計する建築士もその際作成された地積測量図をもとに図面を引くのが普通なので、通常、今回のような越境はあり得ないのですが。

今回のケース、弁護士同士の話し合いになっているようですが、責任の所在はどこのあるのでしょうか?興味深いところです。

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保育園は鑑定評価で嫌悪施設になるか?

2020-06-24

先日、お世話になっている方から保育園のことで相談を受けました。内容は、仕事場付住居の近くに保育園の設置が予定されており、その反対運動についてでした。反対者の話では、保育園の設置で地価が10%下がったとの統計がある、との主旨でした。

ちなみに、私は地価が10%下がることは大変なことで、余程の嫌悪施設(火葬場など)が設置された場合だと考えています。おそらく、この反対者の方は、財産評価基準の「著しく利用価値を減じた土地」について10%減額を認める、の文言を引用したのでは、と思います。

以前、小学校の隣の土地建物を鑑定評価したことがありますが、減価はなしと判断しました。子供の声は日中の限られた時間内であり、近隣に悪影響を及ぼすとは考えにくいことが理由です。ちなみに、地価公示などでは、小学校が近いと増加要因なります。

先日、東京都練馬区の保育園の近隣住民が騒音差し止めと損害賠償の請求訴訟で、東京地裁は「騒音は我慢の範囲内」と請求を棄却した記事が出ていました。園側の騒音レベルを抑制する努力も評価したようです。

保育園は、園児の声以外にも、父兄の送り迎えの車の迷惑駐車などの問題はあると思いますが、これは保育園以外でもありえる事象であり、減価は難しいと思います。

但し、鑑定評価は地域性などを個別に判断することになるので、保育園の規模や時間なども考慮して価格は決定することになります。

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