Archive for the ‘不動産のお話’ Category
川の中州にある民家
河川区域には1号地(流水地)、2号地(護岸)、3号地(堤外地)があり、堤外地であれば原則、民地であっても建物を建築することはできません。但し、既得権で堤外地に家が建っているケースがあります。
先日、川の中州に民家、との記事を見ました。川の流水地の中に中州があって、水門と民家があるそうです。川の中の小さな島のようにも見えます。
記事によれば、水門は昭和59年の設置だそうですが、300年以上前から民家は建っていたそうです。
私も以前、堤外民地の鑑定評価をしたことがありますし、ダムの護岸に集落があり民家を建てて人が住んでいるケースに遭遇したことがありますが、川の中州(島)に民家があるケースは全国的にも珍しいと思います。
愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」
今後の不動産価格動向
都心部を中心に、主要都市や観光地の地価の上昇が続いていますが、今後の不動産価格動向はどのようになっていくでしょうか?
一般的な世帯の給与が伸びない中での物価上昇、金利上昇懸念の中、主に都市部の住宅地の需要が増えているには理由がありそうです。
先日、不動産情報サイト「ノムコム」が実施したアンケート結果によると、今後、不動産価格がどうなるかという問いに対して、「上がると思う」が42.0%、「下がると思う」が17.9%、「横ばいだと思う」が29.7%となりました。価格が上がる予想が下がる予想にダブルスコア超となり、横ばいを含めると今後の不動産市場に楽観的な予想をする人が多いことがわかります。
現在、住宅購入を検討している人は、おそらく、不動産価格はこれからも上昇を続けるので、買えるうちに買っておこう、という思いなのかもしれません。
かって経験したことのない金融緩和が続いた日本、経済が不況局面に入りつつある中、不動産の価格が上昇するのかそれとも下がるのか、予想はとても難しいです。
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ボブ・デュランの隠れ家の価格
自宅とは別に所有する住居は別荘と言われることが多いですが、このような別宅を隠れ家、ということもあります。
隠れ家を持つことに憧れる人は結構いて、私も趣味を楽しんだりする隠れ家が欲しいと思っている一人です。
先日、歌手でありノーベル文学賞受賞者であるボブ・デュランが所有していた別荘が約5億5000万円で売りに出された、との記事を見ました。
場所はイギリスのスコットランドにあり、1911年~15年にかけて建てられた歴史のある建物と、広大な敷地になります。この建物は大幅な改修がなされており、コロナ禍前までボブ・デュランが数週間過ごしたと書かれており、大規模な修繕は必要なさそうです。
5億5000万円の隠れ家、中の調度品もすばらしく、宿泊施設などとしても利用できそうです。さて、実際の売買価格はいくらになるのか、とても興味深いです。
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新築マンションの極小化
地価や建築資材の高騰が続く中、購入者の支払総額を抑えるため、延床面積の極小化が進んでいます。
少し前までは、戸建住宅であれば100㎡未満のものは狭い印象を受けていましたが、最近は3階建てで75㎡程度の戸建住宅も出てきました。
家族向けマンションの場合、80㎡程度が標準的と思っていましたが、70㎡未満のマンションが増えてきました。この広さだと、戸数を増やしたい賃貸マンションと同じような間取りになってくると思います。
先日、京都市の新築マンションの平均面積が60.3㎡、との記事を見ました。この広さだと間取りは2LDKでしょうか、家族4人だとかなり窮屈な広さになります。
今後、下がる気配のない地価と建築資材価格、延面積はどこかで下げ止まるでしょうが、下げ止まった分、マンション価格も上昇していくと思われます。
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テレワークとオフィス回帰
テレワークの普及によりオフィス価格が下落すると予想する声が聞こえる中、テレワーク実施率が15.5%をコロナ禍以降、最低となった、との記事をみました。特に大企業の低下が目立ったそうです。
テレワークは自宅やカフェなど、PCやZOOM環境があれば会社以外でも仕事ができるメリットがありますが、緊張感を欠いた業務になる危険性があり、生産性が落ちるとの指摘もありました。
海外ではスタンダードになりつつあるテレワーク、日本では以前と同じように出社による業務に戻ることにより、当面はオフィスビルが余剰となる心配はなさそうです。
海外ではスタンダードになりつつあるテレワーク、国民性の違いからか、日本には馴染まないのかな、と思います。
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駅前一等地に平面駐車場
駅前の土地は利便性に優れ、特に容積率などから高度利用が可能な土地であれば収益性に優れた高層建築物が建てられることが多いです。
高層建築物を建てるには土地の価格に加えて建物の建築費が必要になりますが、アベノミクスが始まったことから建築費が上がり続け、都心の一等地であってもコインパーキングなどとして一時利用される土地が増え始めました。
このような土地の所有者は、建築費が下がることを期待していたのかもしれませんが、その後のウッドショックやウクライナ危機、円安による建築資材の高騰により、下がる見込みは薄いと判断したのか、建築ボリュームを下げた建物が増えたように感じます。
先日、神戸市元町の駅前一等地が平面駐車場、との記事をみました。県有地であり、広さ約2200㎡、評価額は16億8000万円だそうです。
今後、この土地がどのように使われるかは不明ですが、高騰した建築費の問題を解決し、駅前一等地に見合った再開発計画が行われるか注目したいと思います。
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緑地の有無と不動産価格
大規模地の開発を行う場合、自治体が定める開発指導要綱によって公園などの設置義務が規定されていますが、新たな街づくりに近いような規模の開発ですと、街並みをよくするため緑地が設けられている場合があります。
先日、静岡県にある市が本来売却不可の市有地を開発業者に売却し、買い戻しを求めた市に約2億6000万円の損害賠償を求めた事件の判決記事を見ました。
1審は市への土地返還に対し開発業者へ3500万円の支払いを命ずる判決でしたが、2審は土地代金約1000万円を含め4400万円の支払いと命じました。
2審の判決によると、3400万円が開発業者が土地返還によって被った損害額となりますが、土地代金を大きく上回る損害額、どのように試算したのか興味深く思います。
2審の判決では損害額の増額が認められていますが、地価の上昇分なども考慮されたのかもしれません。
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そごう・西武百貨店の売却価格
現在はセブン&アイ・ホールディングスの傘下にある旧そごう・西武百貨店の売却価格が2100億円との記事を見ました。企業価値2500億円に純有利子負債などを調整し、この価格になったようです。
旧来の百貨店の多くは、都心の駅前の一等地に立地しており、企業価値2500億円の大部分は土地の価値だと考えられます。
個人の消費形態が変わり、特にインバウンド需要が見込めない地域の百貨店は苦戦していますが、老舗の百貨店やホテルなどが外資に買われるニュースは今後、度々出てくると思われます。
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リモートワークとオフィス価格
大手企業を中心にコロナ禍において普及したリモートワーク、働き方はもちろん生活スタイルにまで大きな影響を与えました。
在宅時間が増えたことにより、仕事や娯楽などを自宅で快適に過ごす方法が提案されました。代表的な娯楽として家飲みやZOOM飲み会があげられます。
先日、アメリカのあるシンクタンクがリモートワークがこのまま進めば、オフィスビルは8000億ドル(日本円で約112兆円)の損失を被る可能性を指摘する記事を見ました。この記事によると、2030年までに26%減、最悪42%減になると予測しています。
このオフィスビルが被る損失は、空室率の上昇による賃料下落、そして価格の下落、暴落を指すと考えられます。
首都圏はもちろん都市部で現在も進むオフィスビル建築、この悲観的な予測が現実となった時、不動産市場は大混乱となることが予想されます。
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旗竿地の間口の歴史
旗竿地とは読んで字のごとく、「旗竿の形をした土地」であり、袋地や敷延、延敷(延長敷地の略のようです)と呼ばれることもあります。
旗竿地の多くは、路地状部分が駐車場、その奥が建物敷地となるのが一般的ですが、建物建築には建築基準法上の道路に2m以上接面する必要があります。
不動産鑑定評価をしていると、古いミニ開発地などでは、間口が1.8mの旗竿地を見かけることがありますが、日本が以前、メートル法ではなく尺貫法であったころの名残です。現行法では再建築が出来ませんが、最近は自治体によっては条件付きで再建築を認めるところも出てきたと聞いたことがあります。
少し前に区画割された旗竿地の場合、2.5m程度の間口の土地が多いですが、駐車場の多くが幅2.5mであるように、路地状部分を駐車場として利用することを意識して決めたと考えられます。
最近は、3.0mを超える間口の旗竿地が多くなった印象ですが、車が大型化し、駐車スペース+通路を確保するために広くなったのだと思います。
先日、間口2.7m、縦17mの土地に3階建ての家を建てた方の記事を見ましたが、間口はほぼ駐車場の幅、キャンピングカーを3階建てにした感じなのでしょうか?
キャンピングカーはスペースに制約がある分、機能的に造られており、間口2.7mの家もきっと機能的な住みやすい家なのだと思います。
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