Archive for the ‘不動産の価格’ Category
新築戸建住宅の建築費単価
建築資材の高騰により建築費が上がり続けています。ある不動産業者さんの話では、戸建住宅の建築費総額は昨年より約500万円上昇しているとのことです。
戸建住宅の建築費を比べる際、よく坪や㎡当たりの建築費を用いることが多いのですが、先日、ネットでハウスメーカーごとの建築費を載せた記事を見ました。この記事によれば、
パワービルダーと呼ばれるローコストハウスメーカー:坪30万円~50万円
地場の工務店などの中堅ハウスメーカー:坪50万円~70万円
大手ハウスメーカー:坪70万円、だそうです。
また2021年度の大手ハウスメーカーの坪あたり単価が載っており、1位の三井ホームから4位の住友林業までが坪100万円超えとなっていました。
私がこの仕事を始めたころ、木造住宅の場合坪50万円が一つの目安となっていましたが、パワービルダー系住宅の普及と大手ハウスメーカーの高級化により、建築費の差が約3倍になりました。
今後も建築費の高止まりが続くと予想されますが、この建築費の高騰が不動産市場や地価へどのような影響を与えるか注視したいと思います。
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名東区の大規模新築マンションの価格
マンション価格の高騰が続く中、名古屋市名東区に大規模な新築マンションが開発されました。
「プレミスト藤が丘」は、サンプラザという複合施設の跡地を開発したもので、名東区内でも人気のエリアである地下鉄東山線藤が丘駅最寄りであることが最大の売りのようです。
気になる価格は4000万円台が中心、5000万円超えが当たり前になった新築マンション市場のおいて、十分値頃感は感じられる価格となっています。
また、基幹バスの利便性もよく、名古屋市中心部へのアクセスが2系統あるもの強みとなっています。
中学校区は旧来から人気のある藤森中学校、名東区の住宅地を探す世帯は学校区の選好性が強く、これもメリットになると思います。
気になる点と言えば、藤が丘駅まで徒歩で約12分~15分、駅近物件の人気が年々高まりつつあり、資産性はあまり高くないかもしれません。
あと、立地が名東区の北西端に位置し、東山線沿線特有のおしゃれ感は少し劣る印象です。
最後に4000万円台という価格設定が高いか安いか、ですが、大手ハウスメーカーが開発したマンションであるという安心感や学校区、駅距離や環境などを考えると、概ね妥当な価格なのかな、と思います。
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地盤と不動産価格との関係
地盤は土地上の建物を支える土台となるものであり、堅固な高層の建物を建てるには、ある程度の地盤の固さは必要となります。
地盤の緩い土地にも建物を建てることはできますが、表層改良が必要であったり、建物を支えるパイルを地下深くに打ち込む必要があったりと通常の建築費に加えてさらに費用が掛かることになります。
地盤が強いと高層建物を建てやすくなりますし、地震などの災害においても建物倒壊のリスクが少なくなることから、地価は高くなる傾向があります。
先日、高層ビルが密集するアメリカニューヨーク市の一部が地盤低下している、との記事を見ました。超高層ビルの重さが理由のようです。
地下水のくみ上げ過ぎで地盤低下した話はよく聞きますが、ビルの重さが地盤低下を発生させる、考えられる理由だとと思います。
日本でも都心部で高層ビルが密集する地域がありますが、今後、地盤低下が問題になるかもしれません。
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新築と中古不動産の価格予想
不動産市場の今後を予想することは、株価の予想と同じように難しいと言えます。特に、物価が上昇し、金利の上層懸念が広がる中、楽観的な予測が難しいと言えます。
一方で、長期に及ぶ金融緩和により、行き場を失った資金が不動産市場に流れ、投資物件など高額での取引が見られる状況が続いています。
先日、不動産の市場予測について書かれた記事に、新築戸建住宅と新築マンションの値上がりは続き、土地価格と中古住宅は3か月後に下落の可能性?と書かれていました。新築不動産については、土地や建築費の上昇が高止まりし、下がる要因が見つからないことが要因と考えられますが、中古不動産については、ここ最近の価格上昇により、買い得感が薄れたことが要因のようです。
明日のことがわからないように、3か月後の不動産市場を予想することは難しいですが、不動産業界関係者による聞き取り結果から分析した予想とのこと、興味深く結果を見守りたいと思います。
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鑑定評価額を上回る売買価格
不動産の鑑定評価によって求める鑑定評価額は、特別な場合を除き、市場価格(実勢価格)=正常価格=時価を求めることになっています。
但し、不動産を実際に売買を行う場合など、時価と鑑定評価額との乖離が発生する時があり、不動産価格の上昇、下落が激しいときなど、鑑定評価額が実勢価格に追い付かない場合などがあげられます。
また、投資物件などの鑑定評価を行う場合、将来の予測などを慎重に判断した結果、保守的な価格が求められ、実勢価格を下回ることもあります。
先日、奈良県の市が公用地を購入した際、その購入価格が鑑定評価額の3倍超であった、との記事を見ました。その経緯は不明ですが、地方の都市で、実勢価格が鑑定評価額の3倍というのはやはり乖離が大きすぎると思います。
鑑定評価額は国土交通省が定めた鑑定評価基準に則って求められた価格であり、手順を守って試算作業を行えば、実勢価格から大きく逸脱することはありません。公共の土地購入で鑑定評価額が低すぎたとは考えにくく、やはり、購入価格が異常な高値であったと考えられます。
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人口と不動産価格との関係
人口と不動産価格は密接な関係があって、人口が増えている地域は不動産需要も多く、価格は上昇し、逆に人口が減っている地域の不動産価格は下がる傾向にあります。
この理屈は、都市部の地価上昇と地方の過疎地の地価下落でも説明できると思います。
ネット記事で、愛知県の人口減少が緩やかである理由として、トヨタ自動車関連企業の存在とこれら企業の多い西三河地域の出生率の高さが理由、との記事を見ました。確かに愛知県の西三河地方はバブル崩壊以後、一時期を除きほぼ一貫して地価は上昇しています。
愛知県の西三河地域以外でも、名古屋市や豊田市に隣接する市町は地価が上昇しており、トヨタ自動車の恩恵に与れる地域とそれ以外の地域との格差が生じているのが実際のところです。
先日、中国でEV車が普及し、日本製の自動車の販売台数が激減しているとの記事を見ましたが、トヨタ自動車で持っている感のある日本経済、そして愛知県の経済がどうなっていくか不安視する声もあります。
この心配が現実になった時、愛知県の人口、そして好景気が続く愛知県の経済、そして愛知県全体が衰退に入ることになるのかもしれません。
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バブル末期と現在のマイホーム市場
地価と建築費の高騰で、都市部の住宅地の価格が高騰しています。特に東京を中心とする首都圏の地価は上昇しているエリアが多く、一般的なサラリーマンでは東京都区内でのマイホーム購入が難しい状況となっています。
先日、ネットで首都圏でマイホームを探している方の記事を見ました。最初は区内で探した物件は、延床面積80㎡程度で8000万円を超える価格だったそうです。その後、埼玉県内で探し始め、大宮市内、ここも総額5000万円台で断念、最終的に上尾市で住宅を購入したそうです。
実はこのお話と同じことが、バブル期にも起きていました。ある本で読んだのですが、バブル期末期、首都圏でマイホームを探した方が、同じように区内から探し始め、予算の都合から上尾市で住宅を購入したという話でした。
現在の不動産価格上昇は、バブル期末期の駆け込み需要による価格上昇と似ていると思います。金利が安く、地価と建築費が上がり過ぎる前に買っておこうという購入者の心理、今ここで勝っておかないと一生マイホームを持てない、と言った恐怖感が不動産バブルの原因の一つになっていると思います。
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不動産の無い高のお話
不動産に限らず、物の価格は需要と供給で決まると言われており、需要>供給であれば価格は上がり、逆であれば価格は下がります。
現在の不動産市場をみても、金融緩和でお金が余っており、都心部の不動産は需要過多となっているため、不動産の価格も上がっていると考えられます。
一方、地方では人口減少で供給が増え、需要が少ないため不動産の価格は下がっていくことになります。
地方であっても、一定の需要があるにも関わらず、供給が少ない地域では、不動産価格が下がらず、いわゆる無い高と呼ばれることがあります。名古屋圏ですと、岐阜県の高山市は無い高の地域と言われていました。
先日、広島県呉市の家賃が高い、との記事を見ましたが、呉市は平地が少なく、不動産の供給が少ないことが家賃の高い理由と考えられます。
不動産、特に土地は需要に応じて供給を増やすことが難しく、地価は需要の強弱で決まる傾向が強いと考えられます。
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地価と建築費高騰のマイホームへの影響
日本の地価は戦後、一貫して上がり続け、バブル経済の崩壊により大幅に価格が下落して以降、何度かのミニバブルやリーンマンションなどを経て、上がったり下がったりしてきました。
その後、アベノミクスによる金融緩和により都心部の地価は上昇が続き、ここに来ての建築費の上昇により、マイホーム購入希望者には厳しい時代となっています。
先日、全国の自宅購入希望者に調査した結果、約6割が地価の高騰がマイホーム購入に影響した、とのことでした。予算が限られているとすると、1.敷地面積を狭くする、2.地価の安いところで土地を探す、3.建物の延面積を狭くする、4.施工の質や量を落とし、建築費を探す、などの方法を取ったと考えられます。
最近は狭小戸建住宅といわれる、庭のない3階建ての住宅や、家族向けマンションであっても、延面積が70㎡未満の物件が多くなっていますが、地価と建築費の高騰の影響であることは間違いありません。
この記事によれば、8割以上の人が中古住宅のリノベーションに前向きであると書かれていますが、リノベーション工事費も上がっており、安易な選択は注意が必要かと思います。
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高低差のある土地の鑑定評価
市街地の鑑定評価の場合、高低差は等高か+1m程度のものが多く、特に格差率で差をつけることはありませんが、GLからマイナスの土地はもちろんプラスであっても2mを超えるような高さの土地は減価することになります。
高さがマイナスの土地は、大雨の際、水が溜まったり、日照や通風の確保でも劣り、道路への出入りも難儀なため、減価は当然ともいえますが、その減価の算定として、等高の土地を標準とした場合、同じ高さの土地にするために要する造成費分を引くという方法をとることもあります。
高低がプラスの土地の場合、水の侵入を防げたりして良い面もありますが、高すぎる土地は擁壁の設置にお金がかかったり、土地上の建物の建築費が割高になったりとマイナスの面もあり、やはり減価の対象となることが多いです。
また、最近は、高齢化社会が進み、上り下りに苦労する地域や土地の価格が下がり気味であるという特徴もあげられます。
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