Archive for the ‘特殊な不動産’ Category
軟弱地盤の土地の鑑定評価
土地は通常、建物等を建築することで有効利用できるものであり、そのためには地盤が固い方が望ましいです。
地盤が軟弱な土地、例えば田地や海岸、湖沼などの埋め立て地は、地震などで建物が倒壊したり傾いたりするリスクが高い上に、埋め立てを行っても下から湿気が上がってきて、建物の老朽化を早めることも多いそうです。
このような軟弱地盤の土地は、表層改良を行ったり、石やコンクリートを埋めたり、コンクリートを張ったり、地中にパイルを打ち込んだりして土壌を固めることになりますが、当然、費用が掛かることになり、鑑定評価を行う場合、改良工事にかかる費用を土地の価格から控除して鑑定評価額は決定されます。
先日、大阪にIR予定地が軟弱地盤であり、土壌も汚染されている、との記事を見ました。土壌汚染対策委は約790億円、膨大な金額となりました。
これほどまでの費用をかけて計画されるIR、それに見合う収益が上がるということだと思います。
世界的に成功例があるからでしょうか、IR誘致に自治体が誘致に鎬を削る理由がわかります。
愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」
ボートハウスのお話
人は陸上で生活することが殆どで、土地の上に建てられた住居で生活することが一般的ですが、世界には水上、船の中で生活している人もいます。小説などを読むと、日本でも河川にて船上生活をしていた人が出てくるシーンがあります。
この船上生活、フランスのパリにあるセーヌ川では、大富豪がプール付きの豪華ヨットで暮らしていると聞いたことがありますし、香港などでは陸上での住居費が高額なため、船上生活をしている人もいます。
先日、カナダのトロントの湖畔にてボートハウス生活している人の記事を見ました。カナダも土地の値段が高く、マリーナの使用料を考えても船上生活の方が費用が安いそうです。
地価の上昇が続いていますが、今回のカナダのケースのように日本でも船上生活する人のためのマリーナ設備の建設が増えていくかもしれません。
愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」
反社会的勢力の事務所が売却
日本各地に存在する反社会的勢力の事務所、その中でも東京にある巨大組織の旧本部事務所のビルが売却された、との記事を見ました。
地上9階、地下1階建のこのビル、売買価格は不明ですが、この記事によると40億円程度の価値と推測されます。売買後の用途も不明ですが、おそらく解体されて新建物が建つと予想されます。
反社会的勢力の事務所がある地域の周辺は地価が上がらないと言われることが多いですが、今回の売却で、周辺の地価の上昇が期待されます。
ちなみに地元の方によれば、このビル周辺は以前から治安が良く、事務所の存在による住環境への影響はなかったそうです。
愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」
建築費高騰と工法の変更
建築資材の高騰により、予定された建築物の施工業者が決まらないニュースが続いています。
2025年に開催予定の大阪万博、出展するテーマ館の入札が不成立で、予定価格を2億8000万円引き上げた、との記事を見ました。予定価格が12億6000万円となりました。
テーマ館の工法も一部変更されており、屋根の簡素化や間仕切り数の減少に加えて、基礎工事を木造から鉄筋コンクリートに変更したそうです。ウッドショックによる木材価格高騰の影響でしょうか。
建築工法ごとの建築費、鉄筋コンクリート造>鉄骨造>木造という順番になるのが一般的ですが、最近は鉄骨と木材の価格上昇が激しく、価格差が少なくなっている印象です。
特に今回のテーマ館の基礎工事、コストを減らす目的での工法変更と考えられますが、どの程度のコスト減になるのか気になるところです。
愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」
相撲部屋の土地建物価格
先日、旧相撲部屋がちゃんこ屋さんになったニュースを書きましたが、相撲部屋のような特殊な不動産、鑑定評価する場合、中々難しい評価になるようです。
この相撲部屋の土地建物、過去、旧親方から新親方に売買される話があったそうですが、価格が折り合わず、売買を断念したとの記事をみました。特に建物価格への投資額と市場価値との乖離が発生したのだと思います。
相撲部屋に限らずと特殊な用途を目的に造られた不動産の鑑定評価は難しく、依頼目的なども考慮し鑑定評価額を決定することになると思います。
この旧相撲部屋の売買の際、双方の希望する価格の乖離がどの程度であったか不明ですが、売買が不成立だったことを考えると、お互いが歩み寄れる範囲内ではなかったことは事実のようです。
愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」
不動産の転用のお話
土地建物の不動産売買の場合、買い手は、⓵建物を取り壊して、更地化後、新たな建物を建築して利用する、②現況又はリフォームして土地建物をそのまま使用する、②建物を他の用途に使うことを前提に、大規模なリノベーションを行う、など使用方法が考えられます。
売買の対象となる建物が老朽化していたり陳腐化している場合は取り壊すことが最有効となるケースが殆どですが、建物の継続使用が可能な場合、取り壊しか再利用かの判断が難しいこともあります。
先日、旧相撲部屋がちゃんこ屋に生まれ変わった、との記事を見ました。相撲部屋はけいこ場があったりと特殊な造りになっているので、大規模なリノベーションなしで建物を他の用途に転用は難しいと思いますが、ちゃんこ屋さんならそのまま利用できますね。
もし自分が相撲部屋の鑑定評価をするとしたら、建物の状態にもよりますが、相撲部屋は沢山の力士たちが生活する場所なので、寮やシェアハウスなどへの転用を想定するかもしれません。
お相撲さんが作ったちゃんこはかなり美味しいと聞いたことがあります。私も是非一度食べてみたいです。
愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」
土地の価格を上回る解体費
築年を経た建物は老朽化が進んでいることが多く、又、経済的耐用年数を残している場合であったも、陳腐化や耐震性不足の場合などで建物が取り壊されるケースが増えています。
このような土地と建物を売買する場合、建物に価値はなく、解体費などを土地の価格から引いて鑑定評価額を決定することになります。
特に大規模な建物を含む不動産の場合、昨今の解体処分費の高騰により土地の価格を上回る解体費等が算出される可能性があります。
先日、宮崎県の温泉施設が解体される、との記事を見ました。解体費処分費の入札額は1億5400万円とのこと、やはり高額な金額となりました。
所有するしは、解体後の更地に新たな温泉施設を建設し営業再開予定とのことですが、もし、更地化した土地を売却した場合、いくらになるのか興味深いです。
愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」
3Dプリント住宅の価格
平面ではなく立体物をプリントできる3Dプリンター、産業用で使われていたものが最近では家庭用の安価なものも普及しています。
この3Dプリンター、建築費や人件費の高騰が続く中、建物の建築に使用されるようになりました。日本では建築基準法などの制約があり、3Dプリントの建物はまだ少ないですが、アメリカでは年々、需要が増えているそうです。
建築費は従来の木造工法より15%程安く、30%のコストダウンを目指しているそうです。以前より建築費が上がっていることを考えると、15%でもかなりの節約になると考える需要者が多いとも言えます。
建築期間ですが、約110㎡程の家が22時間で完成したとのこと、何だかプラモデル感覚ですね。
日本でも既に建築確認申請取得の建築物は完成しており、価格は30坪300万円、24時間以内に完成するとのことです。
今後の動向としては、建築費の上昇傾向が続き、建築基準法等の制限が緩和された場合、3Dプリントの家は増えると考えられます。
将来、3Dプリントの家が一般的になった際には、日本の街並みがそっくり変わってしまうかもしれません。
愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」
旧かんなみ新地の価格
以前はどこの街にもあった歓楽街、規制が厳しくなった近年、他の用途への移行が進み、かっての面影を残すのみとなった地域も多くなりました。
その中でも歓楽街として残ってきた兵庫県尼崎市の旧かんなみ新地、市が2億7000万円で取得、との記事を見ました。土地の広さは約850㎡、狭い土地に多くの建物が雑居していた様子が分かります。この取得費の内訳は土地建物の取得費、建物の解体撤去費、その他売却に係る経費が含まれています。
特に古い商業用不動産の場合、権利関係が複雑な場合が多く、現在、8割の地権者との間で売却が合意とのことです。取得費の中には移転に伴う補償費用も入っているため、土地面積に比して取得費が高額になったのだと思います。
更地後一体としての土地利用が予定される旧かんなみ新地、売却後、どのように利用されるか注目して見守りたいと思います。
愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」
お風呂がない不動産の価格
物価高による景気悪化が言われる中、風呂なし物件の需要が増えている、との記事を見ました。お風呂のない物件は家賃も安く、少しでも生活費を切り詰めたい人が入居しているようです。
お風呂のない物件、私が子度の頃は沢山ありました。周りにお風呂屋さんも何件かあり、住民のちょっとした憩いの場となっていました。
また学生向けアパートもお風呂のない物件は沢山あり、中にはトイレや台所も共同という寮のようなアパートもありました。今では殆ど見られなくなりましたが。
このようなお風呂のないアパートの価格、以前であれば取り壊し前提で建物価格はゼロが普通だと思いますが、地域的に賃貸需要があり、かつ、修繕維持の状態がよい場合などでは建物に価格がつくことも考えられます。
少し前までは浴室とトイレが分かれていないユニットバスの物件は敬遠されましたが、最近はお風呂のない物件でも入居者がある・・、日本の貧困化が進んでいると実感した出来事でした。
愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」
« Older Entries Newer Entries »