境界のわからない土地の鑑定評価
2020-07-06
土地の鑑定評価を行う場合、まず、依頼者から頂いた書類などをもとに対象不動産の確定を行います。そのために、実際に現地に行って境界杭などの調査を行いますが、市街地の場合、擁壁などの下に埋まっていることが多く境界杭を確認できることは多くはないです。
以前、かなり広い中学校の敷地を鑑定評価した際、校庭など学校敷地以外の道路なども含まれていることが分かり、その際は境界について条件をつけて鑑定評価を行いました。また、係争中であったため、公図に地番ごとの境界線がひかれておらず、他の方法で対象不動産を確定したこともありました。
先日、有名芸能人の自宅が越境しており、越境部分にある擁壁を取り壊すことになったとの記事を見ました。1筆だった土地を分筆し、その芸能人と隣地所有者が購入、越境し擁壁設置、建物建築に至ったようです。
土地を分筆する場合、土地家屋調査士の方が測量後、関係者の立ち合いものと境界杭を設置し、建物を設計する建築士もその際作成された地積測量図をもとに図面を引くのが普通なので、通常、今回のような越境はあり得ないのですが。
今回のケース、弁護士同士の話し合いになっているようですが、責任の所在はどこのあるのでしょうか?興味深いところです。
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