取壊し最有効の鑑定評価

2020-07-07

不動産鑑定士は、土地及び建物(自用の建物及びその敷地、貸家及びその敷地等)の鑑定評価を行う場合があります。土地上の建物の老朽化が激しかったり、建物と敷地との適応、環境との適合を著しく欠いていると判断した場合、その建物を取り壊すことを前提に鑑定評価を行います。そのような評価を「取り壊し最有効」といいますが、最近は建物の解体費用、特にRC造の建物のコンクリート屑の処分費が高く、取り壊し費用が高額になる傾向にあります。

取り壊し費用が高額なら、そのまま現状で使っては?との声もありますが、古い建物は効率が悪く、修繕・維持費も高額となります。また、敷地との適応性や環境との適合性を欠いた建物の場合、十分な収益を生むことができず、結果として不動産の価値を下げることになります。

先日、ネット記事に滋賀県の廃墟マンションの解体費が1億1800万円と出ていました。3階建ての建物、写真で規模をみると妥当な金額と思われます。また、別に記事では100戸の分譲マンションの解体費が少なく見積もって3億円と出ていました。先程の滋賀県のマンションの規模と比較すると、やはり低めの見積額だと思います。

建物の解体費及び処分費は、今後も上がっていくと考えられますが、コンクリート屑を上手く分別して2次砕石として活用するなどの工夫が必要になってくると思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」