隣地の建物と鑑定評価

2020-09-17

既に建物が建っている市街地では、隣地が空き地であることもありますが、通常は何等かの建物が建っているものです。用途地域が住居系の住宅地域の場合、建蔽率や容積率、建物の高さの制限などがありますから隣地の建物の存在で著しく日照や通風が害されるケースは少ないと思います。

以前、北垂れの北側の土地建物を買った方から、空き地だった南側に家が建ってしまい1階の室内が真っ暗になってしまった、との話を聞いたことがありますが、隣地が空き地の不動産を買う場合は注意が必要です。

商業系地域の場合、隣地に高層の建物が建つ場合があり、日照や通風が阻害されるケースがよくあります。今まだ享受していた眺望も得られなくなし、私も日照権阻害影響を反映した鑑定評価書を書いたことがあります。

隣地に建物が建つ、また特に商業系用途地域の場合は居住権の方が尊重されるケースは少なく、裁判で隣地の建物の建築制限が認められた話は聞いたことがありませんが、実際はどうなのでしょうか。

最近、このような隣地建物による日照・通風阻害を訴える記事を見ますが、今後、居住者の訴えを認める判決がでるか興味深く見守りたいと思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」