廃墟ホテルの鑑定評価額

2021-03-09

土地と建物を一体で鑑定評価する場合、価格も土地建物一体の総額で決定することになります。但し、鑑定評価手法の内、原価法(不動産の費用性からアプローチする手法)による積算価格は、まず土地の価格を試算し、その後、建物の価格を求め、その総額から市場性減価を考慮して求めることになるので、土地と建物の価格は別々に求められます。

建物の老朽化、陳腐化等が激しく、取り壊しによる鑑定評価が最有効と判断される場合、土地の価格から建物解体費を控除して鑑定評価額が求められます。従って、地方など土地の価格が安く、建物解体費が土地価格を上回てしまう場合、理論上、評価額はマイナスになる可能性があります。

先日、島根県で廃墟ホテルを町が1000円で購入したとの記事を見ました。ちなみに建物の撤去費とその後の公園の整備費等事業費は約1億5000万円とのことです。単純に計算すれば、事業費から公園整備費を引いた建物撤去費+1000円が、土地価格だったということでしょうか。

事業費の内訳は不明ですが、今後、このような老朽建物を自治体が購入するケースは増えていくものと考えられます。

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