Archive for the ‘不動産のお話’ Category
10年間塩漬けの不動産の跡地利用
都市部を中心に地価の上昇が続いていますが、都心、特に東京都内の一等地は地価が高騰しています。
先日、東京都目黒区内の廃校跡が10年間未利用で、跡地利用が問題となっている、との記事を見ました。広さは約8900㎡、校舎や体育館は残されています。ちなみに年間の維持費は約140万円、家賃が取れない中での支出、跡地利用が急がれるのも理解できます。
記事によると、校舎に目立った破損等はなく、大きな修繕を要せず利用できるとのことですが、私は校舎を取り壊し後、売却が良いと思います(もちろん、校舎などの建物も込みで購入してくれる学校法人が現れるとベストなのですが)。
金利の上昇や景気の先行き不透明感から不動産市場の今後を予測することは困難ですが、企業が遊休不動産を売り急いでいる現状をみると、今回のような大規模な不動産、今が売り時なのかもしれません。
愛知県小牧市の一部が市街化区域に編入
大規模流通施設の需要増により幹線道路沿い、インターチェンジに近い面大地の地価が上昇しています。先月発表された都道府県地価調査でも、工業地で地価変動率が大きく上昇した地点が見られました。
このような状況下、愛知県小牧市内で市街化調整区域内の地域が市街化区域に編入され、工業地域に用途変更された、との記事を見ました。
この地域は写真で見る限り土地改良済みの田であり、用途地域変更によって風景が一変することが予想されます。
小牧市は東名・名神高速道路の終起点であり、交通アクセスがよいことから物流施設に適したエリアであります。
今回、市街化区域に編入されるエリアにおいては、既に物流施設の開発計画が進んでいるとのこと、広いエリアであり大規模な施設になることが予想されます。
今後、需要が増えることが予想される物流施設用地、市街化調整区域を市街化区域に編入する動きは全国的に広がりそうです。
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市街化区域内の開発制限
市街化区域は都市計画法で、すでに街の整備が進められて市街地になっている区域と、おおむね10年以内に優先的、計画的に市街地として整備を図るべき区域になります。
この文言から、市街化区域は市街地として整備される区域であると理解されますが、市街化区域内にも災害などの危険性の高いエリアが存在する場合があります。土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域は代表的なもので、市街化区域内であっても人が住むのに適した地域とはいえません。
先日、広島土砂災害や西日本豪雨で大きな被害を出した広島県において、市街化区域内の土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の開発に制限を掛ける動きがある、との記事を見ました。この記事の中では「逆線引き」という言葉で表現されていました。
但し、この逆線引きは簡単なことではなく、既に人が住んでいる地域の人を動かす計画となりますので完了まで長い時間が掛かることが予想されます。
計画では、概ね20年で逆線引き終了を目指すとしています。この計画、困難は予想されますが、災害に強い国土を造るためにも市街化区域をコンパクトにすることは必要であり、全国的にも注目を集めそうです。
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不動産価格と学力の相関関係
不動産は住居系であれば、駅距離と住環境の良否が価格に大きな影響を与えますが、住宅地で地価の高いエリアは子育て世帯から人気のある学校区であることが多いです。
先日、ある学者の方が子供の学力との相関関係について書かれていましたが、不動産価格の高いエリアは子の学力も高いそうです。
これはあくまでも統計上の相関関係であって、もちろん例外も沢山ありますが(進学校のない地方からも優秀な学生が出るように)、やはり無視できない事実ではあります。
不動産の鑑定評価をしていて、学校区に関する記述は避けるようにしていますが、以前より富裕層による学校区の選好性が地価の上昇に拍車をかけていると感じることはあります。
あらゆるところで見られる格差、この記事を見る限り格差がますます開いていくことは避けられないと感じます。
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島に投資するお話
最近、海外のプライベートアイランドが高額で売買された、との話を聞きますが、日本でも個人所有の島は売買されています。
少し前の話ですが、尖閣諸島が売買され国有になりましたし、島の一部ですが馬毛島の売買も話題になりました。
相模湾に浮かぶ初島にあるリゾートも売買されましたが、ここは島全体がリゾートではなく、漁師さんの集落なども島内にはあります。
先日、島に投資することについて書かれた記事を見ましたが、最近需要が増えているのは無人島を購入するのではなく、ゆったりとした生活に憧れた人向けの離島にある集落の不動産とのことでした。
私が子供の頃、サラリーマン生活に疲れた人が海辺に移住した話を聞いたことがありますが、より日常から拒絶された島に移住したい人が増えているようです。
この記事によれば、水道や電気などのインフラのない無人島は一般人が住める環境になく、投資対象にはならないとのことです。
瀬戸内海に浮かぶ島で、移住者の増加で地価が急上昇した島があるそうですが、今後、移住に適した島の不動産の需要が増え、地価が上昇していくかもしれません。
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オフィス市場の動向予測
コロナ禍においてはリモートワークがトレンドとなり、オフィス需要が急激に落ち込みましたが、コロナ禍が落ち着いた今時点の日本のオフィス市場、もとに戻った感があります。
先日、愛知県豊橋市でオフィス誘致に本腰、との記事を見ました。豊橋市は東海道新幹線の停車する市ではありますが、お隣の浜松市からも近く、オフィス需要が見えないと感じていました。
また、広島市中心部でもオフィスビルの建築計画があると聞き、地権者や投資家、不動産業者は今後、オフィス需要が増加すると予想していると思われます。
日本の国力が低下する中で、これからの日本経済を予測するのは難しいですが、都市部を中心に再開発が無くなることはなさそうです。
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戸建住宅市場の将来予測
従来の戸建住宅の常識を破る価格設定で市場を圧巻したパワービルダー、安いだけではなく品質も悪くないという声を多く聞きます。
良いものが安いのですから、売れるのは納得ですが、ここに来てパワービルダー系の格安戸建住宅の売れ行きが落ちているそうです。
地価の上昇により仕入れ素地の価格も上がり、その他建築費や人件費などが上がっていることに加えて、金利の上昇懸念、上がらない給料など様々な要因が考えられます。
また、将来的にも少子化による宅地需要の減少懸念などよい要素の無い戸建住宅市場ですが、先日、住宅ローンに関する記事をみて感じたことがあります。
1.返済期間が50年の住宅ローン
2.夫婦での住宅ペアローンが利用が増えている
自己資金が豊富な人を除いて、住宅購入の際には多くの人がローンを組むと思いますが、上記1.2とも、資金的に余裕のない需要者が増えているのだと思います。
このような状況が続けば、戸建住宅市場は苦戦が予想されますし、パワービルダー系の企業の淘汰が進むかもしれません。
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延面積約8.2平米のマンション
狭小戸建住宅を始め、ファミリー向けマンションも延面積が狭くなる昨今、単身者向けのワンルームマンションまでその影響は及んでいるようです。
ワンルームマンション、私は延面積20㎡が目安と考えていて、この数値を下回る部屋は狭い物件と考えています。
先日、東京都区部内にあるワンルームマンションが3畳半(約8.2平米)との記事を見ました。住人によれば収納スペースも殆どなく、レンジや電子レンジ、キッチンも利用できない(それくらい狭い)状況のようです。
室内写真を見ると、ウォークインクローゼットで生活している感じでしょうか、とにかく狭く感じました。
以前、海外では家賃の高騰により車で生活している人について書きましたが、日本でも今後、家賃が上昇すれば車中生活や狭小ワンルームでの生活者が増えてくるかもしれません。
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温泉の掘削費用
本日発表された令和6年度の路線価でも、観光地の多くで地価が上昇しました。その中でも外国人旅行客から人気にある温泉地の地価は大きく上昇しました。
このように温泉は、観光地の目玉なのですが、先日、能登半島地震で温泉が出なくなった、との記事を見ました。
場所は新潟県、新たな掘削には約2億円かかるそうです。ここの温泉は観光客より地元の方の利用が多く、新たな掘削は未定のようです。
昔、竹下内閣が行ったふるさと創生基金の1億円で温泉を掘った自治体がありましたが、その後、大繁盛したと聞いたことがあります。
あれから約35年経ちますが、温泉の掘削費用も2倍になったということでしょうか?
その後、地方に温泉施設が増えましたが、最近はライバル施設も多く、修繕維持に費用も掛かることから所有する自治体にとって再開するか否かは悩ましい問題のようです。
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PCBと鑑定評価
PCBはアスベストと並び、建物の鑑定評価を行う際、調査することになりますが、PCBは1973年の製造が中止されており、実際に使用されているケースは少ないようです。
PCBは変圧器などに使われていたそうで、高額な処分費が掛かることから古いビルなどの倉庫に保管されているケースもあるので鑑定評価の際には注意が必要です。
先日、小学校などの公共施設でPCBが使用された照明器具が最近まで使われていた、との記事を見ました。使われていたのはグラウンドの夜間照明で、他にも使われている可能性があるとのことです。
使用を禁止される以前は当たり前のように使われていたPCB、処分できる施設も少なく、財源の少ない自治体にとっては頭の痛い問題です。
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