Archive for the ‘不動産の価格’ Category

不動産価格と家賃の上昇

2025-01-03

土地と建築費が上昇すると、当然、土地建物価格も上昇することになりますが、家賃のような賃料は不動産価格に遅れて上昇する傾向があります(この傾向は賃料の遅効性と言われます)。

住宅の新規家賃ですが、都市部を中心に上昇しており、名古屋市内のファミリー向けの戸建住宅では月額支払賃料が15万円を超えるものも多く見られるようになりました。

以前は戸建住宅の賃貸の場合、月10万円を超えると借手が付かないと言われましたが、新築住宅の購入を諦めた層からの需要が増えているからか強気の賃料設定でも契約は成立しているようです。

「住宅は買った方が得か、借りた方が得か」とはよく言われますが、価格も家賃も上昇している昨今、どちらが得かの判断が難しい状況にあると言えます。

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東京都の新築マンション価格が1億円超え

2024-12-20

地価や建築費、人件費の高騰により上がり続ける新築マンション価格不動産経済研究所の発表では、11月の東京都23区内の1戸あたり平均価格が1億889万円、1億円超えは7ヶ月連続となりました。

金利の上昇懸念や物価高などマイナス要因が多い中、立地の良い資産性の高いマンションの売れ行きは好調のようです。

一方、東京都を含む首都圏になると販売戸数は18.7%の減少、平均価格も3.2%の減少、7988万円だったそうです。

都市部と地方との二極化が顕著ですが、同じ都市部であっても東京と他の都市部との差はひらきつつあり、東京一人勝ちの様相が強まっている印象です。

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不整形地の有効利用

2024-12-06

土地建物が建つかどうか、またどのような建物が建つかで価格が変わってくることが多いです。例えば過小地の場合、住宅地であれば一般住宅が建つか、物置程度なら建つか、建物は建たないが駐車場利用は可能か、ゴミ置き場程度の利用しかできないか、等を判断し、減価率及び土地価格が決まります。

また、不整形地の場合も同様で、建物は建たなくても資材置場などで利用できるか否かで価格は大きく違ってきます。

先日、岐阜県のある不動産業者が不整形地戸建賃貸住宅を建てる事業を拡大、との記事を見ました。設定家賃は一般的なアパート家賃をやや上回る程度とのこと、戸建賃貸住宅の需要が伸びていることに注目したようです。

マンションと同じく戸建住宅の価格も上昇しており、購入を諦めた世帯も多く、戸建賃貸住宅の市場動向に注目したいと思います。

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3階建ての戸建住宅の建築費

2024-11-28

都心部を中心に、狭小化が進む戸建住宅ですが、狭い土地に十分な延面積を確保するため、3階建てにした建物が増えています。

3階建ては2階建ての建物に比べて建築コストは高くなるのですが、延面積を同じとした場合に必要となる土地面積が小さくて済むので、地価が高いエリアなどでは総額の比較で安くなるケースも考えられます。

先日、3階建ての一戸建て建物の建築費について書かれた記事を見ました。その記事によると建築費単価は坪45万円~107万円と幅が見られました。施行の質や量、仕様や設備の差を反映した結果と考えられます。

最近では戸建住宅でも延面積60㎡程度とマンションより狭いものも見られるようになりました。

今後、土地価格の上昇により土地の細分化が進めば、日本でも3階建て住宅が一般的になる時代が来るかもしれません。

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価格がマイナスの不動産

2024-11-22

昨日、解体処分費の高騰により価格がマイナスになる不動産のことを書きましたが、石川県で老朽建物付きの不動産でマイナス入札が実施される、との記事を見ました。

対象となる不動産は旧保育所建物と敷地であり、解体費が土地価格を上回った場合、市が差額を支払うといった内容だそうです。

跡地利用を住宅地をするという条件付きではありますが、払い下げを迅速に行う効果はありそうです。

今回のようなマイナス入札は初めてのケースではなく、過去、他の自治体でも実施されたそうです。

解体予定の老朽建物の扱いに頭を悩ます自治体は多いですが、遊休不動産の早期売却に資すると考えられるマイナス入札、今後、普及していくものと思われます。

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経営破綻したホテルの価格

2024-11-21

一部の外国人旅行者が殺到する観光地を除き、衰退が進む地方都市ですが、先日、青森県弘前市にある経営破綻したホテルを競売にて落札、との記事を見ました。

価格土地建物で935万円、落札者は来年の夏に建物を解体し、マンション用地とする計画だそうです。

建物の状態は不明ですが、ホテルとしての継続使用より取り壊し後マンションとしての利用を最有効と判断したようです。

場所は弘前市の一等地とのことですが、土地の価格から解体費を引いた残りが落札価格になったと思われます。

解体処分費が高騰していますが、地方の場合、取り壊し費用土地の価格を上回り、総額がマイナスになってしまうケースも考えられます。

今回、935万円との価格になりましたが、簿価や再調達原価から大きく乖離した安い価格であることは間違いなさそうです。

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新築戸建住宅の建物価格

2024-08-23

新築で居住用建物を建てる費用ですが、以前はパワービルダー系で坪40万円、ハウスメーカーのもので坪70万円と聞いたことがあります。

最近はウッドショックに始まり鋼材などの建築資材の高騰により建築費は上昇しており、以前との比較で建築費は2倍になったとの声も多く聞きます。

先日、平均的な住宅価格を載せた記事を見ました。この記事によれば東海圏では、建物のみで約3604万円、土地建物で4412万円とのことです。但しこの数値は2020年度フラット35利用者調査からのものであり、現時点ではさらに上がっていると思います。

現在の建築費相場ですが、パワービルダー系で坪70万円、ハウスメーカーのもので坪100万円との声も聞かれ、やはり建築費は2倍程度になっているようです。

戸建住宅の場合、土地建物の総額で取引されることが多く、消費税を節約するためか建物の価格割合を低くする傾向が強いため、正確な建築費の把握は難しいのですが、今回のような発表数値やヒアリング調査などから適正な建築費単価の把握に努めたいと思います。

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戸建住宅の耐用年数

2024-08-15

戸建住宅の耐用年数は、一昔前までは木造20年と言われることが多かったですが、最近は施工の質が上がったのか、修繕維持がされていれば20年以上使用されることが殆どだと思います。

先日、家の寿命が30年と短いのはシロアリ対策不足が原因、との記事を見ました。定期的なシロアリの点検・再施工の手間を残すため、意図的に新築時のシロアリ処理を怠っているそうです。

この記事から推測するに、現在の木造住宅は30年程度使用することが一般的であり、建て替えは売買などでオーナーが変わった際に行われることが多いということです。

木造意外の鉄骨系住宅も、以前は耐用年数30年にて鑑定評価を行うことが一般的でしたが、鉄骨系はメンテナンスさえよければ長期間にわたる使用が可能であり、最近は耐用年数40年で建物価格を試算した鑑定評価書が多くなりました。

ちなみに鑑定評価における耐用年数は、経済価値からみた耐用年数になります。耐用年数満了後の建物価格ゼロ円になった段階で使用価値がゼロになるわけではなく、古い建物でもそのまま使用できるケースは多くあります。

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不動産価格と学力の相関関係

2024-08-08

不動産は住居系であれば、駅距離と住環境の良否が価格に大きな影響を与えますが、住宅地地価の高いエリアは子育て世帯から人気のある学校区であることが多いです。

先日、ある学者の方が子供の学力との相関関係について書かれていましたが、不動産価格の高いエリアは子の学力も高いそうです。

これはあくまでも統計上の相関関係であって、もちろん例外も沢山ありますが(進学校のない地方からも優秀な学生が出るように)、やはり無視できない事実ではあります。

不動産の鑑定評価をしていて、学校区に関する記述は避けるようにしていますが、以前より富裕層による学校区の選好性が地価の上昇に拍車をかけていると感じることはあります。

あらゆるところで見られる格差、この記事を見る限り格差がますます開いていくことは避けられないと感じます。

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5年で地価10倍の土地

2024-08-05

太平洋戦争が終わって、日本経済が復興から高度成長、オイルショックを経てバブルが崩壊するまで、土地の価格、地価は上がり続けるといういわゆる土地神話がありました。

その土地神話がバブルの崩壊とともに崩れ去り、長い低迷の期間がありましたが、アベノミクスによる金融緩和などにより都心の地価は上昇に転じ、東京都心ではバブル期を超える地価となっている地点もあるそうです。

このように収益性・投資採算性に優れた従来の都心とともに、昨今ではニセコに代表される外国人富裕層による需要の増えたリゾート地の地価が急上昇しました。あるネット記事によるとニセコの地価は5年で10倍などザラ、とのこと。確かに年10%程度の上昇が続けば、地価は5年で軽く10倍を超えてしまいます。

先日、日銀が政策金利の上昇を決定し、好調な中国経済に陰りが見え始めた、との意見がきかれる中、都心の地価と併せてニセコなどのリゾート地の地価が今後どうなっていくのか、注視していく必要がありそうです。

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