Archive for the ‘不動産の価格’ Category

周辺隣地の不動産価格への影響2

2022-03-20

不動産の価格形成に影響を与える要因、駅距離や道路幅員、接面方位、形状などがあげられますが、風水や風習など、客観的に把握することが難しい要因もあります。

火葬場や葬儀場など、忌み物件と呼ばれるものが近くにある場合、その不動産の価格が安くなるのが一般的ですが、警察署、消防署、病院の近くも避けた方が良い、との記事を見ました。これらはネガティブな気が集まる施設だからだそうです。神社仏閣は聖域であり、住居からあまり近くない方がよいそうです。

不動産鑑定の仕事を始めたころ、警察署の裏の土地の公売評価をしたことがあります。国道沿いの広大地でしたが、当初の鑑定評価額では売れず、再鑑定で相当値下げした記憶があります。不動産業者の方からのヒアリングでは、警察署の裏地であり売却は苦戦する、と聞いていましたが、想像以上でした。

風水や風習、長年伝わるにはやはり意味があり、決して無視はできないと改めて感じました。

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周辺隣地の不動産価格への影響

2022-03-18

周辺、隣地の利用状況は対象となる不動産の価格に影響を与える要因となります。商業地であれば店舗の連たん性や集客力のある商業施設の存在、住宅地であれば俗に街並みと呼ばれる品等の良い家が建ち並ぶなど、があれば対象不動産の価格は高くなる傾向があります。

逆に、忌み物件と呼ばれる建物が周辺隣地に存する場合、不動産の価格は低くなるのが一般的で、ゴミ置き場や携帯電波塔の存在がトラブルとなるケースも多いようです。

上記のように、明らかに周辺隣地の利用状況がわかる場合は良いのですが、最近はモンスター隣人のように住んでみないとわからないケースも多いです。このような状況を対象となる不動産の価格に反映させるのは難しいのですが、近隣相場より著しく安い価格であったり、長期にわたって売れ残っている場合などは注意が必要です。

私の事務所の近くでも、隣地の方からの長年にわたる嫌がらせのため自宅を売却し引っ越された方がいました。その後、その不動産は更地をなり買い手が家を建てられていますが、隣地の状況を知っていたか否かは不明です。

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大阪のタワーマンションの価格

2022-03-10

マンションの価格、首都圏のみではなく大阪府を含む関西圏の価格も上昇しています。関西圏のマンション1戸の平均価格は4562万円、バブル期を超えたとの記事をみました。

2024年に完成予定のタワーマンション、JR大阪駅から徒歩9分位置しており、第1期の平均価格は1億5390万円だそうです。このマンションの最上階49階の1LDK、価格は8億8000万円だそうです。236㎡の広さで大阪の街並みが展望できるこの部屋、既に売却済みだそうです。

マンション需要の増加、コロナ禍で在宅時間が増えたことが理由と言われますが、首都圏をはじめ他の都市圏でも億ションが売れ続ける最大の理由は金融緩和による金余りだと考えられます。

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築浅マンションの鑑定評価

2022-03-08

中古マンションを含め土地と建物の鑑定評価を行う場合、建物の施行の質、品等と並び築年数も価格に大きな影響を与えます。

不動産業界では、築浅の中古マンションは残価率が大きく、新築マンションとの比較で価格の値頃感が少なく売りにくいというのが一般的でした。但し、昨今の新築マンションの高騰に引っ張られる形で中古マンションも値上がりしています。話では、駅近物件などは築浅マンションが新築マンションを上回る価格で取引されているケースもあるそうです。

確かに中古マンションの鑑定評価を行うと、ここ数年で取引価格が大きく上昇したと感じます。特に鉄道路線の良い駅近物件や学校の良い物件で高額での取引が目立ちます。

ちなみにデータでは、築30年以上のマンション価格は新築マンション価格の3分の1程度まで下がるそうです。築30年であれば躯体や設備の老朽化や陳腐化もあり、もっと価格が下がる印象ですが、意外に思いました。

リモートワークの普及で戸建住宅の人気が高まったとの声がある一方、中古マンションも高値で取引されるとの記事を見ると、マンションの人気はやはり根強いと思いました。

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京都市の不動産価格上昇

2022-02-28

京都市の不動産価格が上昇し、子育て世帯の市外への流失が増えている、との記事を見ました。富裕層による投資目的での需要が増加したことが要因のようです。

記事によると、70㎡程度の家族向けマンションの相場は6000万円、一般的なサラリーマンでは手が出ない水準まで高騰しています。市中心部では7000万円~1億円の物件も見られ、異常な高値での取引が続いています。家族向けマンションの価格は10年間で1.6倍に上昇したそうです。

京都市は別荘・空き家に課税することで不動産価格の高騰を抑え、財政難に対応する方針ですが、金融緩和による金余りが続く限り、マンション価格の上昇は続くものと予想されます。

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3Dプリンターで造られた建物の価格

2022-02-18

鋼材価格の上昇に始まり、最近ではウッドショック、木材価格が上昇しています。このような原材料費の上昇は建物価格の上昇をもたらすことになりますが、これからも続くであろう建築費の上昇を抑える代替手段として、3Dプリンターによる建物建築が注目されています。

海外では施工実績のある3Dプリンターの建物、日本では建築基準法の関係もあり普及していませんでしたが、先日、国内初の3Dプリンターで造られた建築物の記事を見ました。

その建築物は、高さ3m、延面積17㎡、施工期間は1ヶ月とのことです。価格は約600万円、規模が小さいからか価格的な割安感はないように感じます。

現時点において価格の有利性は少ないかもしれませんが、今後、国内においても3Dプリンターで造られた建物が増えていくものと思われます。

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山の鑑定評価額

2022-02-14

最近のキャンプブームの影響か、「山を買う」に関連する記事が増えています。巷のキャンプでは飽き足らないベテランキャンパー、プライベートキャンプ場をもつことは夢なのかもしれません。

昔は山持というと、お金持ちの象徴というイメージがありましたが、国内林業の衰退で長らく山の買い手がつかない時代が続いていました。処分したい山をお持ちの方にとって、昨今の山ブームは朗報だと思います。

現状の山での使用を前提とする純山林の鑑定評価ですが、周辺の類似性を有する山の取引事例から比準する取引事例比較法(比準価格)で鑑定評価額が決まることが多いです。林地希望価方式と呼ばれる収益還元法(収益価格)は、立木の価格から伐採費や運搬費などを控除した純収益を還元して価格を求めますが、収益性を確保できるほどの十分な純収益を得ることが難しく、ほとんどの場合収益価格はマイナスになると思われます。

ある記事に「山は値段があってないようなもの」と書かれていましたが、山のような特殊な不動産は取引価格に個別性があり、俗にいう相場がないのが特徴です(必要なければタダでもいらない、という人が多いと思います。)なので山の鑑定評価は、難しい評価になることが多いです。

また、山は道路付きや傾斜、伐採の可否や受電、給排水の可否などの個別性があり、境界や面積も曖昧なことが多いです。山の購入の際には、これらのことに十分注意することが重要です。

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新築戸建住宅の鑑定評価

2022-02-12

新築戸建住宅の鑑定評価は、土地の価格建物の価格を加算して求めることになりますが、このような戸建住宅の販売価格は土地と建物の総額で表示されることが多く、その配分が問題になることがあります。

最近増えてきたパワービルダー系の戸建住宅の場合、建物価格が1000万円を下回るものの多く、また、建物にかかる消費税を極力少なくするためか、可能か限り建物価格を安くする傾向があります。

土地と建物のほかに、開発者利益の扱いが問題になることがありますが、鑑定評価の場合は開発者利益を含んだ価格が鑑定評価額になります。

先日、東京で2億円超の建売戸建住宅5戸が即日完売したとの記事を見ました。そのうちの2億7000万円の戸建住宅は12月のHP開設時に約4000人がエントリーし、5組の申し込み、抽選で購入者が決まったそうです。名古屋で2億円の不動産というと主に投資物件が該当しますが、やはり東京は富裕層の数もその資産の額も違いますね。

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区分マンションの位置による鑑定評価額への影響

2022-02-06

区分マンションの鑑定評価を行う場合、高層階ほど日照や眺望が優れるため鑑定評価額は高くなるのが一般的ですが、階層と同じく、位置も鑑定評価額に影響を与えます。角部屋は窓などの開放部を多く設置できるため、日照や通風に優れ、鑑定評価における増加要因となります。方位も重要で、タワーマンションなどの超高層階を除き、南東角の部屋の価格が高くなるのが一般的です。

先日、ネットで角部屋のデメリット、弱点について書かれた記事を見ました。窓が多くなると家具の配置が難しくなったり、隣家からの騒音や風雨の際の音や雨水の問題があると書かれていました。確かに窓が多いのはいいのですが、窓の位置によっては家具の配置は難しくなりますね。

あと、角部屋は夏暑く、冬寒いとのことですが、隣の家がなく窓が多い家は冷暖房費が多くかかる印象です。マンションの最上階は夏暑いと聞いたことがありますが、同じ理由だと思います。

区分マンションの鑑定評価額に影響を与える位置別効用比、今回のようなデメリットを考慮して査定することは難しいのですが、今後、角部屋と中部屋との価格差は小さくなっていく可能性はあると思います。

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百貨店そごう西武の鑑定評価額

2022-02-02

コンビニエンスストア大手のセブンイレブンやイトーヨーカドーを運営するセブン&アイ・ホールディングスが、傘下の百貨店、そごう・西武を売却する方針であるとの記事を見ました。入札を実施し、一括での売却を希望しているそうです。

今回のような傘下の百貨店を一括で資産評価する場合、百貨店や配送センターなどの不動産の鑑定評価を行い、さらに、附属する動産や営業権(のれん)の価値を試算することになると思いますが、その大部分は不動産の価値が占めると思います。

その百貨店など不動産の鑑定評価ですが、立地の良し悪し、路線沿いなど集客力があり百貨店経営が継続できるか否かが鑑定評価額に大きな影響を与えることになります。考えられるパターンとしては、①繁華性があり建物の当面の大規模修繕が不要→百貨店として継続使用を前提とした鑑定評価、②駅近など立地は良いが建物の老朽化などで継続使用が困難→取り壊し最有効による鑑定評価、③人口減が進む地方などに位置し、建物も老朽化足、十分な収益性が望めない→ゼロ円に近い鑑定評価額、になりそうです。

郊外型のショッピングモールの存在、人口減、ネット通販の普及など百貨店に厳しい時代が続く中、今回のような百貨店の一括売却の話はこれからも出てくると思われます。

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