Archive for the ‘不動産の価格’ Category

オフィス需要低迷と不動産価格

2023-09-21

コロナ禍で普及したリモートワーク、現在も行っている企業もありますが、殆どの大企業はコロナ禍前と同様、原則出社して仕事をしているようです。

一方、先にリモートワークが普及したアメリカでは現在もオフィス需要が低迷しており、特に中規模都市では税率の上昇と不動産の資産価値の下落をもたらすと警告する経済学者もいます。

私が見た記事の中では、アトランタ、シカゴ、デンバーがあげられており、オフィスの空室率がかつてないほど上がっており、商業用不動産の市場に深刻な影響を与えているとのことです。

日本でも先日発表された地価調査では、インバウンド需要の回復が商業地の地価を押し上げる要因になったと分析されていますが、オフィス需要が本格的に回復したとは言い難い状況です。

インバウンド需要頼みになっている日本の商業地の地価、日本の経済が衰退に入っていることは間違いなさそうです。

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住宅価格と家賃高騰のお話

2023-09-19

ウッドショック、ウクライナ危機に続き円安による建築資材の高騰が続く中、建物の建築費も以前より大きく上昇しています。

住宅価格をはじめ、他の財やサービスの物価が上がる中、日本の家賃は比較的安定しており、社会問題にはなっていません。

先日、アメリカ・カリフォルニア州で車中生活者が急増、との記事を見ました。家賃高騰により住むところを失った人が増えていることが原因だそうです。

記事によると、ある人が住んでいたアパート、10年前は450ドル(約6万6000円)だった家賃が10年で3000ドル(約44万円)に上がったそうです。約6.7倍の上昇、凄まじいインフレですね。

世界的経済がリセッション局面に入る中、低金利政策を続ける日本政府、この金融緩和が完全に行き詰った時、アメリカ同様、家賃が急騰し、車中や路上で生活する人が増えることが危惧されます。

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前面道路の狭い土地

2023-09-15

住宅地の場合、前面道路は6mであることが多いですが、既存の集落地域や古い住宅団地などには道路幅員が6m未満の土地も多くあります。

また、中には幅員4m未満のいわゆる2項道路という道路に面した土地もあり、特にセットバックが進んでいない地域などでは車の通行が困難なだけではなく、圧迫感を感じることがあります。

先日、4m程の幅員の道路に面した土地に家を建てた方の悩みを書かれた記事を見ました。車が家の前を通行する際、敷地に入ってくることがあるそうです。

昔は車の今ほど大きくなく、4m幅員の道路でもすれ違えたようですが、敷地に塀などがない場合、敷地に入って通行する車が出てくること、私も経験したことがありますが、あまりよい気をはしません。

また、幅員が6mあっても、敷地の反対側が擁壁などの場合、青空駐車している車の存在で、幅が実質4m程度しかないケースもあります。こうなると、車庫入れも一大事で、大きな車では敷地に車を入れれない問題も発生してきます。

土地に接面する道路の幅員は価格形成要因の一つであり、幅員が狭いと土地価格も安くなる傾向がありますが、車を使う頻度が高い方などは避けた方が無難かもしれません。

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事故物件の鑑定評価

2023-09-14

忌み物件は事故物件の代表的なものであり、主に、人が亡くなるような事件のあった物件を指すことが多いです。

殺人や自殺などが起こると、その不動産の市場性は一気に落ちることになり、マンションなどの解体が難しい不動産の場合、半値以下になると思われます。

なので建物の解体が可能な場合は、事故物件は解体され更地化されることが多く、建物が使用可能であり、耐用年数が残っている場合であっても鑑定評価額更地価格から解体費を控除し、その価格からさらに市場性減価を行って決定されると思われます。

先日、歌舞伎俳優の市川猿之助さんの自宅の資産価値が10分の1、との記事を見ました。この10分の1という価格、瑕疵物件や極端な過小地など市場性の著しく低い物件価格の指標となることが多く、買い手が殆どない不動産の場合、市場価格の1割の価格となる場合もあります。

但し、今回の猿之助さんのご自宅の場合、東京目黒と立地もよく、買い手が付かないことは考えにくいので、売買される場合の価格は10分の1になることはないと思われます。

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建築費の高騰と3Dプリンターの家

2023-09-10

建築費の高騰が続いています。先日も札幌市に計画中の複合施設が建築費の高騰を理由にホテルの誘致を断念した、とのニュースがありました。

ホテルオフィスビルなどの大規模なものだけではなく、個人が居住する住宅の建築費も高騰し、マイホームを検討中の方が見積もりを取ってその金額に驚いた、との話もよく聞きます。

今後、下がる見込みのない建築費、その救世主として3Dプリンターの家が注目を集めています。

先日、愛知県小牧市にある3Dプリンターの家を販売する会社の記事を見ましたが、この3Dプリンターの家、構造はRCで造られたパーツからなり、作業時間は44時間、価格は550万円とリーズナブルな価格設定となっています。

広さは約50㎡、内部空間は3つに分かれているそうです。単身、夫婦又は小さい子供のいる家族向けになりそうです。

3Dプリンターの家を実際に見かけたことはありませんが、ハイブリッド車が一気に普及したように、今後、日本の住宅のスタンダードになる可能性はあると思います。

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建築費とスターハウスのお話

2023-09-08

建物の建築費は延面積が同じであれば形状がシンプルなほど安くなる傾向があり、箱型の建物は壁面積も少なくて済み、屋根の施行も複雑ではないため施工期間も短いことが多いです。

先日、ネットでスターハウスの記事を見ました。スターハウスとは星形アパートの通称で、戦後、多く建てられた大規模団地の中に見られた共同住宅になります。

構造はRC造で、エレベーターはなく比較的狭い延面積のものが多いです。

このスターハウス、現在は老朽化が高層アパートへの建て替えが進んでいますが、確保できる延面積に対して必要な土地面積が大きく、また、構造が星形のため建築費がかかるため新建物の殆どが箱型になっています。

星形のスターハウスは名古屋にも多く存在し、平針住宅や鳴子団地などに多くありました。各戸、3方に開放窓を確保することができ、日照や通風に優れた住みやすい住戸だったと思います。

高度成長期に多く開発された住宅団地の建て替えが進む中、スターハウスの記事をみて昭和の時代を懐かしく思い出しました。

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今後の不動産価格動向

2023-08-27

都心部を中心に、主要都市や観光地の地価の上昇が続いていますが、今後の不動産価格動向はどのようになっていくでしょうか?

一般的な世帯の給与が伸びない中での物価上昇、金利上昇懸念の中、主に都市部の住宅地の需要が増えているには理由がありそうです。

先日、不動産情報サイト「ノムコム」が実施したアンケート結果によると、今後、不動産価格がどうなるかという問いに対して、「上がると思う」が42.0%、「下がると思う」が17.9%、「横ばいだと思う」が29.7%となりました。価格が上がる予想が下がる予想にダブルスコア超となり、横ばいを含めると今後の不動産市場に楽観的な予想をする人が多いことがわかります。

現在、住宅購入を検討している人は、おそらく、不動産価格はこれからも上昇を続けるので、買えるうちに買っておこう、という思いなのかもしれません。

かって経験したことのない金融緩和が続いた日本、経済が不況局面に入りつつある中、不動産の価格が上昇するのかそれとも下がるのか、予想はとても難しいです。

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ボブ・デュランの隠れ家の価格

2023-08-20

自宅とは別に所有する住居は別荘と言われることが多いですが、このような別宅を隠れ家、ということもあります。

隠れ家を持つことに憧れる人は結構いて、私も趣味を楽しんだりする隠れ家が欲しいと思っている一人です。

先日、歌手でありノーベル文学賞受賞者であるボブ・デュランが所有していた別荘が約5億5000万円で売りに出された、との記事を見ました。

場所はイギリスのスコットランドにあり、1911年~15年にかけて建てられた歴史のある建物と、広大な敷地になります。この建物は大幅な改修がなされており、コロナ禍前までボブ・デュランが数週間過ごしたと書かれており、大規模な修繕は必要なさそうです。

5億5000万円の隠れ家、中の調度品もすばらしく、宿泊施設などとしても利用できそうです。さて、実際の売買価格はいくらになるのか、とても興味深いです。

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新築マンションの極小化

2023-08-17

地価や建築資材の高騰が続く中、購入者の支払総額を抑えるため、延床面積の極小化が進んでいます。

少し前までは、戸建住宅であれば100㎡未満のものは狭い印象を受けていましたが、最近は3階建てで75㎡程度の戸建住宅も出てきました。

家族向けマンションの場合、80㎡程度が標準的と思っていましたが、70㎡未満のマンションが増えてきました。この広さだと、戸数を増やしたい賃貸マンションと同じような間取りになってくると思います。

先日、京都市の新築マンションの平均面積が60.3㎡、との記事を見ました。この広さだと間取りは2LDKでしょうか、家族4人だとかなり窮屈な広さになります。

今後、下がる気配のない地価と建築資材価格、延面積はどこかで下げ止まるでしょうが、下げ止まった分、マンション価格も上昇していくと思われます。

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駅前一等地に平面駐車場

2023-08-13

駅前の土地は利便性に優れ、特に容積率などから高度利用が可能な土地であれば収益性に優れた高層建築物が建てられることが多いです。

高層建築物を建てるには土地の価格に加えて建物の建築費が必要になりますが、アベノミクスが始まったことから建築費が上がり続け、都心の一等地であってもコインパーキングなどとして一時利用される土地が増え始めました。

このような土地の所有者は、建築費が下がることを期待していたのかもしれませんが、その後のウッドショックやウクライナ危機、円安による建築資材の高騰により、下がる見込みは薄いと判断したのか、建築ボリュームを下げた建物が増えたように感じます。

先日、神戸市元町の駅前一等地が平面駐車場、との記事をみました。県有地であり、広さ約2200㎡、評価額は16億8000万円だそうです。

今後、この土地がどのように使われるかは不明ですが、高騰した建築費の問題を解決し、駅前一等地に見合った再開発計画が行われるか注目したいと思います。

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