Archive for the ‘公的価格・地価動向’ Category
5年で地価10倍の土地
太平洋戦争が終わって、日本経済が復興から高度成長、オイルショックを経てバブルが崩壊するまで、土地の価格、地価は上がり続けるといういわゆる土地神話がありました。
その土地神話がバブルの崩壊とともに崩れ去り、長い低迷の期間がありましたが、アベノミクスによる金融緩和などにより都心の地価は上昇に転じ、東京都心ではバブル期を超える地価となっている地点もあるそうです。
このように収益性・投資採算性に優れた従来の都心とともに、昨今ではニセコに代表される外国人富裕層による需要の増えたリゾート地の地価が急上昇しました。あるネット記事によるとニセコの地価は5年で10倍などザラ、とのこと。確かに年10%程度の上昇が続けば、地価は5年で軽く10倍を超えてしまいます。
先日、日銀が政策金利の上昇を決定し、好調な中国経済に陰りが見え始めた、との意見がきかれる中、都心の地価と併せてニセコなどのリゾート地の地価が今後どうなっていくのか、注視していく必要がありそうです。
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戸建住宅市場の将来予測
従来の戸建住宅の常識を破る価格設定で市場を圧巻したパワービルダー、安いだけではなく品質も悪くないという声を多く聞きます。
良いものが安いのですから、売れるのは納得ですが、ここに来てパワービルダー系の格安戸建住宅の売れ行きが落ちているそうです。
地価の上昇により仕入れ素地の価格も上がり、その他建築費や人件費などが上がっていることに加えて、金利の上昇懸念、上がらない給料など様々な要因が考えられます。
また、将来的にも少子化による宅地需要の減少懸念などよい要素の無い戸建住宅市場ですが、先日、住宅ローンに関する記事をみて感じたことがあります。
1.返済期間が50年の住宅ローン
2.夫婦での住宅ペアローンが利用が増えている
自己資金が豊富な人を除いて、住宅購入の際には多くの人がローンを組むと思いますが、上記1.2とも、資金的に余裕のない需要者が増えているのだと思います。
このような状況が続けば、戸建住宅市場は苦戦が予想されますし、パワービルダー系の企業の淘汰が進むかもしれません。
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2024年相続税路線価に思うこと
昨日7月1日、国税庁が2024年路線価を発表しました。相続税路線価は1月1日時点の土地価格を基準に張られているので、先に発表された地価公示価格に近い内容になっています。
今回の路線価の特徴は地価公示同様、地価は全国的に上昇傾向、中でも利便性や収益性に優れた都心部や、インバウンド需要に沸く観光地、半導体工場の進出により人口が増えている工業地の地価が上昇、があげられます。
特に最近急激に進む円安の影響により、外国人観光客に人気の観光地は異常な賑わいを見せており、オーバールーリズムの問題が深刻化する事態をなっています。
都心の収益物件やタワーマンション、リゾート地の観光施設なども外国人投資家による購入が多く、円安が続く間は日本の不動産が外資購入のニュースも続くものと思われます。
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立地適正化計画と地価の関係
少子高齢化社会が進み、今後、税自治体によっては立地適正化計画に基づいて都市機能を集約させる自治体が増えてきています。
河川や海岸の近くなど、災害リスクのあったり、都市中心部から離れたエリアを居住誘導区域外に指定し、人が居住するエリアをコンパクトにすることで、財政支出を抑える目的があります。
私が住んでいる名古屋市も、立地適正化計画が定められていますが、不動産の鑑定評価を行っていて、既成市街地であっても居住誘導区域外であったケースがありました。
居住誘導区域の内外を分ける明確な何か、例えば河川や大きな道路などはなく、都市計画図などを調べることで区域の内外が分かったケースではありました。
先日、居住誘導区域外の土地は地価が下がるエリア、との記事を見ましたが、現時点では特に需要が落ちている傾向はなく、地価への影響は小さい印象を持っています。
但し、今後、大きな自然災害で被害を受けたり、人口の著しい現象が進む自治体などでは居住誘導区域外の土地の地価が下がっていく可能性はあると思料されます。
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令和6年地価公示
今月26日、国土交通省より令和6年地価公示結果が発表されました。今回の地価公示、上昇が続いている三大都市圏、地方4市に加えてその他の地方圏でも上昇率が拡大傾向となりました。
特徴としては、金融緩和による低金利により余剰資金が不動産投資に流れていることや、コロナ禍後のインバウンド需要により都心部の商業地や観光地の収益性が向上していることに加えて、今回は北海道や熊本県において半導体工場の誘致に成功したエリアの地価が大きく上昇しました。
愛知県においては住宅地・商業地とも上昇が続いており、特に再開発の進む中区栄地区において公示地価が大きく上昇しました。
日銀の金融政策の変更や円安による物価高、個人消費の落ち込みが懸念される中、地価の上昇を牽引する不動産投資の動向が今後の地価を左右することになりそうです。
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地価動向報告結果
国土交通省は発表した地価動向報告によると、10月1日時点の三大都市圏と主要地方都市の80地点のうち98%、78地点が上昇したとの結果になりました。ちなみに残りの2地点は横ばい、下落はないということになります。
コロナ禍で特に商業地の多くの地価は下落しましたが、リモートワークの終焉によるオフィス回帰による事務所需要の増加が要因と考えられます。
住宅地は前回に引き続き全地点上昇とのこと、金利の上昇懸念や物価高などマイナスの要因が多い中、現時点において地価は上昇傾向が続いているようです。
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令和5年地価調査結果について
昨日19日、令和5年地価調査結果が発表されました。今回地価調査の特徴ですが、
・全国の全用途の平均変動率が2年連続で上昇し、上昇幅も拡大
・地方圏も+0.3%と31年ぶりに上昇
・インバウンド需要の回復によりその恩恵を受けた商業地や観光地の地価が上昇
・円安による製造業の国内回帰の影響か、特に半導体工場の誘致に成功したエリアの地価が上昇
・地方圏においても人口減少が続く都市においては地価の下落が止まらず、地価の二極化が進んでいる。
今回の地価調査結果、今年1月1日時点の地価公示と同じような内容になっています。円安によるガソリン、光熱費をはじめ各種財・サービス価格の上昇が続く中、特に都市部における土地需要は相変わらず旺盛であると言えます。
今後の地価動向ですが、景気の減速及び金利の上昇懸念がある中、駆け込み需要を中心とした買い急ぎや過熱した投資需要がこのまま続くのか予測が難しい面があり、来年1月1日時点の地価公示価格結果がどのようになるか注目されるところです。
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2023年路線価と今後の地価動向
昨日、国税庁より2023年の路線価が発表されました。
全国平均は2年連続で上昇、金融緩和の影響を受け、都心部の駅近物件やインバウンド需要が回復した観光地の地価が上昇する一方、これらの恩恵の薄い地方圏は地価の回復が鈍く、下落が続く県もあります。
ウッドショックや建築資材の高騰、円安による物価高などのマイナス要因がある中、都心部を中心に地価は上昇しており、日銀による大幅な金融政策の変更がない限り、地価は上昇を続けるとの予想が多く聞かれます。
平成期のバブル崩壊により消え去った土地神話、資本主義経済が新たな局面に入った今、新たな土地神話が生まれるのかもしれません。
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令和5年地価公示結果に思うこと
昨日、3月22日に令和5年地価公示結果が発表されました。結果の詳細については、国土交通省のホームページに公表されていますし、新聞、インターネットなどでもニュースになっています。
今回の地価公示、私なりに注目していたのは、
1.アベノミクスに伴う金融緩和の影響と金利上昇の懸念
2.コロナ禍からの回復とその程度(コロナ禍前の水準に戻ったか、又は超えたか)
3.円安による物価高、建築資材の高騰が不動産価格に及ぼす影響
の3点になります。
1、2に付きましては、都心部を中心とした優良な土地(駅近や住環境のよい地域)については、金融緩和の恩恵を受け、地価は上昇しました。地価公示結果からは金利上昇の影響は見られませんが、今後、不動産価格への影響は避けられないものと思料されます。
コロナ禍の影響ですが、今回の地価公示で観光地の多くで地価が上昇しており、インバウンド需要が回復していることを反映した結果と考えられます。
3について、地価公示結果を見る限り、その影響は少なかったと思われますが、建築資材等物価高は続いており、今後の懸念材料であることは確かだと思います。
あと、愛知県をはじめ、工業地で上昇地点が多く見られまました。ネットショッピングの普及等により物流倉庫用地の需要が増えており、高速道路などへのアクセスのよい工業地の跡地で高額の取引が見られた結果だと思います。
工業地は円安により製造業の国内回帰が言われており、今後、物流倉庫用地と共に純粋な工業地の地価も上がっていくことが予想されます。
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令和4年、都道府県地価調査結果
9月20日、都道府県地価調査結果(7月1日時点)が発表されました。
その中でも愛知県は住宅地が平均+1.5%、商業地が+2.3%の上昇、2年連続の上昇となりました。
住宅地の上昇率を押し上げた要因は、自動車関連産業が盛んな西三河地域や名古屋市内の駅近の住宅地の需要が旺盛であることに加えて、名古屋市や西三河への利便性に優れた、価格に割安感のある地域の土地需要が増えたことが上げられます。
商業地については、都心や路線の集客がコロナ禍前の水準にほぼ戻ったことに加えて、コロナ禍前から続く投資家による不動産需要が増えているとが地価上昇の要因と考えれれます。
住宅地、商業地とも地価上昇が続く名古屋市及び西三河地域ですが、円安や物価上昇、金利上昇への不安から今後、不透明感が増していくものと思料されます。
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