Archive for the ‘特殊な不動産’ Category
エリザベス女王が過ごした住居の価格は特殊価格
不動産の鑑定評価によって求める価格(価格の種類)には、正常価格(市場性を有する不動産の市場価値)、限定価格(不動産を併合や分割する際に市場が限定される場合の市場価値)、特定化価格(法令等による社会要請を背景とした不動産の経済価値)、特殊価格(文化財等の市場性を有しない不動産の経済価値)があります。
先日、イギリスのエリザベス女王が結婚後数か月過ごしたマルタ島の住居が7億円超で売りに出されたとの記事がありました。広さは約1,560㎡、1900年頃に建てられた歴史的建造物だそうです。ちなみに修繕は行われたばかりで利用できる状態だそうです。買うのは居住目的の大富豪か、商業施設、宿泊施設として使用する実業家でしょうか?
このような不動産ですが、歴史的な文化財として利用しない場合は特殊価格ではなく正常価格として価格を求めることができる場合があります。今回のケース、やはり居住目的であっても何等かの価値は付き、特殊価格になると思います。ちなみに日本の芸能人の家などは正常価格でしょうか?特殊価格でしょうか?実際に遭遇したら判断に迷うと思います。
慰安婦像設置の土地の評価
何かと政治問題となっている慰安婦像ですが、韓国ではなく台湾にも設置された土地があるそうです。
その慰安婦像が設置された土地・建物について、競売が実施されたそうです。ただし、入札者はなく、再度入札を行う予定となっています。
この土地建物、日本でいう競売評価人の方が評価する場合、慰安婦像をどのように扱うかで迷うのではないでしょうか?像に価格をつけるのか、それとも撤去費を価格から控除するか・・。また、慰安婦像を見ることを目的に観光地化していて、ここで何かお店でもやれば収益があがるのか・・。興味深いところです。
不動産の価格は典型的需要者による最有効使用で決まることになりますので、そのあたりの分析・検討が重要になってくると思います。
解体費と不動産の価格
土地と建物を対象とした鑑定評価を行う場合、原価法(再調達原価・費用性に着目した手法)だと土地の価格と建物の価格をそれぞれ求め、その合計額から必要な場合は減価(市場性等)を行って試算価格を求めます。
ですが、建物が古かったり陳腐化していたりして取り壊して更地にした方がよい場合もあります。その場合は、更地の価格から取り壊し・撤去費用を控除して価格を求めることになります。
先日、ネットでアメリカの解体屋さんの動画を見ました。対象建物は湖畔に建つ別荘、広さは100㎡強あったでしょうか。現場で入札を行っていましたが、業者さんは、利益として2000ドル、入札額8500ドルと言っていましたが競り合いの中で6500ドルで落札・・・。原価割れを補うため別荘に残るお宝を探しすのですが、当てにしていたボートが無くなっていたり・・・。結局、工事代金+残留物の売却代金で750ドルの利益になったようです。
日本の標準的な戸建住宅の解体処分費が150万円~200万円位でしょうか。そう考えると、アメリカの解体処分費を8500ドルは安いということになりますが、建物がツーバイフォーで構造が単純ですし、処分場の余剰なども考慮すると概ね妥当な金額なのかと思いました。
殺人事件が起きた不動産
殺人、自殺を含めてそこで人が死んだ不動産は事故物件と呼ばれ、瑕疵のない通常の物件と比較した場合相当の減価が発生します。取引価格はおそらく市場時価の5割以下になるのではないでしょうか。
事故物件であってもそこで居住等するには何ら問題はないのですから、そのような事情を気にしない人にはお買い得な物件だといえます。実際、事故物件のみを取り扱っているHPサイトもありますから。
先日、ネットニュースに殺人事件が起きた豪邸がネット公売で売り出された、との記事が出ていました。売り出し価格(最低入札価格)は756万円、新築時の価格が約2億円、現在でも4000万円程度の価値はあるとのことです。ちなみにこの物件は1111万1100円で落札されたそうです。相場の4分の1程度の価格になります。
落札者の属性はわかりませんが、自己使用目的なのか転売目的なのか、建物は取り壊すか、など興味は尽きません。将来的な転売を目的とした投資目的の可能性も否定できないと思います。
Newer Entries »