Archive for the ‘鑑定評価の話’ Category

公園の近くの住宅地

2022-08-04

最近、地域に保育園の計画があると反対運動が起きることがあると聞きました。朝晩、送迎の車で道が渋滞したり、園児の声が煩いことが理由のようです。

先日、公園近くの物件の住み心地は?との記事を見ました。公園は緑があったり、子供の遊び場が確保できたり、特に子育て世帯からは歓迎されると思っていましたが、やはりデメリットもあるようです。

前記の保育園と同様、子供の声が煩いと感じる方もいますし、最近では浮浪者の方が公園で空き缶を一時保管していたりする光景も見られます。浮浪者が滞在していたり、夜、不審者が屯している、との話を聞くこともあります。

このような公園の近くの住宅地を鑑定評価する場合、通常は増価することはありませんが、管理や環境が著しく悪い公園の場合、周辺利用の状態などの項目で減価することも考えられます。

本来、皆が楽しむ場所である公園が、一部利用者のモラルの低下で減価要因にさえなってしまう、残念に思います。

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店舗付住居の鑑定評価

2022-06-28

私が子供の頃、近所の商店街や路線沿いには連棟式の店舗付住居が沢山建っていて、そのお店でお買い物や食事をしたものです。内階段を使って店舗と住居を行き来するのが一般的で、お店の入口が玄関、又は家族は勝手口から出入りしていました。

個人商店の減少に伴い、店舗付住居も少なくなってきましたが、最近、店舗付住居が増えている、との記事を見ました。その記事では、そのような物件を「小商い物件」と呼んでいました。

このような店舗付物件の鑑定評価は、原価法、取引事例比較法を適用して価格を求めることになりますが、重視すべき価格の判断に迷うことが多いです。収益物件であり高めの賃料が設定されるのが通常ですが、競争力が弱い物件などでは専用住居に近い賃料であることも多く、収益価格は低めに試算される傾向があります。

このような場合は、所有者自ら店舗及び住居として使用することが一般的と判断し、積算価格を重視して鑑定評価額が決まると考えられます。

ちなみに私の事務所も2階、3階が住居となっており、今、流行りの小商い物件です。

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築30年の中古住宅の価格

2022-05-30

以前は木造の個人住宅の建物は、築20年を超えると価値ゼロと言われましたが、通常の使用であれば、築20年程度でも継続して居住は可能であり、いくらかの価格が付くことが多いです。但し、老朽化や陳腐化が激しい場合は、価値ゼロ、又は取り壊し最有効で鑑定評価を行う場合もあります。

先日、築30年以上の中古住宅は築5年以内の半値、との記事を見ました。築30年経つとさすがに建物価値ゼロとなることが多いのですが、その場合は土地の価格のみが中古住宅の価格となります。

築5年程度の中古住宅は値落ちが少なく、買い得感がないため売り難いと聞いたことがありますが、築5年で土地価格=建物価格、30年で建物価格ゼロで土地価格のみ=半値、という内容でしょうか。

最近は中古住宅が見直され、リフォームして住みたいという需要者も増えているようです。中古住宅の購入の際、一つの目安になる考え方だと思います。

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太陽光発電設備のある家の鑑定評価

2022-05-24

少し前から話題になっていた東京都の新築戸建住宅の太陽光発電設置、条例で義務化される見込み、との記事を見ました。土地や建築資材の価格高騰が続く中、不動産、建築業者の方はもちろん購入者にとっても厳しいことになりそうです。

その太陽光発電設備のある家の鑑定評価、私は遭遇したことはありませんが、実際に稼働するのであれば、建物価格に何等かの増加要因として考慮する必要があると思います。

設置された際の工事費等の価格がわかる場合は、設備として価値を判定することになりますし、中古等で取得費がわからない場合も、間接法にて価格を求めることになると思います。

今後、太陽光発電設備のある家が普及した場合、一般的な建物設備とは切り離し、発電設備を単独で評価する方法を検討する必要が出てくるかもしれません。

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再建築不可物件の鑑定評価

2022-05-22

再建築不可物件とは、建築基準法施行以前に建てられた既存の建物が現行法の建築要件を満たしておらず、既存の建物を取り壊して再建築が出来ない不動産を言い、接道要件不足やがけ地などに建つ物件が上げられます。

旗竿地や無道路地など、建築基準法上の道路に2m以上接面していない土地の鑑定評価は、道路用地を買収して接道要件を満たすことは理論上可能であるため、計算式によって減価額を求めることも可能です。また、がけ地の場合、現行の擁壁を取り壊して再構築することで建築許可が下りる場合は、それらに要する費用を土地価格から控除して鑑定評価額を求めることになります。

また、接面道路が建築基準法上の道路以外の道である場合、例えば昔からある長屋のような建物で、細い私道の奥にある土地などの場合、再建築は極めて困難となります。

このような不動産を鑑定評価する場合、建物の継続利用が可能な場合は建物の耐用年数を判定し、有期還元による収益還元法による収益価格を重視して鑑定評価額を決定することになると思われます。

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異臭の不動産価格への影響

2022-05-11

日照が制限されたり、騒音の酷い不動産の価格は減価が発生することになり、その減価額の算定が問題になります。日照ですと、日照が阻害される前後の日影図などを作成し、減価額を判定することが一般的です。騒音の場合も同様に、実際の騒音のデシベルを測り、許容される数値との比較から減価額を判定する方法が考えられます。

先日、ネットで異臭のするマンションの記事を見ました。豚骨等のラーメンのスープを大量に作っていたことが原因だったそうです。

このような場合はスープの作成を止めることで解決しますが、臭いを排除することができない場合、不動産の減価の合理的な算定は難しいと思います。このような不動産を鑑定評価する場合、財産評価基準などの数値や、過去の判例などを参考にして減価額を判断することになると思われます。

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相撲部屋の鑑定評価

2022-05-01

相撲部屋は、お相撲さんが生活したり稽古をしたりする建物で、稽古場はもちろん、ちゃんこ場(広めの台所?)、力士達が寝泊まりする部屋などからなっており、一般的な居住用建物とは違う造りになっています。

最近では、引退した力士が年寄りとなって部屋を起こす際、新たに土地建物を購入することが難しく、定年した年寄りから相撲部屋を購入するケースも多いようです。

このような特殊な造りの相撲部屋を正常価格で鑑定評価した場合、買い手が限定されるため何等かの減価は発生すると考えられます。相撲部屋の多くは東京の都心に位置しており、最有効使用が何であるかの判断から、その最有効使用での建物が可能であるなら、そのための費用(稽古場やちゃんこ場の撤去や他の用途への転換に掛かるリフォーム費用)などを控除した価格になると思われます。

実際に売買されることのなる相撲部屋、どのように取引価格が決定されているのか興味深いところです。

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地下埋設物のある鑑定評価

2022-04-25

土地の鑑定評価をする際、基礎杭がある等、外観から明らかに地下埋設物の存在を推測させる場合は少なく、その殆どが地中に存在していることになります。エンジニアリングレポートを頂けたり、聞き取り調査から地下埋設物の存在がわかるケースもありますが、鑑定評価においては過去地図や閉鎖登記簿、過去の航空写真などを頼りに地歴調査行います。

もちろん、依頼者の方から費用を頂ける場合はボーリング調査なども可能ですが、広い土地の場合にはその費用も膨大となってしまうという問題もあります。

先日、長野県の空き家解体中に地中よりコンクリート破砕機が出てきた、との記事をみました。当初は拳銃、筒状のダイナマイトの可能性があるとのことでした。

名古屋市でも、リニモの工事現場から不発弾が発見されたり何かと問題になる地下埋設物、後から発見されることも多く地下埋設物のある土地は不動産鑑定士泣かせの土地といえます。

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最高裁が路線価方式を否認

2022-04-19

相続税路線価は、土地の相続税や贈与税の算定の基礎となる価格で、実勢価格(時価)の8割程度とされています。なので、納税者は時価より2割安い価格を基準に算定された税額を支払っていることになります。

今日、最高裁が路線価方式にて算定されて相続税を否認し、鑑定評価書に基づいた相続税額を適正とする判決を下しました。行き過ぎた節税対策を前に、鑑定評価額をもって相続税を計算するという例外規定を認めた判決となりました。

相続税等の申告の際、鑑定評価書は通常、個人の方が時価が相続税評価額を下回っていると判断した場合、例えば相続財産ががけ地や無道路地などの場合に依頼されることが多く、今回は国税庁が鑑定評価書を用いるといった点で珍しいケースとなりました。

今回の判決によって、今後、富裕層の節税目的での不動産購入に一定の歯止めがかかるものと思われます。

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船の鑑定評価

2022-04-17

日本の不動産鑑定士は、不動産の価格賃料、権利などの価値を判定することが主な業務ですが、お隣の韓国の鑑定士は、不動産以外の動産、宝石や美術品、船舶などの鑑定も行っていると聞いたことがあります。

先日、ロシアの沈没した巡洋艦の価値が約950億円との記事を見ました。軍用艦の場合、ベースとなる部分に加えて装備が加わるため、価格も高額になると思われます。それにしても高額ですね。

軍用艦は船の価格に加えて軍の装備品の知識が必要となるので、鑑定評価は極めて難しいものになると思います。

ちなみに今回の巡洋艦の価値ですが、同クラスの他艦から推定したそうです。不動産の鑑定評価でいう、取引事例比較法の考え方と同じですね。

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