Archive for the ‘不動産の価格’ Category

不動産価格のAI査定

2025-06-25

今まで人が行っていた作業をAIが行う場面が増えています。以前は簡単な内容のものが殆どでしたが、最近では文章を作ったり、小説を作ったり、イラストを造るものまで現れました。

近い将来、AIに仕事を奪われる場面は増えていくと思われますが、士業のような専門職も例外ではなく、不動産鑑定士も無くなってしまうかもしれません。

先日、漫画「サザエさん」の家をAI査定した場合の価格が出ていました。場所は東京都世田谷区、土地約220㎡、建物約110㎡、価格は2億2383万円だそうです。

漫画の中のサザエさんの家は、築年を経た木造の平屋建てであり、建物価格はゼロ、取り壊し最有効になると思われますが、やはり東京の都心は土地だけで2億円超えになりますね。

AI査定、今後どのように進化・普及していくかは不明ですが、私たち不動産鑑定士もうかうかしていられない、と思う出来事でした。

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総戸数の少ないマンション

2025-06-19

マンションを建てられる土地は、容積率や前面道路、駅距離などに優れることが望ましいのですが、マンションの建物は規模が大きいので、土地の広さも重要になってきます。

昨今のマンション開発ブームで、マンション適地と呼ばれる開発素地は少なくなり、面積の狭い土地にもマンションが建てられるようになりました。

このような土地は当然、戸数が少なくなり、賃貸マンションと変わらないような規模のものも出てきました。

先日、買ってはいけないマンションの特徴について書かれた記事を見た際、総戸数30戸以下のマンションはスルーすべきとありました。1戸あたりの修繕積立金の負担が大きいことが理由だそうです。

物価高によりマンションの修繕積立金の額も上がっており、今後、更に上がっていく可能性もあります。

規模の小さいマンションは、比較的割安なものが多いですが、長い目で費用負担を考えると、お買い得ではないのかもしれません。

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投資物件の概算値

2025-06-18

不動産の鑑定評価を行う場合、まず、その不動産の概算値を周辺相場などから把握することが多いです。私は市街化区域の土地であれば路線価や公示地価、売り希望価格などから大体の相場観をもって試算作業を行っています。

先日、日産自動車の本社ビルの売却予想額を概算している記事をみました。場所は横浜市のみなとみらい地区、オフィス平均賃料及び空室率は三鬼商事のデータを使用して査定されていました。

試算の前提は三鬼商事発表の数値に加えてオフィス経費率を25%、期待利回り3%、4%にてそれぞれ試算されていました。

期待利回りですが、不動産価格が今後も上昇すると予想すれば低くなりますし、下落を予想すれば高くなります。それぞれの試算値の価格差は約200億円、1%の違いで大きな乖離が生じることになります。

東京圏では大規模なオフィスビルの売買が多くあり、利回りなどの把握も可能であることからある程度精度の高い概算値を求められると聞いたことがあります。

今回の売却予想額、今後のオフィス市場の動向を把握するためにも注視したいと思います。

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中古戸建住宅の価格

2025-05-30

新築戸建住宅の価格上昇が激しい昨今、中古戸建住宅の人気が上がっているそうです。

以前は中古と言うと、仕様や設備が古かったり、また、瑕疵の危険性などから敬遠されることから特に新築嗜好の方から敬遠されることが多かった印象です。

都心部の新築戸建住宅を買えない需要層が中古戸建住宅に流れるという話は聞きますが、以前ような価格の割安感は少なくなっている印象です。

立地に優れた質の良い中古戸建住宅は人気が高く、ある程度高値で売り出しても成約してしまうことも理由として考えられます。

先日、新築住宅であっても住んだ瞬間に資産価値は3割減、という言葉をみました。人が住んだ直後であれば新築に近い状態ではありますが、一度、人手に渡ったものは3割価値が落ちるそうです。

新築戸建住宅の価格が高騰する以前は、築浅物件は値落ちが少なく、売りにくいとは言われましたが、程度の良い戸建住宅を好む需要層が増えているからか、築浅物件の需要は多いとの声も聞かれます。

日本は中古住宅市場が発達していないと言われますが、築浅の程度のよい中古住宅が増えれば市場も活性化し、新築戸建市場を超える程の規模になるかもしれません。

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間口狭小戸建住宅のお話

2025-04-25

マンション価格の高騰により需要が増えている狭小戸建住宅、以前は土地面積100㎡未満を指すことが多かったですが、最近では50㎡を割り込むものまで現れました。

住宅地の多くは、間口<奥行、長方形の土地が多いのですが、その割合が大きい、所謂奥行長大地に家を建てるケースが増えています。

先日、幅3mの家、という記事を見ました。標準的な駐車場の幅が2.5mと考えると、その建物の幅がかなり狭いことが分かります。

ちなみにこの建物は1階駐車場、2階・3階にロフトが付いており、売り主によると狭さを感じない生活ができるそうです。

建物価格は延面積約30坪で約2400万円(税別)、土地代が安いことを考えると十分にお買い得感のある価格設定だと思います。

地価や建築費の高騰により今後、ますます増えていくと考えられる狭小戸建住宅、日本の住宅の新たなスタンダードになる予感がします。

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日本で一番お金持ちの村の土地分譲価格

2025-04-15

愛知県飛島村は人口約4600人の小さな村ですが、財政力指数が高く日本で一番豊かな市町村と言われています。

この飛島村にある埋立地が公募分譲される、との記事を見ました。土地面積は約7.2ヘクタール、購入者は名古屋港で港湾事業又は倉庫業を営む事業者であることが条件になります。

最低売却価額は45億3500万円、㎡単価は約6万3千円になります。

世界経済が落ち着かない現在、景気の先行きを占う意味でも購入する企業や落札価額などに注目が集まります。

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大規模スーパーの跡地価格と利用方法

2025-04-07

地方都市の中心部の空洞化が進む中、主要駅徒歩圏であっても大規模商業施設の撤退が続いています。

先日、富山県高岡市のダイエー跡地を市土地開発公社が購入した、との記事を見ました。土地の規模は約9500㎡、購入価格は8億6000万円とのことです。㎡単価は約9万526円、坪当たりにすると約30万円になります。

マンション需要の少ない地域なのか、建築費等の高騰により事業採算性が合わないからか高度利用ではなく、コインパーキングとして当面利用されるそうです。

コインパーキングは暫定的な土地利用であり、その後の土地利用方法が決まり次第他の用途に転換される予定とのことですが、先行きが不透明な状況が続いており、新たな利用方法の決定は難航しそうです。

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大規模工場地の売買価格

2025-03-17

沿岸部や内陸部でも高速道路などのインターチェンジに近い利便性のよいところに立地することが多い大規模工場、かっては都心に比較的近いところにも多く存在していました。

私が子供の頃住んでいた名古屋市東区にも、三菱重工や専売公社などの大規模工場があり、いわゆる企業城下町としての様相を呈していました。

先日、大阪府堺市にあるシャープ堺工場をソフトバンクが取得する、との記事を見ました。大規模なAIセンターとして利用するそうです。

対象となる不動産は土地約45万㎡、建物延床面積合計約84万㎡という巨大なもので、価格土地建物で約1000億円だそうです。

撤退した後の大規模工場は買い手が限られ、特に最近では建物を取り壊してマンションなどの大規模開発されることが多いのですが、今回はデータセンターとしての利用であり、工場建物の多くが再利用されると思われます。

今回のケース、社会経済的利益保護の見地からも望ましい売買取引だと思います。

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閉店した地方百貨店の土地建物価格

2025-03-05

円安による割安感から外国人による高額な不動産取引のニュースが報道される中、経済の衰退が進む地方の百貨店は閉店が進み、その跡地の利用もままならない状況が続いています。

以前、コラムでも書きました青森県弘前市の百貨店の土地建物が売却されるかも、との記事を見ました。倒産した旧百貨店であり、任意売却による方法になります。

期待される回収額は約9000万円、在庫品の処分も含めた価格だそうです。

建物の価値を含めた価格か取り壊しを前提とした価格かは不明ですが、都市部のマンションが1億円を超える時代に百貨店の土地建物が約9000万円・・・、都市部と地方の格差を象徴したニュースだと思います。

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徳島県知事公舎の落札価格

2025-02-06

国や自治体、企業などの遊休不動産の売却が進む中、老朽化の進む知事公舎の売却の話も多くなりました。

徳島県の知事公舎も一般競争入札にかけられ、約1億6500万円で落札された、との記事を見ました。最低落札価格は約8300万円とのこと、約2倍の価格で落札されたことになります。

対象不動産土地は約710㎡、建物は1992年築の平屋とのことですが、築年から推測するに、落札価格土地のみ又は建物の取り壊し費用も考慮した価格だと思われます。

今後は分譲マンション用地となる予定ですが、高度利用が可能なのでしょうか、マンション用地としては少し狭い印象があります。

金利の上昇や先行き不透明な景気の動向など懸念材料は尽きないですが、開発業者は地方であっても立地のよいエリアのマンションの需要増は続くと読んでいるのだと思います。

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