Archive for the ‘不動産のお話’ Category
土地価格と方位の関係
土地の接面方位は住宅地の価格形成要因となっており、住宅地では通常、北、西、東、南の順に土地価格は高くなります。特に南方位の住宅地は、日照や採暖に優れることから好まれる傾向が強く、居住環境は必要とされない商業地や工業地では方位格差をつけないのが一般的です。
最近、南方位の住宅地の優位性について懐疑的な記事をよく見かけます。地球温暖化などの影響で、夏、暑いことが理由のようです。特に、最近人気のあるタワーマンションの高層階においてその傾向が堅調だそうです。
私見ですが、私は予算に制約がないのなら南方位の土地、又は北方位であっても南北に長い帯状地で日照が確保できる土地を選んだ方がいいと思っています。理由は、夏の暑さは遮光するなどの対策で暑さをある程度緩和させることが可能ですが、冬の日照時間が短い期間、日照時間と室内の暗さは防ぎようがないからです。地価の高騰ととも増えている3階建ての戸建住宅が南側に建つようなことがあれば、住環境は一気に悪化しますし。
最後にタワーマンションの高層階の場合、方位ではなく景観で価格が決まる傾向があるため、南向きであることを重視して部屋を選ぶ方は少ないと思っています。
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地球温暖化と地下室
地下室のある家は建築費が割高になるため日本の一般的な住宅ではあまり見かけませんが、海外では趣味の部屋や食料などを備蓄するスペースとして利用されることが多いようです。また、最近は容積率の不算入などのメリットがあるため、都心を中心に地下室付きの家もみられるようになりました。
先日、日本の気温が50℃を超えたら住まいはどう変わる、という記事を見ました。その中で、新築戸建ては地下室が標準装備されるのでは、との予想がされていました。
地下室は直射日光が当たることがないため室温が安定しており、夏涼しく冬暖かいと言われます。RC造のため密閉性が高く、電気料金が高騰する中、効率的な断熱効果も期待できます。
ちなみに私の事務所は、1階RC造、2・3階木造の混構造の建物ですが、1階部分はほぼ地中にあり、夏はかなり涼しいです。
地階のある家、平均気温の上昇と電気代・燃料費の高騰が続くようなことになれば、本当に標準的になる日が来るかもしれません。
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木造の高層ビル
最近、木造の高層ビルが増えています。建築技術の向上で耐震性や耐火性能の問題をクリアできたたことが理由のようです。また、環境負荷の低減効果も大きく、解体・廃棄の際のco2も従来より削減されるとのことです。
建築技術の向上は目覚ましく、木造の高層ビル以外でも以前は建てられなかった奇抜な形や窓の大きい建物が建築可能になった、と聞いたことがあります。
この木造の高層ビル、デメリットは建築コストで同等の性能をもつ4階建てS造の建物より建築費用は2割増しとのこと。また、昨今のウッドショックにより木材価格が高騰しており、需要は資金力のある法人に限定されるものと思われます。
記事には出ていませんが、鉄鋼で躯体を組むRC造やS造より耐久性は劣ると考えられます。従って長期的に見た場合、木造の高層ビルの方が建て替えのサイクルは短くなると思われます。
木造の高層ビル、今後普及していくか注目して見守りたいと思います。
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狭い家のお話
マンション価格や地価の高騰により増えてきた狭小戸建て住宅、以前は面積が100㎡未満の敷地というイメージでしたが、最近では土地面積が50㎡を割り込む戸建住宅も見られるようになりました。
最も、このような狭小戸建住宅であっても、3階建てで建ぺい率や容積率をフルに使って建物の延床面積を確保するので、家族の生活に使用がでることはまずないと言えます。
一方、このような狭小戸建住宅ではなく、建物の延べ面積が狭い家もあります。居住する人数にもよりますが、狭いスペースを工夫して生活することが必要となります。
先日、狭い家の3つメリットという記事を見ました。掃除が楽、家族が何をしているかわかる、スッキリ暮らす工夫ができる、などが上げられていました。
物を捨てられない私は広い家が好きですが、限られたスペースで物を極力持たずシンプルに暮らす生活に憧れることもあります。
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中古住宅のリフォーム費用
建築費の高騰もあり、中古住宅に注目が集まっています。但し、中古住宅にも色々あって、築古で設備や使用が今風ではない物件から、築浅で新築に近いほど程度のよい物件もあります。
先日、中古住宅のリフォームに関する記事を見ました。新築並みにリフォームすると、費用は1000万円程度になるようです。私も以前、フルリフォームした中古マンションを見ましたが、間取りなども変更されていて新築に近いほどきれいでした。
中古住宅のフルリフォーム費用ですが、一般的な相場は250万円~300万円と聞いたことがあります。このくらい出すと、水回りから壁紙、フローリングなども交換され、新築に近い感覚が味わえるそうです。
中古住宅、支出を抑えて古さを我慢するか、お金をかけて新築に近い感覚を味わうかに分かれると思いますが、私は中古住宅にお金をかけるなら新築を買いたいと思います。
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賃貸併用住宅のお話
賃貸併用住宅とは、自ら居住する部分と賃貸に供する部分が併存する建物であり、建物の一部を貸すことで家賃収入を得ることができるのが特徴です。
但し、建物の建築費は自用や賃貸専用建物より割高になる傾向があり、また、間取りや戸数によっては十分な家賃を得ることができず、賃貸併用にする意味が薄れる危険性もあります。
以前は、屋上階をペントハウスにする賃貸併用住宅をよく見ましたが、最近は少なくなった感があります。やはり立地がよい土地であれば、少しでも賃貸部分を多くし、収益性を重視する投資家が増えたことも理由だと思います。
家賃併用住宅は、自らの居住と家賃収入を両立できるメリットはありますが、建築費の動向などを見ながら慎重に判断する必要があると思います。
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過小地にバイクガレージのお話
対象地の地積が周辺の標準的な画地面積に比して著しく小さい土地を過小地と呼ぶことがありますが、そのような土地の鑑定評価を依頼されることがあります。
過小地の鑑定評価を行う場合、利用価値が劣るため減価が生じることになりますが、建物が建つ場合と建たない場合とでは、減価額に大きな違いが所持ます。当然、建物が建たないような過小地の場合、減価は大きくなりますが、その不動産の最有効使用の判断も難しいものとなります。
ガレージや倉庫などの利用が考えれるところですが、最近は、バイクガレージとしての利用も増えているみたいです。最近のバイクは高額になっていますし、盗難のリスクを避けるために、バイクガレージを借りる需要も増えており、投資物件として注目されているみたいです。
バイクガレージ投資ですが、まず、土地の価格と市街地からの距離のバランスが重要だと思います。土地の価格が高額ですと十分な利回りの確保が難しく、需要者が利用しにくいほど離れた土地では空きのリスクが高くなります。
私も以前、過小地にバイクガレージ投資を考えている方から相談を受けたことがありますが、今後、普及していくか注目したいと思います。
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新しい街の住宅地域
コロナ禍でリモートワークの普及及び在宅時間が増加するとともに、戸建住宅の人気が上がっています。駅近の好立地の物件はもちろん、郊外の住環境の良い住宅地の価格も上昇傾向にあります。
郊外の住宅地、その中でも土地区画整理事業等で新しく開発された街、長久手市ですと市が洞、日進市ですと竹の山など、開発された当初から人気が高く、現在も根強い人気を誇っています。
このような新しい街は、小学校などのインフラが新しいことはもちろん、住んでいる方も殆どが他から引っ越してきた方なので、人間関係の構築が楽なことも人気の理由だと思います。既存の街ですと、やはり新顔の人は肩身が狭いですから。
先日も転入した人が周辺の人間関係で苦労する話を聞き、改めて新しい街の魅力を実感した次第です。
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物流倉庫のお話
ネット通販の拡大とともに需要が増えている物流倉庫用地、特に系統・連続性のよい幹線道路沿いや高速道路のインターチェンジに近い面大地に高額で取引が続いています。
幅員が広く、系統・連続性のよい土地等、物流倉庫適地の要件を満たせば、立地は市街地である必要性は低く、郊外の農地地域の中であっても物流倉庫適地になります。
ネットで、愛知県一宮市にある水田を埋め立てて物流倉庫にする計画がある、との記事を見ました。広さは約3万3000㎡、24時間稼働の予定であり住民から建設反対の声が上がっているそうです。
盛土や造成の必要性があり、地盤も劣ることになる水田跡地、全国的に物流倉庫適地が少なくなる中、今回のような水田を転用しての物流倉庫の建設、それに伴って発生する問題も多くなりそうです。
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地価と災害リスクの関係
大規模な自然災害が続く昨今、災害リスクに対する注目が高まっています。特に、津波や河川の氾濫、土砂災害など、人命の危険にかかわるような災害の発生の高い地域は敬遠される傾向があり、地価も下落するのが一般的です。
先日、国土交通省が公示地価、都市計画、災害リスクなどを閲覧できるサイトを構築すると発表しました。用途地域、浸水想定区域や学校区なども一括で見られる見込みです。
このような不動産に関係する情報は、自治体などが運営するHPでも閲覧可能なことが多いですが、全て一元で管理することで、不動産の取引の活性化につなげることが目的だそうです。
地価と災害リスクの関係ですが、災害リスクの高い土地は取引も少なく、かつ取引価格も相対的に低めになることが多いので、購入を考えている土地の価格が周辺地価と比較して著しく低い場合は、災害リスクを疑ってみることをお勧めします。
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