Archive for the ‘不動産の価格’ Category

幅1.8mの狭小住宅

2024-06-19

都心部の地価や建築費の高騰により急速に増えてきた狭小戸建住宅、中には延面積が60㎡以下の見られるようになりました。

先日、アメリカの首都ワシントンD.C.に、一番狭いところの幅た1.8m(約1間)の住宅という記事を見ました。敷地は約65㎡、かって私道だった土地とのことで、建物は長細い帯状地に建っているようです。

気になる価格ですが、売り出し価格は約80万ドル、現在は値下げして約57万ドル(約8千9800万円)だそうです。

狭小住宅は物を極力持たないことで快適な生活ができるとの意見もありますが、生活スタイルは戸建住宅よりもマンションに近いイメージがあります。

日本でも今後ますます増えるであろう狭小戸建住宅、物価上昇が続くアメリカでも増えていく予感がします。

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擁壁のある土地の鑑定評価

2024-06-17

擁壁のある土地鑑定評価する場合、その擁壁の状態と確認し調査することになりますが、既存の擁壁が使用可能か否かで鑑定評価額が大きく変わることになります。

既存の擁壁が古く、クラックや反り、水抜き穴が不備などの場合、既存の擁壁は撤去し打ち直すことになりますが、擁壁の高さや長さ、隣接地の状態のよっては多額の費用が必要となります。

先日、野面積みで擁壁を造る職人の方の記事を見ました。とても美しく積まれていましたが、現在でも野面積みの擁壁が新設されていると知り驚きました。

現在はコンクリート擁壁、間知ブロック擁壁が代表的であり、間知石や野面の擁壁は新設では殆ど見かけなくなりました。

野面積みの既存擁壁を見かけなくなったのは、熟練の職人がいなくなったことに加えて、耐震性の基準が厳しくなったからだと思料されます。

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特定の用途に供された不動産の価格

2024-06-14

不動産の鑑定評価を行って求める価格は、通常、正常価格であり、正常価格は一般的な市場で売買される価格、すなわち時価(実勢価格)となります。

このようなことを前提とすると、特定の用途に供された特殊な不動産は売買が難しく、鑑定評価額も低めに決定されることが多いです。

先日、京都市の出先機関の土地建物の売却が難航している、との記事を見ました。場所は観光客で賑わう東山区にあり、立地的には一等地とされています。

問題は、建物内にある職員用のお風呂と駐車場地下にある巨大な給水槽の存在です。建物は特殊な配置となっており、特に給水槽は売却不可とのこと。買い手が取り壊し再建築する際の設計に制限が掛かることになり、市場性は大きく劣ることになります。

今回のようなケースは名古屋でも見られ、当初は土地建物一括を売り手が希望しても、最後、更地を前提として売買されることが多い印象です。

ちなみに地下の給水槽は売却不可とのこと。駐車場部分は一部地上権の設定された土地として売買するのでしょうか?地上権の内容によっては、賃料徴収獲得も目的とする投資家が購入するかもしれません。

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駅近の目安は?

2024-06-12

不動産鑑定評価の仕事していて、最近、不動産の二極化の傾向がますます強まっていると感じます。私の住んでいる名古屋市名東区でも、地下鉄東山線沿線、その中でも人気のある星ヶ丘駅、一社駅、藤が丘駅の駅近はびっくりするほどの高値での取引が見れら、郊外、特に最寄り駅までバスを使用する圏域は値頃感があり、価格も横ばい傾向に感じます。

先日、駅近の定義は徒歩5分以内、と書かれた記事を見ました。昔は徒歩15分以内であれば十分徒歩圏でしたが、最近は10分を超えると競争力が落ちる印象があります。

私は名東区内の同じ町内で引っ越しをしたのですが、駅徒歩約8分から約13分と遠くなりました。今は慣れましたが、当初、徒歩10分超の上、歩く時間が5分長くなったこと、辛く感じました。

ちなみにこの徒歩圏の定義も地域差があり、春日井市に精通している不動産鑑定士の方の話では、春日井市は徒歩20分でも十分徒歩圏とのことです。

ますます短くなる駅近の目安、日本人が忙しくなったのか、体力が無くなったのか分かりませんが、駅近物件が好まれる傾向はますます進んでいくと思われます。

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景観権のお話

2024-06-10

最近、タワーマンションなどで夜景を楽しむことができることを売りにするものが多くなりましたが、これも景観権の一種と言えると思います。

このような景観権は、風景を楽しむことができる権利であり、当然、遮るものがあればその価値が無くったり半減してしまいます。

但し、このような景観権そのものを価格で表すことは難しく、景観権の阻害を理由に補償を求めても認められないことが殆どだと思います。

先日、東京で完成間近のマンションが解体される、との記事を見ました。富士山の眺望や日照阻害を理由に反対運動が起きていたそうです。

ちなみにこのマンションは10階建て、戸数は18戸と規模は大きくはなく、周辺住民は富士山が見える眺望の中にマンションが入ることを嫌がったようです。

マンションの建設計画が持ち上がると、周辺住民からの反対運動が起こることは多いのですが、完成間近での解体は稀なケースだと思います。

マンション建設が続く昨今、今回のようなケースが続くのか、注視したいと思います。

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築70年の木造住宅が3億円

2024-06-09

日本でも土地や建築資材、人件費などの高騰により住宅の価格上昇が続いていますが、激しいインフレの続くアメリカの住宅事情はさらに厳しいものになっているようです。

先日、アメリカ・カリフォルニア州のある街に建つ普通の家の売り出し価格が約3億円、との記事を見ました。この家は築約70年の木造住宅で、広さ105平米、寝室は3つと日本にある標準的な戸建て住宅並みですが、驚きの価格となっています。

ちなみにこの住宅が建つ街はシリコンバレー発祥の地として知られ、この3億円という価格も業界内では納得済とのことです。

「夢のマイホーム」という言葉がありますが、日本でも多くの庶民が家をもつことが夢で終わりつつある状況の中、既にアメリカでは家を持つことがアメリカン・ドリームの実現なのかもしれません。

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生活保護受給者向け施設のお話

2024-06-07

所得の格差社会が進む中、失業や疾病などを理由に生活困窮者をなり、生活保護を受給する人が増えています。

収入が少なくなると、食費や住居費の支払いに困ることになり、名古屋市など大都市の場合、市営住宅など公営の住宅を優先的に割当て、家賃などを減額または免除して生活困窮者を保護しています。

但し、自治体によっては公営住宅がない、又は少ないなどを理由に、新たに生活保護受給者向け施設の建築計画がなされることがありますが、やはり反対の声はあるようです。

先日、京都で生活保護受給者向け施設の建設が近隣住民の反対や建築費の高騰を理由に断念された、との記事をみました。

反対の理由は色々考えられますが、居住環境の悪化の心配や、中にはこのような施設の存在による周辺地価への影響を懸念する人もいるようです。

私も不動産の鑑定評価の仕事の中で沢山の不動産を見ますが、やはり地価への影響はあると感じています。

公共の福祉と個人の財産権の保護、どちらも尊重すべきことであり、反対による建設中止は苦渋の決断だったと思います。

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国登録有形文化財の鑑定評価

2024-06-03

国登録有形文化財は、国が建築物等の中でも歴史的・文化的価値のあるものとして指定するものですが、所有者が修繕・維持にかかる負担が大きく、手放すケースもあると聞いたことがあります。

先日、京都の学校法人が明治時代に建てられた国登録有形文化財とその土地を売却した、との記事を見ました。売却額は数十億円とのことです。

買い手である開発業者の方は、文化財としての価値を保つ方向で協議するとのことで、直ちに取壊しての開発は考えていないようです。

今回のような文化的価値のある不動産鑑定評価する場合、建物の価値をどう見るかがポイントになると思いますが、拝観料などが取れるような認知度のある寺社と違い、建物価格をつけることは難しいのでは、と思います。

日本の国力が衰退に入り、企業など法人の余力が無くなっており、今回のような国登録有形文化財の売却の話は増えてくると思われます。

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30年以上塩漬けの工業地の価格

2024-05-23

地価上昇が続く都市部では、従来からある大規模工場が住宅系、商業系用途に転用され、新たな街が造られるケースが増えています。

一方、地方圏では製造業の撤退が続き、工場跡地の再利用に苦戦することが多いのですが、先日、熊本県にある30年以上塩漬けの工場用地を一括売却、との記事を見ました。投資額は約4億8000万円、売却予定価格は約1250万円、売却予定価格は投資額の38分の1にあたります。

近年、物流倉庫用地の需要増により、高速道路のインターチェンジに近い大規模地で高額な取引が相次ぎましたが、今回のケースは幹線道路などへの接続性も良好ではなく、売却は苦戦が予想されます。

地方の工業地も半導体工場の誘致に成功し、地価が急上昇した自治体もありますが、極めて特殊なケースであり、地方圏の衰退は今後、進んでいくと思われます。

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戦争を生き残った土地建物の価格

2024-05-13

日本は木造建築の建物が多く、第2次世界大戦の際の空襲で多くの建物が焼失してしまいましたが、公的な建物などRC造のものは焼失を免れ、現在、使用されている建物もあります。

名古屋市内でも市役所や愛知県庁、市政資料館などは現在も使用されており、ロケなども行われるそうです。

先日、鹿児島県にある昭和初期に建てられた建物が、保存を条件に売却される、との記事を見ました。当初は解体予定でしたが、保存の声が高まったことが理由だそうです。

この建物は昭和6年築のRC造、地上3階地下1階建てで、価格土地建物で4億円以上とのことです。

建物の価値はおそらくゼロだと思うので、土地のみで4億円、プラス建物の修繕維持に掛かる費用を考えると、買い手は限られるのでは、と思います。

ちなみにこの不動産は隣接する土地と併せて7億円以上が希望価格とのことですが、買い手は現れるか、成約価格はいくらになるのか、興味深く思います。

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