Archive for the ‘不動産の価格’ Category
反社会的勢力の土地の価格
昨今では暴力団対策法などが整備され、このような勢力の事務所を新設することも難しくなりましたし、時々、事務所の立ち退きを要求する住民運動なども盛んになってきました。
少し前ですが、九州の反社会的勢力の本部事務所が売りに出された、との記事が出ていました。売買交渉を進めている自治体の鑑定評価額を上回る売り出し価格だったそうです。
ちなみにこの土地はマンション用地として売り出されたそうですが、減価が問題になります。やはり土地の履歴から何等かの減価は生じるものと思料されます。減価も、駅距離や前面道路、画地条件、容積率などに優れた土地であれば小さくなりますし、需要の弱い地域であれば大きくなると思います。
この土地は実際いくらで売れるのでしょうか?興味深く見守りたいと思います。
鑑定評価額と競売落札価格の関係
先日、古代エジプトのツタンカーメン王の頭像が474万6250ポンド(約6億4400万円)で落札されたとのニュースがありました。盗品の可能性がありますが、競売に出品され落札されました。
この競売ですが、インターネットオークションと同じ原理で最も高い価格を提示した人が購入権を獲得するもので、その価格が落札価格になります。鑑定評価額も同じ考え方で価格が決定され、簡単に言うと、その不動産を最も有効仕様できる人が市場で最も高い価格を提示することができる、その価格が鑑定評価額になるというものです。
ただし、競売評価人が行う競売の鑑定評価は、競売の開始価格(最低入札価格)を決めるものであり、鑑定評価額と落札価格とは必ずしも一致することありせん。現在は売却基準価格、落札価格とのホームページで見ることができるので、競売に興味のある方は、その価格差を調べてみるとよいかもしれません。
公共のごみ置き場と不動産鑑定評価額
不動産の価格は、隣地やその周辺に嫌悪施設があると下がることはよく言われますが、公共のごみ置き場も嫌悪施設にあたると考えられます。特に、自治会の規約(自治会員の同意が必要、等)であったり、ワイヤーや杭で固定されていて動かすことが困難な場合などは、鑑定評価額も下がると判断されます。先日、ネットニュースに、100万円払って他の家の前に移動をお願いする、との記事がありました。可能か否かは別として、資産価値で100万円以上の増加になれば、やる意味はあるかもしれません。
嫌悪施設ではありませんが、家の前に電柱やバス停がある場合、嫌な人はお金を払ってでも移動して欲しいと思うかもしれません。かなり昔、テレビで家の駐車場の前に電柱があり、駐車に困難している人が出ていました。ちなみに電力会社に交渉したところ、移設に当時の価格で30万円かかると言われ断念したと言っていました。
バス停はバス会社との交渉次第で移動可能とのことでしたが、実際、動かしたケースはあるのでしょうか?
最後に、携帯電話の基地局が減価要因になるか、と相談を受けたことがありますが、難しい判断になると思います。基地局との距離や高さ、地域(純粋な住宅地域か否か)などから判断することになると思います。
埋蔵文化財包蔵地の鑑定評価
今日、熊本市で遺跡の発掘中に作業中の男性が土砂に埋まり、一人が亡くなりました。ご冥福をお祈りいたします。
遺跡は試掘調査の後、本掘調査を行うことになりますが、試掘で重要な遺構でも出たのでしょうか?特に今回のようなマンション建設の場合、発掘費用は事業者負担になりますから、試掘で終わる場合が多いのですが。
鑑定評価の際、対象不動産が埋蔵文化財包蔵地であるか否かは当然調査することになりますが、私も何度か遭遇したことがあります。幸い、試掘調査のみで終了しましたが、試掘で遺構跡などが発見されると、本掘調査になり時間と費用が掛かります。当然、鑑定評価額にも影響することになります。
また、今回はマンション予定地であり、マンションの分譲価格や売れ行きにも影響が出るかもしれません。ここ数日大雨が続いていたとのこと、作業を延期することはできなかったのでしょうか。悔やまれます。
エリザベス女王が過ごした住居の価格は特殊価格
不動産の鑑定評価によって求める価格(価格の種類)には、正常価格(市場性を有する不動産の市場価値)、限定価格(不動産を併合や分割する際に市場が限定される場合の市場価値)、特定化価格(法令等による社会要請を背景とした不動産の経済価値)、特殊価格(文化財等の市場性を有しない不動産の経済価値)があります。
先日、イギリスのエリザベス女王が結婚後数か月過ごしたマルタ島の住居が7億円超で売りに出されたとの記事がありました。広さは約1,560㎡、1900年頃に建てられた歴史的建造物だそうです。ちなみに修繕は行われたばかりで利用できる状態だそうです。買うのは居住目的の大富豪か、商業施設、宿泊施設として使用する実業家でしょうか?
このような不動産ですが、歴史的な文化財として利用しない場合は特殊価格ではなく正常価格として価格を求めることができる場合があります。今回のケース、やはり居住目的であっても何等かの価値は付き、特殊価格になると思います。ちなみに日本の芸能人の家などは正常価格でしょうか?特殊価格でしょうか?実際に遭遇したら判断に迷うと思います。
越後湯沢のリゾートマンションと民泊
日本全国には多くのリゾートがありますが、現在、外国人観光客から人気なのは北海道のニセコと沖縄で、地価もその影響を受けて軒並み急上昇しています。
その中でもニセコは、夏は避暑、冬はスキーが楽しめ、羊蹄山をはじめとする風景も他のリゾートになく独り勝ち状態だそうです。観光客向けのコテージやリゾートマンションも多く建てられ、外国人の街といった様相を呈しているそうです。
他のリゾートは苦戦が続いており、バブル期に首都圏のスキー客から人気のあった越後湯沢のリゾートマンションは投げ売り状態となっています。売り募集のホームページを見ると、多くが10万円と表示されています。買い手も中々つかないのでしょう。
その越後湯沢のリゾートマンションで民泊をしている方がいるそうです。稼働率も比較的よく、150万円に価値を上げたとか。購入価格が安いので、上手にやれば元はとれるので投資物件として有望かもしれません。今後、このビジネスモデルが成功し、湯沢エリアが活性化していくか注目したいと思います。
中古マンション価格と築年の関係
中古マンションの鑑定評価を行う場合、原価法、取引事例比較法及び収益還元法を用いて価格を求めることになります。この中でも原価法は、まず、土地と建物の再調達原価(新たに同じ土地建物を調達する場合の原価)を求め、その価格に減価修正(耐用年数に基づく方法と観察減価法)を行って積算価格を求めることになります。
先日、ネット記事に中古マンション価格と築年との関係が出ていました。内容は、
1.築5年程度:新築価格の10%減くらい(売り急ぎ等条件によっては20%程度減)
2.築5年~10年:平均で25%減くらい(築12年を超えると35年住宅ローンを組めなくなるので人気が高いそうです。)
3.築10年以降:かなり割安になる。
築20年で平均40%減、築30年で平均60%減
だそうです。
以前、不動産業者さんが築5年程度の戸建住宅は新築との比較で割安感がなく、売りにくいと言っていましたが、中古マンションも同じですね。
あと、「中古マンションは管理を買う」との言葉もあり、築年数だけでは価格は決まりませんし、対象不動産ごとの管理や修繕・維持の状態(鑑定評価だと観察原価法を用いて減価額と求めることになります。)も価格に影響を与えるので、上記の数字は一般的な目安なのかな、思います。
山の鑑定評価額
山林の鑑定評価は、現況の山として使用する場合は現況山林として評価します。なので、周辺の山林取引から比準して求めた価格(取引事例比較法)と、桧林などで道路付きがよく、切り出して搬出することが可能であれば収益価格(林地希望価方式)から鑑定評価額を求めることになります。一方、造成して宅地とすることが最有効使用である場合は、宅地見込地としての評価になります。
先日、ネット記事で個人でのキャンプを目的に1万坪の山を丸ごと買われた方の記事が出ていました。キャンプはもちろん、山登りから自然散策まで年中アウトドアを満喫できますね。
ちなみにお値段は800万円だそうです。需要がなく値段がつかないと思っていた山ですが、このような需要が増えてくるかもしれません。
戸建住宅の価格
一般的な低層個人住宅(戸建住宅)は、土地とその上に建っている建物から構成されますが、普通は価格も土地と建物の価格を合計した金額になります(収益性の高い不動産などの場合は、一体で求められた価格が重視される)。
先日、ネットで東京都内で最安戸建住宅の記事が出ていましたが、八王子市内駅徒歩11分で500万円でした。この価格は名古屋でも難しいと思います。
この不動産の詳細は、築42年の木造2階建てで、老朽化が激しく、特に水回りは交換修繕が必要なようです。土地及び建物の面積は未記載でした。ちなみにこの物件の土地権利は所有権ではなく借地権、地代が月2万円とのことでした。
上記で述べましたが、今回の不動産は借地権付建物であり、建物の価値をゼロ円とすると、土地(借地権)の価格が500万円と言うことになります。やはり安いには訳がありますね。
ですが、借地権付建物は土地の公租公課(固定資産税・都市計画税)の支払いがありませんから、公租公課の額との比較で地代が割安であれば、お買い得な不動産と言えるかもしれません。
鑑定評価額と駅距離との関連
不動産は色々な要因によって価格が形成されますが、その中でも最寄り駅からの距離は重要な要因となります。一昔前は、駅から徒歩15分以内と言われましたが、現在では10分以内、理想は5分以内の不動産が好まれるようになりました。都心回帰や時代のスピード化などが原因と考えられます。
先日、ネットを見ていたら、「駅から1分離れるごとに100万円下落」との記事を見ました。㎡あたり18,000円の下落だそうです。統計から判断したのでしょうか、具体的な数字を上げた記事をはじめて見ました。その他も具体的な数字を上げておられましたが、競争力は戸建が徒歩15分目安、マンションは徒歩7分が目安だそうです。
不動産の鑑定評価をしていても、最近は駅距離で決まる傾向が強く、名声・品等に優れた地域を除き駅から徒歩圏外の住宅地域の競争力は劣る傾向があります。ですが、駅距離に拘れなければ、居住環境及び品等の良い住宅が割安に購入できるということでもあります。
将来的な価値(値上がり等)を期待しないのであれば、このような不動産に絞って探すのもいいのでは、と思います。
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