Archive for the ‘特殊な不動産’ Category

値下げしても売れない不動産

2020-11-07

先日、価格0円でも売れない温泉施設のことを書きましたが、地方の経済情勢及び不動産市場は相当厳しいことを物語っています。

今回は0円ではありませんが、値下げしても売れない不動産の記事を見ました。この不動産は青森県にある市出資のビルで、1998年に土地建物総額7億1千万円で購入されたそうです。土地は約2000㎡、建物はSRC造4階建てで延べ面積2200㎡、市の出資額は4億5千万円だそうです。

その後、第3セクターの業績不振により2016年に売却が決定され、2億円で入札実施も入札はなく、翌年、不動産鑑定評価を行い約1億2千万円に値下げして再入札を実施も不調でした。

今回の再募集の売却価格は税込み7200万円、完成から20年で約10分の1になったことになります。ちなみに現時点で希望者はなく、不調に終わりそうです。

不動産の価格は最有効使用に原則に基づき決定されますが、想定される利用者がいなければ価格はつかないことになります。この不動産、先日の0円の温泉施設にように売れないでしょうか?さらに値下げ(0円?)して買い手が付くでしょうか?興味深く見守りたいです。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

強盗に入られたタワーマンションの価格

2020-11-03

東京都心部や湾岸エリアを中心に急激に増えたタワーマンション、その価格は中古でも1億円を超える物件もあります。そのタワーマンションで先日、女優さんが強盗に入られ現金600万円を奪われる事件がありました。

有名人の自宅に強盗が入られて事件ということで、スポーツ紙やワイドショーで報道されたこともあり、このマンションは多くの人に特定されることになりました。プライベートを明かさないことが多い芸能人、強盗被害に加えての災難となりました。

このタワーマンションの1室を鑑定評価するとなった場合、今回の強盗事件が減価要因となるか問題になるかもしれません。ちなみに同マンションの住民の方は、イメージ悪化を心配しているとのことです。

私がこのマンションの1室を鑑定評価するとした場合、事件のあった部屋はもちろん他の部屋も減価しないで鑑定評価すると思います。この女優さんは、犯人ともみ合った際軽傷を負ったそうですが、減価を要するほどの大事件ではありませんし、買い手は購入を敬遠する理由にはならないと考えるからです。

他の不動産鑑定士ならどのように評価するでしょうか?減価するかしないか、興味深いです。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

サンフランシスコの超高層ビルが680億円で売却

2020-10-31

不動産鑑定士不動産の価格を決めることが仕事で、対象となる不動産は高額な不動産もあれば低廉な不動産の場合もあります。今回ネットで見た不動産は超高層ビル、話ではサンフランシスコのランドマーク的な存在のビルだそうです。

この超高層ビルが売却された価格は680億円、天文学的な数字ですね。ちなみにこのビルは今年2月に約743億円で売却されるとの報でしたが、新型コロナウィルス感染症の影響で値引きされた売却価格に決まったそうです。

私はこのような超高額な不動産の鑑定評価をすることはないと思いますが、日本でも取引のある超高額な不動産、実際に鑑定評価をやられた不動産鑑定士の感想を是非聞いてみたいと思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

価格0円の温泉施設

2020-10-30

不動産の鑑定評価を行う場合、対象不動産が土地建物で建物を0円(解体費等が生ずる場合はその金額を控除)にすることはありますが、総額で0円評価をしたことはありません。

ネットで、岩手県西和賀町が温泉施設7か所の売却先を公募し、その中の一つが売却最低価格を0円にしたとの記事を見ました。29日現在で応募はなく、買い手が見つからない状況となっています。

ちなみにこの売買には条件があり、書類審査、プレゼンテーションに加えて最低5年間は温泉施設として営業し、第三者に譲渡できないとのことです。0円は破格ですが、条件が厳しすぎるように感じます。

西和賀町は湯どころとして有名ですが、人口減少が続いており利用料増加が見込めない中、老朽化による修繕・維持費の負担があり購入価格0円でも十分な収益想定ができないことが理由だと思います。

前記で0円鑑定評価をしたことがない旨記載しましたが、今後、地方など過疎化が進んだ地域などでは0円の鑑定評価額不動産が出てくるかもしれません。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

近隣で事故のあった不動産の価格

2020-10-19

過去の殺人事件や事故死などがあった不動産は事故物件と呼ばれますが、当然、売買や賃貸は困難となり価格賃料は下がることになります。特に、凶悪事件があった物件などは、そのまま売買や賃貸に出すことが難しく、取り壊されることもあります。

その事故が不動産価格に与える影響ですが、対象となった不動産に減価が発生するとして、その近隣周辺に影響を及ぼすかが問題となります。

名古屋近郊での話ですが、殺人事件が起きた不動産の近隣で売り物件が出たそうですが、中々買い手がつかず相場よりも安い価格で取引された、とのことです。地方の不動産取引は地縁的な人間関係に基づくものが中心であり、風評を恐れて買い手が少なくなり、取引価格も安くなったと考えられます。

一方、都心の住宅地域においては、事故物件の近隣までマイナスの影響が続くとは考えにくく、当初は販売に苦戦するかもしれませんが、相場に大きな影響はないものと考えられます。

不動産の鑑定評価額は想定される需要者で決まることになり、地縁的な取引が中心の地方と想定される需要者の存する圏域の広い都心部では事故の不動産価格への影響の程度も違ってくると考えられます。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

河川のそばの土地価格

2020-10-08

近年多発する自然災害の影響か、以前以上の河川のそばの土地は敬遠される傾向があります。大雨の時など河川が氾濫し、冠水の恐れがあることが理由です。また、小さな川や水路であっても、悪臭や虫の発生などから近接する土地の価格は安くなることが多いです。

先日、ネットで河川のそばの土地は投資マンションには最適、との記事を見ました。採光窓を取りやすいことが理由だそうです。確かに、建物想定でボリュームチェックをする際、敷地北側が河川だと日影規制にかかる建物がないので敷地を有効に利用できる利点があると思います。

以前住んでいた地域にも、前面道路の幅員は狭いですが、北側が河川のため分譲マンションを建てられたケースがありました。

経験豊富な投資家の方は、柔軟な発想で投資に有利な土地を選ばれますね。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

沖縄県宮古島のドイツ文化村の鑑定評価額

2020-10-06

先日、沖縄県宮古島市がドイツ文化村の売却を検討、との記事を見ました。但し、まだ売却が決まったわけではなく、売却を含めて検討、とのことです。今後、市は土地や建物評価を確定させる方針だそうです。

宮古島市はドイツ文化村の鑑定評価を行い、その評価額から今後の方針を決めると考えられますが、非常に難しい評価になると思います。

宮古島がインバウンドによる訪日外国人の需要が見込めるのであれば、ホテルなどに転用利用する事業者などが需要者として想定されますが、現在はコロナ禍で先が見えない状況にあります。

1996年オープンとのことで建物の老朽化も見られ、修繕費も多額になることが予想されます。

このドイツ文化村の鑑定評価額、どのような価格になるかとても興味深いです。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

事故物件の鑑定評価額

2020-10-04

殺人事件や自殺などがあった不動産は事故物件と呼ばれ、当然、市場性が落ちることから売買賃貸などの際に価格の減価や賃料の減額が発生することになります。

このような事故物件を専門に扱う不動産業者の話では、殺人事件が起きた不動産が相場価格の50%以下、自殺は20%~30%の減価、孤独死や病死の場合は5~10%の減価、殺人事件でも凶悪殺人の場合はさらに安くなるとのことでした。このような不動産鑑定評価する場合、ほぼ同じような減価になると思います。

以前、同じ物件で突然死と自殺が起きたマンションの調査をしました。自殺は飛び降りだったそうです。二人亡くなったマンションでしたが、減価は5割以下でした。ちなみにこの物件は売れたそうです。

事故物件の鑑定評価は事故原因の内容などによって減価額が決まるので、事故の詳細を慎重に調査することが必要になります。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

価格0円の不動産

2020-09-23

不動産の鑑定評価は、不動産の価値を貨幣額で表すことであり、基本的に0円の鑑定評価額はないと考えています。

今まで0円の鑑定評価をしたことはありませんが、社会問題となっている僻地の空き家やリゾートマンションなど価値の有無が疑わしい不動産評価する場合、0円で評価された不動産鑑定評価書が現れる可能性を否定できません。

先日、ネットで東京奥多摩の空き家が0円との記事を見ました。奥多摩町の「0円空き家バンク物件詳細」というサイトに載っているそうです。3件掲載され、全て契約交渉中とのことです。

現在は始まったばかりの0円空き家の企画、反響によっては全国に普及していくかもしれません。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

旧耐震基準の建物の鑑定評価

2020-09-22

建物の鑑定評価額は、通常、対象不動産の再調達原価(新たに建物を建築する際に必要となる金額)に減価修正を行って求めることになります。この減価修正ですが、耐用年数に基づく方法と観察減価法(物理的、機能的及び市場的要因を考慮)を併用して減価額を求めることになります。

築年を経ていない建物は、減価額も少なく、古い建物は減価額も大きく場合によっては価値ゼロ、又は取り壊し費用を土地価格から控除することもあります。

建築基準法の耐震基準が改正された1981年以前の旧耐震基準の建物鑑定評価額ですが、建物は個別性が強く、そのことを理由に全て減価することはありません。旧耐震基準の建物でも、施工の質がよく管理も良好なたてものであれば耐震性を満たしていると判断されます。

最も、1981年以前の建物は、築年を経ていることから耐用年数に基づく方法によって十分減価されることが多く、耐震性が減価額に影響することはあまりないと考えられます。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

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