Archive for the ‘不動産の価格’ Category
景観権のお話
最近、タワーマンションなどで夜景を楽しむことができることを売りにするものが多くなりましたが、これも景観権の一種と言えると思います。
このような景観権は、風景を楽しむことができる権利であり、当然、遮るものがあればその価値が無くったり半減してしまいます。
但し、このような景観権そのものを価格で表すことは難しく、景観権の阻害を理由に補償を求めても認められないことが殆どだと思います。
先日、東京で完成間近のマンションが解体される、との記事を見ました。富士山の眺望や日照阻害を理由に反対運動が起きていたそうです。
ちなみにこのマンションは10階建て、戸数は18戸と規模は大きくはなく、周辺住民は富士山が見える眺望の中にマンションが入ることを嫌がったようです。
マンションの建設計画が持ち上がると、周辺住民からの反対運動が起こることは多いのですが、完成間近での解体は稀なケースだと思います。
マンション建設が続く昨今、今回のようなケースが続くのか、注視したいと思います。
愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」
築70年の木造住宅が3億円
日本でも土地や建築資材、人件費などの高騰により住宅の価格上昇が続いていますが、激しいインフレの続くアメリカの住宅事情はさらに厳しいものになっているようです。
先日、アメリカ・カリフォルニア州のある街に建つ普通の家の売り出し価格が約3億円、との記事を見ました。この家は築約70年の木造住宅で、広さ105平米、寝室は3つと日本にある標準的な戸建て住宅並みですが、驚きの価格となっています。
ちなみにこの住宅が建つ街はシリコンバレー発祥の地として知られ、この3億円という価格も業界内では納得済とのことです。
「夢のマイホーム」という言葉がありますが、日本でも多くの庶民が家をもつことが夢で終わりつつある状況の中、既にアメリカでは家を持つことがアメリカン・ドリームの実現なのかもしれません。
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生活保護受給者向け施設のお話
所得の格差社会が進む中、失業や疾病などを理由に生活困窮者をなり、生活保護を受給する人が増えています。
収入が少なくなると、食費や住居費の支払いに困ることになり、名古屋市など大都市の場合、市営住宅など公営の住宅を優先的に割当て、家賃などを減額または免除して生活困窮者を保護しています。
但し、自治体によっては公営住宅がない、又は少ないなどを理由に、新たに生活保護受給者向け施設の建築計画がなされることがありますが、やはり反対の声はあるようです。
先日、京都で生活保護受給者向け施設の建設が近隣住民の反対や建築費の高騰を理由に断念された、との記事をみました。
反対の理由は色々考えられますが、居住環境の悪化の心配や、中にはこのような施設の存在による周辺地価への影響を懸念する人もいるようです。
私も不動産の鑑定評価の仕事の中で沢山の不動産を見ますが、やはり地価への影響はあると感じています。
公共の福祉と個人の財産権の保護、どちらも尊重すべきことであり、反対による建設中止は苦渋の決断だったと思います。
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国登録有形文化財の鑑定評価
国登録有形文化財は、国が建築物等の中でも歴史的・文化的価値のあるものとして指定するものですが、所有者が修繕・維持にかかる負担が大きく、手放すケースもあると聞いたことがあります。
先日、京都の学校法人が明治時代に建てられた国登録有形文化財とその土地を売却した、との記事を見ました。売却額は数十億円とのことです。
買い手である開発業者の方は、文化財としての価値を保つ方向で協議するとのことで、直ちに取壊しての開発は考えていないようです。
今回のような文化的価値のある不動産を鑑定評価する場合、建物の価値をどう見るかがポイントになると思いますが、拝観料などが取れるような認知度のある寺社と違い、建物に価格をつけることは難しいのでは、と思います。
日本の国力が衰退に入り、企業など法人の余力が無くなっており、今回のような国登録有形文化財の売却の話は増えてくると思われます。
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30年以上塩漬けの工業地の価格
地価上昇が続く都市部では、従来からある大規模工場が住宅系、商業系用途に転用され、新たな街が造られるケースが増えています。
一方、地方圏では製造業の撤退が続き、工場跡地の再利用に苦戦することが多いのですが、先日、熊本県にある30年以上塩漬けの工場用地を一括売却、との記事を見ました。投資額は約4億8000万円、売却予定価格は約1250万円、売却予定価格は投資額の38分の1にあたります。
近年、物流倉庫用地の需要増により、高速道路のインターチェンジに近い大規模地で高額な取引が相次ぎましたが、今回のケースは幹線道路などへの接続性も良好ではなく、売却は苦戦が予想されます。
地方の工業地も半導体工場の誘致に成功し、地価が急上昇した自治体もありますが、極めて特殊なケースであり、地方圏の衰退は今後、進んでいくと思われます。
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戦争を生き残った土地建物の価格
日本は木造建築の建物が多く、第2次世界大戦の際の空襲で多くの建物が焼失してしまいましたが、公的な建物などRC造のものは焼失を免れ、現在、使用されている建物もあります。
名古屋市内でも市役所や愛知県庁、市政資料館などは現在も使用されており、ロケなども行われるそうです。
先日、鹿児島県にある昭和初期に建てられた建物が、保存を条件に売却される、との記事を見ました。当初は解体予定でしたが、保存の声が高まったことが理由だそうです。
この建物は昭和6年築のRC造、地上3階地下1階建てで、価格は土地建物で4億円以上とのことです。
建物の価値はおそらくゼロだと思うので、土地のみで4億円、プラス建物の修繕維持に掛かる費用を考えると、買い手は限られるのでは、と思います。
ちなみにこの不動産は隣接する土地と併せて7億円以上が希望価格とのことですが、買い手は現れるか、成約価格はいくらになるのか、興味深く思います。
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神社の鑑定評価額
最近、お寺が売りに出された、とのニュースを聞くことがありますが、お寺の土地・建物よりも、宗教法人としての権利に需要があるように思います。
お寺の場合、土地は宅地評価できますし、建物も寺社を専門に扱っている工務店さんがあるように、建設事例も取得できますので不動産としての鑑定評価は可能だと思います。
一方、宗教法人の権利の鑑定評価は取引が少なく、取引があっても個別性があったり、また、事例が表に出てくるケースはほとんどないので、鑑定評価は困難、不可になると思います。
先日、山口百恵さんにゆかりにある東京・新宿の神社が売りに出た、との記事を見ました。ちなみにこの神社、お社と境内がある一般的な神社ではなく、4階建ての近代的な建物だそうです。
気になる募集価格は10億円超ですが、反響は上々のようです。
今回の神社の価格ですが、神社は移転予定とのことなので、土地・建物のみの不動産価格のようです。
建物はデザイナーズビルの趣で、外国からの引き合いも多いようですが、売却後、どのような用途に変わるのか興味深く思います。
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3坪の不動産が8000万円
高額での不動産取引が続く都心の一等地、その中でも東京・歌舞伎町は全国的な繁華街ですが、そこで土地面積3坪の木造建物が競売で8000万円で落札された、との記事を見ました。
建物の詳細は不明ですが、土地面積から建物も小規模なものと推測され、落札価格はほぼ土地の価格と考えられます。
この物件は新宿歌舞伎町の中でも特殊なゴールデン街と呼ばれるエリアにあり、主に外国人観光客から高い収益が期待できることから不動産需要が特に旺盛なのだそうです。
円安により海外からの旅行者が増える中、今後、ますますインバウンド需要を取り込んだエリアの地価が上昇していくものと思料されます。
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戸建住宅のバブルが崩壊か?
「価格破壊」という言葉が言われるようになったのはかなり前のことですが、戸建住宅の世界でもいわゆるパワービルダーと呼ばれる不動産業者による価格破壊があり、建物の価格が1000万円を切る物件も見られるようになりました。
以前は安かろう悪かろう、のイメージがありましたが、品質もかなり上がっており、満足感はかなり高いと聞いたことがあります。
この価格破壊の申し子であったパワービルダー系の戸建住宅が売れていない、との記事を見ました。コロナ禍で郊外の戸建住宅の需要が増えたものの、その後の都心回帰の影響で郊外の戸建住宅の販売が苦戦していることも要因だそうです。
金融緩和の影響などにより、特に都市部の地価は上昇が続いていましたが、金利の上昇懸念や円安による物価高により、戸建住宅市場は新たな段階に入ったとみる向きもあります。
景気が下降局面に向かいつつある現在、不動産市場の動向を注視する必要がありそうです。
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建築費の高騰とリノベーション住宅
先日、建築費の高騰の結果、建物価格が上昇し、戸建住宅の売れ行きが鈍っている、との記事を見ました。ある不動産業者の方の話では、建築費が以前より500万円程度上昇しており、建物価格に転嫁できない部は土地や延面積を狭くして対応しているとのことでした。
一方、上昇する戸建住宅より割安感のあるリノベーション住宅に注目が集まっているとの声も聞かれます。古い戸建住宅やマンションをリノベーションすることで、新築のような建物になっているケースも見られます。
リノベーション住宅のメリットは、新築より安い価格で内装や設備などが新しい住宅に住むことができることですが、リノベーションでは対応できない水回りなどの配管が痛んでいるケースもあり、注意が必要だと思います。
最近では大規模なリノベーションにより室内の間取を変更するケースもあり、部屋を仕切る壁を取り払って広い部屋にするのが流行りのようです。
但し、室内の壁を取り払うと建物の強度が落ちることもあり、耐震性に問題が出てくるケースもあるので、間取りを変更したい、または変更した建物を購入した方は、一度、耐震性について詳しい業者の方に相談することをお勧めします。
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