Archive for the ‘不動産の価格’ Category
モネをオマージュしたバンクシー作品が約10億円
世界的に有名な絵画であるモネの睡蓮をオマージュしたバンクシー作品が先日、オークションに出品され約10億円(手数料込)で落札されました。
バンクシーは、ストリートアートで有名で都市の壁などに描かれたものが多く、自治体によっては落書きとして扱われることもあるそうです。そのバンクシー作品の出品、知名度と共に作品の希少性も相まってこの価格になったと思われます。
絵画のような美術品の価格と不動産の価格、今後、希少性の高いものとそうではないものとの差が開いていくものと考えられます。
商業施設との距離と不動産価格
不動産の鑑定評価額と最寄り駅との距離は重要で、駅に近いことはもちろん、その路線と最寄り駅の性格、中心市街地駅までの所要時間、停車本数などを調べることになります。この駅距離の重要性はコロナ禍でも変わることはなく、以前よりも徒歩時間が短い土地の競争力が強くなっている印象があります。
駅距離ほどではありませんが、最近、スーパーなど商業施設との接近性も重視される傾向になってきました。現時点では価格への影響は少ないと考えられます。但し、都心などで車での移動が中心ではない地域や、郊外の住宅団地など買物利便性に劣る地域では価格形成要因としての重要性は増してくると考えられます。
先日、三菱地所マンションで移動店舗型サービスを展開するとの記事を見ました。新型コロナウィルス感染症蔓延のもと、特に都市部におけるマンション住民の食事需要の増大に対応するためとのことです。
今後は首都圏のマンションを中心にこのサービスを拡大していく予定とのことですが、高齢化が進み、スーパーマーケットが撤退した住宅地域などにも普及していくかもしれません。
キャンプ目的の山の売買
コロナ禍でキャンプを目的に山の購入を考えている人が増えているそうです。おそらく相当熟達していて普通のキャンプでは飽き足らなくなった玄人肌の人だと思います。
ネット記事によれば、山の価格は1haの相場が30万円~80万円とのこと、自由に使えるプライベートキャンプ場がこの値段なら買う人はいると思います。売り手の所有者も、通常なら買い手がいない山を買ってくれる人がいる訳ですから取引は成立すると思います。
但し、不動産、特に山は手を入れないとすぐ荒れてしまいますので、現状販売であればそのままキャンプすることは不可だと思います。木々の伐採、草刈や整地、水や道路の問題などキャンプ場として使用するためには多くのハードルがあることを知ってから購入を決めるべきだと思います。
物流施設用地の価格
インターネット通販の普及に伴い、ここ数年、物流施設用地の価格が上がっています。但し、物流施設用地には要件があり、大規模な土地であることと、幹線道路沿いに立地するなど系統・連続性に優れることが必要となります。
東京都板橋区の日本製鉄鋼管工場跡地の入札記事を見ましたが、異常な過熱ぶりだったそうです。この土地は、広さ約11万㎡、希少性が高く10年に一度の出物、と言われています。
入札参加企業は20社以上、最高値は坪単価250万円前後だったようです。コロナ禍後もインターネット通販市場は拡大し、需要が増えることを見越しての入札と考えられます。
物流施設用地が活況を呈する一方で、既存の百貨店やショッピングモールの閉店が加速してくことが予想されます。
駐車スペースと商業地の地価との関係
商業地にとって集客は最も重要な課題であり、駅近や交通量の多い路線沿いの商業地は集客力に優れるため地価も高くなる傾向があります。
その中でも路線商業地域内の商業地は、車での来客が中心となるため、駐車場の設置は必須であり、逆に駐車スペースを確保できない小さな土地は商業地としての需要が少なく、商業店舗ではなく住宅が建つこともあります。
先日、沖縄県で県道の歩道拡張工事を妨害するため置かれたブロック塀やコンクリートが行政代執行で撤去された、との記事を見ました。その歩道拡張用低地を駐車スペースとして使用していた地権者が置いたようです。
その地権者は、駐車場がなくなることで建物の財産価値が下がることを懸念していたとのこと、土地の買収単価も不満だったようです。
不動産鑑定評価を行う場合、駐車スペースの有無が建物価値に影響することはなく、商業地をしての利用価値が落ちることから土地価格から規模で減価することになると思います。駐車場の有無による収益への影響が大きい場合、市場性を考慮するかもしれません。
今回のような道路拡幅、駐車場の問題以外にもその商業路線が衰退する可能性を心配する声も聞かれます。
東京都の旧中野刑務所の価格は100億円超
歴史的に価値のある土地建物などを国や自治体が購入することがありますが、先日、作家の小林多喜二が収監された旧中野刑務所跡地を中野区が購入する方針、その記事を見ました。
中野区は跡地に小学校を建てる計画とのことですが、完成当時の面影を残す正門は文化的価値が高く、保存されるようです。
ちなみにこの旧中野刑務所跡地の価格ですが、中野区は100億円超で購入する方針だそうです。不動産鑑定士の鑑定評価に基づいた価格だと思いますが、小学校用地としてはかなり高額ですね。
JR中央本線中野駅からも徒歩圏であり、住居系の開発も可能だとは思います。但し、刑務所跡地、それも政治犯を収容していた過去を有することから、鑑定評価を行う場合、心理的瑕疵(スティグマ)も問題になると思います。この100億円超の価格、心理的瑕疵を考慮した価格であるか興味深いです。
文京区大和郷の大豪邸の価格
高級住宅街は名声と品等に優れることが条件であり、各界の名士や富裕層の人々が多く住んでいることが多いです。名古屋ですと、東区白壁や橦木町、千種区菊坂町や昭和区の南山町などがあげられます。
このような高級住宅地の売り物件は中々少ないのですが、東京都文京区大和郷の大豪邸の売り価格は衝撃でした。記事には2017年とありますが、なんと47億5000万円、286坪の敷地に建物付きの価格ですが、やはり名古屋とはレベルが違いますね。ちなみに年間の維持費だけでも数千万円とのことです。
このような高級住宅街は、近年の代替わりを経て土地が細分化され景観が損なわれることもあるのですが、この地域は一般社団法人の住民組織が街の秩序を守っているそうです。
ちなみにこの付近の2020年地価公示価格は、400万円/坪(121万円/㎡)、一坪の値段でちょっとした高級車が買えてしまう価格です。
私とは別次元に住んでいる人々の生活、想像するのも難しい、そんな思いがします。
河川のそばの土地価格
近年多発する自然災害の影響か、以前以上の河川のそばの土地は敬遠される傾向があります。大雨の時など河川が氾濫し、冠水の恐れがあることが理由です。また、小さな川や水路であっても、悪臭や虫の発生などから近接する土地の価格は安くなることが多いです。
先日、ネットで河川のそばの土地は投資マンションには最適、との記事を見ました。採光窓を取りやすいことが理由だそうです。確かに、建物想定でボリュームチェックをする際、敷地北側が河川だと日影規制にかかる建物がないので敷地を有効に利用できる利点があると思います。
以前住んでいた地域にも、前面道路の幅員は狭いですが、北側が河川のため分譲マンションを建てられたケースがありました。
経験豊富な投資家の方は、柔軟な発想で投資に有利な土地を選ばれますね。
道路との接面方位と不動産価格との関係
方位は住宅地系の不動産価格に影響を与える要因で、他の条件が同じであれば通常、南、東、西、北の順で土地価格は高くなることになります。北向きを標準とするならば、最近は西向きの土地にプラスを付けず、北向きと同じにすることもあるようです。特に名古屋の人は西日を嫌う傾向があり、北向きの方がよいという方もいるようです。
南向き方位の土地の利点ですが、採光や通風に優れ、住環境がよいことが理由とされます。確かに接面道路の幅員分、有利なります。従って、南北に適度に長い土地は価格も高くなります。
但し、北向きであっても、形状がよく南北に適度に長い土地であれば、建物を北に寄せて採光や通風を確保できるので、価格が割安であればお買い得といえます。
私の事務所は、接面方位西向きの東西に長い長方形で、住宅地としての条件は良くありませんが、3階建てで上手く採光できるよう設計されているのであまり暗いと感じたことはありません。
方位と不動産価格との関係、単に方位だけで判断するのではなく、その
の形状などから総合的に判断することが重要だと思います。
建物価格と鋼材価格の関係
東日本大震災の復興需要やアベノミクスによる金融緩和によって建築需要が増え、それに伴い上昇を続けていた建物の価格が落ち着いてきたようです。
ネット記事によれば、近畿地区の鉄骨市場が横ばいで推移しているそうです。鉄骨は、RC造やS造の建物を造る際に躯体となる重要な建築材料で、上昇を続けてきた建築資材の中でも特に上昇が激しかったようです。
今回の鉄骨価格の横ばい、新型コロナウィルス感染症の影響で建築需要が減ったことが要因だと考えられますが、コロナ禍が長引くようであれば、下落に転じることも予想されます。
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