Archive for the ‘不動産の賃料’ Category

収入と適正家賃

2023-05-21

アパートやマンション、戸建住宅であっても大家さんの物件を借りて住む場合は、通常はその対価として家賃を支払うことになりますが、その適正家賃について問われることがあります。

もちろん、個々人の収入によって違ってくると思いますが、一般的な方の場合、以前は収入の3割以内と言われていたと思います。

先日、ある記事に家賃を決めるときの目安は収入の3分の1、と書かれていました。この考え方ですと、手取り収入15万円で家賃5万円、残りが10万円となると生活はかなり厳しくなるな、と思います。

最近は家賃の安い古いアパートは空室率が高く、取り壊し再建築により家賃の高い物件が増えているように感じます。

この収入と家賃ですが、東京に家賃月300万円超のマンション、との記事を見ました。このマンション、築10年でほぼ満室状態とのこと。住んでいるのは超富裕層の方とのことですが、3割で割り戻すと手取り月収1000万円になります。

ちなみにこのマンションの駐車場代は平面で月7万5000円、機械式で6万5000円、ワンルームマンション並みの使用料になります。

日本人の収入格差が広まった現在、収入に対する家賃の適正割合の概念は意味をなさないのかもしれません。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」

不動産の無い高のお話

2023-05-07

不動産に限らず、物の価格は需要と供給で決まると言われており、需要>供給であれば価格は上がり、逆であれば価格は下がります。

現在の不動産市場をみても、金融緩和でお金が余っており、都心部の不動産は需要過多となっているため、不動産の価格も上がっていると考えられます。

一方、地方では人口減少で供給が増え、需要が少ないため不動産の価格は下がっていくことになります。

地方であっても、一定の需要があるにも関わらず、供給が少ない地域では、不動産価格が下がらず、いわゆる無い高と呼ばれることがあります。名古屋圏ですと、岐阜県の高山市は無い高の地域と言われていました。

先日、広島県呉市の家賃が高い、との記事を見ましたが、呉市は平地が少なく、不動産の供給が少ないことが家賃の高い理由と考えられます。

不動産、特に土地は需要に応じて供給を増やすことが難しく、地価は需要の強弱で決まる傾向が強いと考えられます。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」

東京のオフィス市場

2023-04-07

東京をはじめ都市圏のオフィス空室率や平均賃料は、日本の経済状況を判断する指標にもなっており、不動産以外の投資家も注目している指標になります。

今日、三鬼商事が発表した東京都心5区のオフィス市場、空室率は上昇し、平均賃料も下落という結果となりました。三鬼商事によれば、供給過剰によるる空室率が高止まりしていることが原因だそうです。

コロナ禍でリモートワークが普及し、オフィスを縮小する企業が増える中、今回の結果が単にビジネススタイルの変化によるものなのか、それとも日本経済の衰退によるオフィス需要の減退なのか、今後の推移を見守りたいと思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」

大阪IR用地の賃料評価で思うこと

2023-04-04

賃料の鑑定評価には、新たに契約を結ぶことを前提とした新規賃料を求める場合と、賃料改定などに伴い、既に解約が結ばれている物件の継続賃料を求める場合があります。

継続賃料の鑑定評価の場合、現在の適正な賃料を把握するため新規賃料を求めることになりますが、既に契約賃料が存在しているので、新規賃料も把握しやすい面はあります。逆に言うと、周辺にて賃料相場が形成されておらず、賃料取引の先例のない場合の新規賃料の鑑定評価は、とても難しいということです。

先日、大阪のIR用地の賃料評価が不当、との記事を見ました。賃料が安いことに加えて、4社の鑑定評価額のうち、3社の鑑定評価額が一致していたそうです。

賃料、土地の賃料である地代鑑定評価は難しく、特に採用する利回りによって大きく違う地代が算定されてしまうことがあります。

偶然の一致なのかどうかは不明ですが、鑑定賃料が適正であるか否かは今後の調査で明らかになっていくと思われます。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」

電柱の地代

2023-03-31

道路などの公有地に物を設置する場合、国などが設置する場合は無料ですが、民間の事業者の場合は土地の使用料地代を払うことになります。

なので、昔、郵便局や電電公社が国営であったころは、郵便ポストや電話線の電柱の地代は無料であったそうです。

先日、熊本県にある市が民間事業者のアンテナ用電柱の土地使用料を誤って誤徴収していた、との記事を見ました。ちなみに土地使用料は月額125円のところ、17年間にわたり月300円徴収していたそうです。

月額125円はかなり安いと感じますが、電柱の場所はのほとりだそうです。市は算定基準に基づいてこの地代を決定したと思いますが、どのような算定方法なのか、不動産の鑑定評価に携わる者として、少し興味を持ちました。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」

東京、大阪、名古屋の家賃可視化マップ

2023-03-26

アパートやコーポ、マンションなどを借りる際、今時の人は殆どインターネットの物件募集サイトを見ると思います。

その際、希望の家賃や場所、最寄り駅や延面積、築年などを入力すると、条件に合致した物件が一覧で表示され、気になる物件の詳細を見比べて借りる部屋を決めるのが一般的になってきました。

先日、東京、大阪、名古屋の家賃相場をマップ化し、可視化できるサイトが公開された、との記事を見ました。とても分かりやすく、きれいな円を描くように家賃相場が表示されることが分かります。

この家賃相場マップ、最近主流になりつつある広めの1K(25㎡)の平均家賃相場を可視化したもので、東京都区内の家賃が10万円台と最高、大阪の梅田や難波で7万円~8万円m、名古屋で最高6万円台だそうです。

10万円の家賃、名古屋だと家族向けマンションはもちろん、一戸建てでも借りれそうな金額ですが、やはり東京の住居費の高さは際立っていますね。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」

持ち家か賃貸か?

2023-03-19

昔はよく、男は世帯持って、を建てて一人前、といったものですが、最近は結婚もしない、もちろんも持たない、という男性が増えてきました。

持家=マイホーム、高度成長前は都市部の郊外の土地であれば、普通のサラリーマンでも無理せず購入できる価格だったそうです。また、建築費も現在程高額ではなく、団塊の世代の方はマイホームを建てられた方が多くいます。

オイルショック後、不動産の価格も上昇を続け、バブル後、下落に入りましたが、アベノミクスによる金融緩和で普通のサラリーマンでは中々マイホームの購入を決断できないほど、価格は上がってしましました。

先日、度々論争になる、持ち家か賃貸か?の記事を見ました。首都圏のに30代から50年住んだとの想定で、75万円、賃貸の方がに支出する金額が安かったそうです。

この結果は2021年時点とのこと、不動産価格が上昇した現時点では、総支出の差はもっと広がり、賃貸の方がお得になっていると思います。

このような論争で思うことは、持ち家も賃貸も個別性があり、一概に比較は難しいのですが、賃貸不動産家賃の安い物件に住むことも可能ですし、固定資産税や修繕費等がないことを考えると、やはり購入より賃貸の方がお得だと私は思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」

家賃訴訟のお話

2023-03-15

家賃の鑑定評価には、新規家賃継続家賃があり、賃料改定に伴う評価の場合には、継続家賃を求めることになります。

継続賃料の鑑定評価、大家さんの投資採算性と店子の事業継続性の観点から検討を行い、お互いの利益を考量しバランス感覚を重視して鑑定評価額を決めることが重要だと思います。

昨今のような経済情勢の変化が著しい時は、家賃に関わる争訟が増える傾向があり、地価や固定資産税、各種物価が上がる中、大家さんは賃料増額を求めますし、コロナ禍に加えて個人消費が減る店子は家賃の減額を求めることが多いようです。

昨日、大阪府と府所有の建物に入っているホテル業者の家賃訴訟の判決が出ました。判決はホテル業者の建物明け渡しと未払い家賃、滞納金等26億円の支払いを命じるものでした。ホテル業者は判決を不服とし、控訴するそうです。

今回の争訟、借り手がつかない不動産であってもハードルを下げて安易に貸してはいけない、ということを改めて感じました。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」

ファミリータイプの賃貸物件

2023-03-10

不動産投資には様々なスタイルがあって、ホテルや都心の一棟オフィスビルなど多額の資金を投入するものもあれば、資産家の方がマンションコーポを賃貸するもの、一時流行ったサラリーマンがワンルームマンションを購入して賃貸するものなどがあげられます。

また、Jリートも金額は小さいですが、不動産投資にあたると思います。

先日、ファミリー向け賃貸物件の家賃がさらに高騰、との記事を見ました。ファミリー向け物件とシングルタイプの家賃単価の差が縮まっているそうです。

以前は投資効率のよいワンルームの賃貸物件が多かったですが、最近は空室が目立つようになり、築浅であっても取り壊されて分譲されたり、ファミリー向けに建て直されるものが見られるようになりました。

最近のファミリー向け賃貸は、建築資材価格の高騰に加えて、競争力を高めるため設備や施工にお金をかけるため、建築費が高額になる欠点があります。

その建築費に見合う家賃がとれればよいですが、一部の富裕層による賃借や大手企業の社宅扱いでもなければ高額な賃設定は難しいものです。

今後、持ち家を諦めた層によるファミリー向け賃貸の需要は増えると思われますが、実際に投資を行う場合は慎重な収益予測が必要です。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」

値下げした家賃のお話

2023-03-02

不動産賃貸する場合、契約時点において契約内容や家賃などについて契約書を交わすことになりますが、その後の経済情勢の変化などで賃料を改定する場合があります。

現在の経済情勢をみると、地価の上昇による固定資産税等の上昇、建築費の上昇による新規家賃が上昇傾向、物価高に伴う維持管理コストの上昇など、賃料の上げ圧力が強い傾向にあります。

また、小売店舗などでは個人消費の落ち込みによる売り上げ減も、賃料減額の理由にはなると思います。

先日、東京の議員宿所の家賃が約1割値下げ、との記事を見ました。議員宿舎は5年ごとに賃料を見直す規定があるそうです。

現在の契約賃料賃料相場を下回る中、さらに家賃を下げることで実勢賃料からますます乖離することになりそうです。

国民が物価高に苦しむ中での今回の家賃値下げ、暗澹たる気持ちになります。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定評価なら「松岡不動産鑑定士事務所」

« Older Entries Newer Entries »