Archive for the ‘鑑定評価の話’ Category

沖縄県宮古島のドイツ文化村の鑑定評価額

2020-10-06

先日、沖縄県宮古島市がドイツ文化村の売却を検討、との記事を見ました。但し、まだ売却が決まったわけではなく、売却を含めて検討、とのことです。今後、市は土地や建物評価を確定させる方針だそうです。

宮古島市はドイツ文化村の鑑定評価を行い、その評価額から今後の方針を決めると考えられますが、非常に難しい評価になると思います。

宮古島がインバウンドによる訪日外国人の需要が見込めるのであれば、ホテルなどに転用利用する事業者などが需要者として想定されますが、現在はコロナ禍で先が見えない状況にあります。

1996年オープンとのことで建物の老朽化も見られ、修繕費も多額になることが予想されます。

このドイツ文化村の鑑定評価額、どのような価格になるかとても興味深いです。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

事故物件の鑑定評価額

2020-10-04

殺人事件や自殺などがあった不動産は事故物件と呼ばれ、当然、市場性が落ちることから売買賃貸などの際に価格の減価や賃料の減額が発生することになります。

このような事故物件を専門に扱う不動産業者の話では、殺人事件が起きた不動産が相場価格の50%以下、自殺は20%~30%の減価、孤独死や病死の場合は5~10%の減価、殺人事件でも凶悪殺人の場合はさらに安くなるとのことでした。このような不動産鑑定評価する場合、ほぼ同じような減価になると思います。

以前、同じ物件で突然死と自殺が起きたマンションの調査をしました。自殺は飛び降りだったそうです。二人亡くなったマンションでしたが、減価は5割以下でした。ちなみにこの物件は売れたそうです。

事故物件の鑑定評価は事故原因の内容などによって減価額が決まるので、事故の詳細を慎重に調査することが必要になります。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

小学校が不動産鑑定評価額に与える影響

2020-10-03

住宅地域に存する土地の想定される需要者は、主に家族のある個人になります。このような家族の方は、お子さんの通う小学校を重要視して土地を探すことが多いです。

まず、小学校の距離ですが、駅距離のように徒歩何分か、のようなことを重視する方はあまりなく、子供が歩いて通える範囲内であれば小学校の距離によって土地価格差が生じることは少ないと考えられます。距離よりもむしろ、通学路の安全性を重視する傾向が強いです。

また、小学校の学校区ですが、指名買いがあるくらい重視する方が多いです。現在住まわれている学校区内で探される方も多いですし、やはし校風のよい学校区内の土地は人気があり、地価も高い傾向があります。

不動産鑑定評価を行う場合、学校区の優劣をそのまま価格に反映させることはなく、住環境や市場性を考慮して鑑定評価額を決定することになります。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

藤井聡太二冠の封じ手の鑑定評価額

2020-10-01

先日、将棋の封じ手のオークション価格について書きましたが、藤井聡太二冠の封じ手の落札価格1500万円が適正であるかの記事を読みました。

和洋古典書籍や歴史資料の八木鑑定士によれば、適正価格であるかはなかなか難しいとのことでした。今回のような時の人である棋士の封じ手、価格上昇の可能性や希少性があり、適正価格の把握は難しいのでしょう。

ただし、八木鑑定士は、以前扱った坂本龍馬の手紙のオークション落札価格が1633万円であったこととの比較で、客観的かつ個人的な感想では1500万円では手を出さない、ようなことを書かれておられました。

今回の藤井棋士の封じ手価格、これからの藤井棋士の活躍と直筆書の流通量で将来の価格が決まってくるのでは、と思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

パチンコ店の鑑定評価額への影響

2020-09-28

今回のコロナ禍で改めて注目されることになったパチンコ店、そのパチンコ店の鑑定評価額への影響が問題になることがあります。

対象不動産が商業系の用途的地域にあり、周辺も店舗などの商業系施設である場合はパチンコ店の存在が鑑定評価額に影響することはないと考えれます。

一方、用途的地域が住宅系に存在し対象不動産が住居の場合、パチンコ店の存在は鑑定評価を行う上で減価要因になり、マンションの場合で1階がパチンコ店の場合は通常、減価されることになります。

都市計画法の用地地域が準工業地域の場合、用途的地域が住宅系の場合も多く見受けられます。パチンコ店などの遊戯施設の存在は、鑑定評価額に影響を与えることに留意する必要があります。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

旧耐震基準の建物の鑑定評価

2020-09-22

建物の鑑定評価額は、通常、対象不動産の再調達原価(新たに建物を建築する際に必要となる金額)に減価修正を行って求めることになります。この減価修正ですが、耐用年数に基づく方法と観察減価法(物理的、機能的及び市場的要因を考慮)を併用して減価額を求めることになります。

築年を経ていない建物は、減価額も少なく、古い建物は減価額も大きく場合によっては価値ゼロ、又は取り壊し費用を土地価格から控除することもあります。

建築基準法の耐震基準が改正された1981年以前の旧耐震基準の建物鑑定評価額ですが、建物は個別性が強く、そのことを理由に全て減価することはありません。旧耐震基準の建物でも、施工の質がよく管理も良好なたてものであれば耐震性を満たしていると判断されます。

最も、1981年以前の建物は、築年を経ていることから耐用年数に基づく方法によって十分減価されることが多く、耐震性が減価額に影響することはあまりないと考えられます。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

街並みの不動産価格への影響

2020-09-21

不動産の価格形成要因である地域の名声・品等が住宅地の鑑定評価額に影響を与えることは知られていますが、街並みの良さをどのように鑑定評価額に考慮するかの判断は難しいところがあります。

例えば、大手ハウスメーカーが開発した住宅団地ですと、区画整然とし、建っている家も統一性が取れていますし、道路が石畳調になっていたり街路灯がおしゃれだったり美しい街並みが形成されています。このように街並みの良さが明らかな場合、不動産鑑定評価を行う場合、増加価値を見てよいと思います。

また、地区計画で建物の建築に何等かの規制を定めている地域があります。圧倒的な人気を誇るような地域であればよいですが、建物を建築できる最小画地面積が定められている場合、購入者が限定され市場性が落ちることもあります。

価格形成要因ですが、駅距離や道路幅員など違い街並みは数値による比較が難しく、恣意的な価格形成に使うことがないよう注意が必要です。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

土地の一部が他人の土地建物の鑑定評価

2020-09-20

先日、京都市で市営住宅の一部の土地が50年間私有地であったとの記事を見ました。但し、この私有地は売買契約の不備で、登記移転手続きをしていなかったことが理由です。

土地の一部が他人の土地建物鑑定評価する場合、その一部の土地について賃貸借契約等の土地使用権があれば土地及び借地権付建物の鑑定評価、使用借権であれば土地及び使用借権付建物鑑定評価、不法占有等の無権利者であれば土地価格から建物の取り壊し費用を控除した価格鑑定評価額になると考えられます。

但し、土地使用借権は個別性が強く、案件に応じて鑑定評価の方針を決定し評価することになると思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

自治体の消防車両の公売

2020-09-19

最近、自治体が設備更新に伴い不要となった自動車等を競売サイトで売却するケースが増えています。このような公有財産の売却は、競売ではなく公売という方が適切かもしれません。

先日、竜ケ崎市が消防車両5台を売却し、売却金額が327万円になったとの記事を見ました。ちなみに、消防指揮車として使われていたランドクルーザーは予定価格80万円に対して156万円で売れたそうです。

不動産の競売はもちろん、公売の場合でも、最低落札価格(開始価格)は不動産鑑定士鑑定評価を行いますが、不動産以外のものは予定価格をどのようにつけているのでしょうか?ひょっとしたら中古車販売サイトなどを参考に決めているかもしれませんね。 

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

隣地の建物と鑑定評価

2020-09-17

既に建物が建っている市街地では、隣地が空き地であることもありますが、通常は何等かの建物が建っているものです。用途地域が住居系の住宅地域の場合、建蔽率や容積率、建物の高さの制限などがありますから隣地の建物の存在で著しく日照や通風が害されるケースは少ないと思います。

以前、北垂れの北側の土地建物を買った方から、空き地だった南側に家が建ってしまい1階の室内が真っ暗になってしまった、との話を聞いたことがありますが、隣地が空き地の不動産を買う場合は注意が必要です。

商業系地域の場合、隣地に高層の建物が建つ場合があり、日照や通風が阻害されるケースがよくあります。今まだ享受していた眺望も得られなくなし、私も日照権阻害影響を反映した鑑定評価書を書いたことがあります。

隣地に建物が建つ、また特に商業系用途地域の場合は居住権の方が尊重されるケースは少なく、裁判で隣地の建物の建築制限が認められた話は聞いたことがありませんが、実際はどうなのでしょうか。

最近、このような隣地建物による日照・通風阻害を訴える記事を見ますが、今後、居住者の訴えを認める判決がでるか興味深く見守りたいと思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

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