Archive for the ‘不動産のお話’ Category
埋蔵文化財包蔵地のお話
埋蔵文化財包蔵地とは、古墳時代の竪穴式住居跡や焼き物を焼いた窯場などが埋まっている土地をいい、市町村の教育委員会などが所在地を記載した地図を管理していることが多いです。
対象不動産が埋蔵包蔵地であった場合、まず試掘を行い、その後、必要な場合は本掘を行いますが、この土地の所有者が法人の場合、その費用は所有者負担であり、事業完了時期も遅延することから敬遠されることが多いです。
また、不動産業者が土地の開発行為を行う際、事前にこの地図みて調査を行うのですが、時々、地図に載っていない遺跡跡などが見つかる場合もあります。
先日、大阪府豊中市のビル建設予定地から古墳時代の集落跡が見つかった、との記事を見ました。上空からの写真を見ましたが、掘削深さは50cmくらいでしょうか、よく今まで見つからずにいたと思います。
少し古い話ですが、名古屋でも読売新聞の社屋建築の際、遺跡が発見されたことがありました。読売新聞の方から織田信長のお父さんの住居跡と聞いた覚えがあります。お金も時間もかかる発掘調査、新聞社の方も諦めの雰囲気でした。
日本は遺跡の多い国であり、掘れば何か出てくる、と言った方がいました。資金に余力のある大企業の場合はよいですが、開発予定地が埋蔵文化財の包蔵地であった場合、中小の零細企業にとっては頭の痛い話となりそうです。
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新築マンションのステルス値下げ
金融緩和による低金利政策が続く中、新築マンションの売れ行きが好調です。駅至近などの立地のよい物件であれば、強気の価格設定であっても売れ行きは好調のようです。
この新築マンション、土地の価格や建築資材の高騰により販売価格は上昇していますが、不動産業者の上昇を続ける価格を抑えるため、色々と工夫しているようです。
先日、新築マンションがステルス値下げされている、との記事を見ました。述べ面積を狭くしたり、設備や仕様を落としたり、天井を低くしているそうです。
記事によれば、10年前の3LDKであれば、延面積70㎡超が一般的だったのが、最近は60㎡台のものが増えているそうです。3LDKで60㎡台ですと、部屋の狭さや圧迫感が気になると思います。
新築マンションの延面積ですが、バブル期は100㎡を超えるものも販売されていましたが、リーマンショックなどの経済危機が起こる度に狭くなっていった印象があります。
ここに来て今回のウクライナ危機や円安による資材の高騰、マンションの延面積は狭くできる限界に近くなっている感があります。
今後、さらなる建築資材の高騰が続いた場合、新築マンションの価格や延面積はどう変わっていくか、注目して見守りたいと思います。
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戸建住宅の修繕費
戸建住宅の修繕費、以前は水回りやフローリング、クロスなどを交換する場合、標準的な建物で250万円~300万円が相場と言われたものですが、最近は建築資材等が上昇しており、修繕費も値上がりしている状態です。
特にウッドショック、ウクライナ危機に加えて円安により新築建物の価格が高騰しており、中古建物を購入しフルリフォームする需要者が増えているそうです。
先日、延面積30坪程度の戸建住宅の修繕費が30年間で800万円~1000万円、との記事を見ました。この金額には水回りや内装だけではなく、外壁などの外装のメンテナンス費用も含まれていました。
30年間の修繕費を900万円とした場合でも、年間約30万円を積み立てる必要があり、理想的ではありますが現実的ではないという印象です。
最近の戸建住宅は施工の質が上がっており、築年を経た建物でも通常の使用方法であれば著しい老朽化は見られないものが多いです。
但し、中古の戸建住宅は個別性が強く、築年が同じでも施工の質や前オーナーの使用方法などで建物の程度に差がでることになります。購入後の修繕費も違ってくるため、購入前に建物の状態について十分把握することが大切です。
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シェアハウスあれこれのお話
シェアハウスは一つ屋根の下、他人同士が共同生活する住宅であり、以前は利用者は若者といったイメージでしたが、最近はシングルマザーや高齢者向けのものシェアハウスも見られるようになりました。
シェアハウスは日本の不動産市場に根付いた感があり、シェアハウスを専門に扱う不動産会社や、実際にシェアハウス投資を行っている投資家もおられます。
シェアハウスは多人数が居住することになるので、建物の広さや間取りは重要であり、以前は寮や旅館などだったところが転用されることが多いようです。また、部屋数の多い一軒家、特に空き家だった物件をシェアハウスにするケースも増えてきました。
変わったところでは、以前、お子様が利用していた部屋を賃貸するケースもあるとのことです。家族が居住している家の一部を間貸しする、昔、都心の大学近くで多く見られた下宿と同じですね。
現在は防犯上の問題もあり、上記のようなシェアハウスの形態が普及しにくい時代ですが、身元のしっかりした入居者であれば受け入れたいと考える方は多数おられるのではと思います。
孤独に悩む人が増えている昨今、新たな居住のスタイルとしてシェアハウスがますます増えていくのかもしれません。
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別荘地の価格
別荘地というと、富裕層が夏に避暑に訪れるリゾートというイメージが阿ありますが、実際にはそのようなブランド力のあるリゾートばかりではなく、限界集落に近い朽ち果てた別荘地も多く存在しています。
先日、その中でもブランド力があり、全国的な知名度を誇る人気別荘地の価格ランキング記事を見ました。気になるベスト3の結果ですが、
3位:千葉県館山市(16.9万円/㎡)
2位:長野県北佐久郡軽井沢町(28.7万円/㎡)
1位:神奈川県三浦郡葉山町(41万円/㎡)
となりました。
ベスト3は全て首都圏ないしは首都圏から新幹線で行くことができる範囲にあり、高原リゾートは軽井沢町のみ、他の2つは海岸リゾートとなりました。その中でも第2位の軽井沢町、第1位の葉山町は皇室との縁の深い町であり、葉山町は御用邸もありますね。
やはり人気の別荘地、価格も高く、特に軽井沢町と葉山町は庶民には手の出ない価格となっています。
以前、軽井沢町は長野県で唯一国から交付金を受けていない自治体と聞いたことがありますが、町の税収のほとんどは固定資産税と考えられます。
来年は固定資産税の評価替えの年、人口減や産業の衰退に悩む地方の自治体がある一方、固定資産税という安定した財源がある人気リゾート地、価格の格差がますます開きそうな気配です。
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約500万円の一戸建て
昨年から続くウッドショック及び建築資材の高騰に加えて、急激な円安により建築費が高騰しています。都市部の地価も上昇しており、マイホームがますます遠くなった感があります。
度々コラムで紹介している3Dプリンターの家ですが、先日、約500万円の住宅が実用化へ、との記事を見ました。間取りは1LDK,家族向けには狭いですが、単身者や夫婦のみの世帯からの需要は十分見込めると思います。
記事によると耐震性等の強度に問題はないとのこと。今後も建築費の高騰が続くことになれば、近未来の住宅としてのスタンダードになる可能性を秘めていると思います。
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10月1日は土地の日
10月1日は土地の日、国土交通省が定めたそうです。土地は私たちの生活の基盤であり、改めてその大切さを考えてみたいものです。
ちなみに10月は土地月間、土地に関連する業界では講演会を実施したりするのですが、私が属する愛知県不動産鑑定士協会でも、無料相談会や記念公演を実施しています。
土地月間や土地の日の存在を通じて、少しでも多くの方に不動産鑑定士の存在を知って貰えたら嬉しく思います。
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公園の近くの住宅地
最近、地域に保育園の計画があると反対運動が起きることがあると聞きました。朝晩、送迎の車で道が渋滞したり、園児の声が煩いことが理由のようです。
先日、公園近くの物件の住み心地は?との記事を見ました。公園は緑があったり、子供の遊び場が確保できたり、特に子育て世帯からは歓迎されると思っていましたが、やはりデメリットもあるようです。
前記の保育園と同様、子供の声が煩いと感じる方もいますし、最近では浮浪者の方が公園で空き缶を一時保管していたりする光景も見られます。浮浪者が滞在していたり、夜、不審者が屯している、との話を聞くこともあります。
このような公園の近くの住宅地を鑑定評価する場合、通常は増価することはありませんが、管理や環境が著しく悪い公園の場合、周辺利用の状態などの項目で減価することも考えられます。
本来、皆が楽しむ場所である公園が、一部利用者のモラルの低下で減価要因にさえなってしまう、残念に思います。
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不動産市場の3極化
バブル崩壊後のトレンドとさえなった不動産市場の2極化という言葉、土地神話が崩壊した転機であったと思います。
それ以前は都市部はもちろん地方圏の地価も下落することはなく上昇を続ける土地神話がありました。銀行は企業が保有する土地の価格が上がることを見越してにお金を融資する、企業の資金調達システムの土台になっていたと思います。
先日、ネットで不動産市場の3極化という言葉を見ました。従来の2極化に、限りなく無価値かマイナス価値となる、という3極目が加えられていました。この3極目の割合は15%とのこと、決して小さくはない割合です。
過疎化や限界集落の増加がますます進むと予想される中、都市部の不動産が異常な高値で取引される状況の中、この3極化という言葉が新たな不動産市場のトレンドとなりそうです。
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東京丸の内に木造の高層ビル
木造といえば、以前は強度や耐震性、耐火性などの問題から低層の建物と相場は決まっていましたが、最近はこれらの問題がクリアーできたからか、木造の事務所ビルなども建てられるようになりました。
今朝、東京丸の内に高さ約100mの木造ビルが建築される、との記事を見ました。柱や床などに多く木材を用いることで、二酸化炭素を約3割削減できる、としています。2028年末の完成予定だそうです。
このような工法を「木造ハイブリッド構造」と呼ぶそうで、純粋に躯体部分を木材で造るのではなく、鋼材なども併用して強度を維持するみたいです。
建築費については触れられていませんが、通常のRC造やS造より割高になるそうで、大企業のイメージ戦略の一環と考えたほういいみたいです。
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